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サイクルロードレース コラム 2026年10月9日

2026年シーズン最後のビッグクラシック 風あり、グラベルありの難コースにスピードマンたちが挑む|パリ〜トゥール2026 プレビュー

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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パリ〜トゥール

昨年は劇的大逆転の結末となったパリ〜トゥール

長かったサイクルロードレースシーズンの終幕が近づいている。フランス伝統の一戦「パリ〜トゥール」の2026年大会は10月11日に行われるが、これこそがヨーロッパにおける主要ワンデーレースの締めとなる。とはいっても、爆発的なレース展開であったり、グラベル(未舗装路)での混戦など、シーズンの最後とは思えないような驚きのドラマが演じられてきた。果たして今年はどうなるか。スピードマンの参戦が次々と決定し、好レースとなることは間違いない。

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9つの急坂セクションと10のグラベルセクションがプロトンを襲う

サイクルロードレースの歴史において、最も古いワンデーレースのひとつと言われるこの大会。1896年に初開催され、回数を重ねていくうちにレースとしてのステータスを高めていった。2026年大会は第120回の節目にもなる。

かつてはシーズン最後のスプリンターの祭典といった趣きだったが、年々コースの難易度が増していき、2018年からはグラベル区間が採用されることに。ぶどう畑を縫って走るこの区間は、雨が降れば泥の中を、晴れても砂ぼこりが舞う中を、選手たちは駆け抜けていくことになる。その合間には急坂区間も控えていて、レース後半にかけてサバイバル化するのが近年の傾向だ。もっとも、風が強い地域とあって、集団を割るほどの強い風によって展開が混沌としていくことも。

パリ〜トゥール

前半は美しい風景を楽しむことができるが......

今年は216.2kmにレース距離を設定。パリから南西に90kmほど行ったシャルトルの街を出発すると、145kmほどは平坦区間が続く。

しかし、レース展開はそこから一変。登坂距離こそ1km前後ながら10%近い急坂セクションが9つと、全10セクター・総距離11kmに及ぶグラベル区間が次々とプロトンを襲う。

パリ〜トゥール

砂塵舞うグラベル区間はメカトラが続出

後半にかけては集団内でのポジショニングとチームオーダー、そして運が選手たちの結果を大きく左右する。トゥールの街に続く最後の8kmは平坦で、逃げる選手と追う集団とのせめぎあいも見もの。終始ハイペースで進行し、200km超のレースながらあっという間に決着……なんてことも大いに考えられる。

史上最多4度目の優勝目指すトレンティン、パワー系スプリンターも多数参戦

前日10日にイタリアで行われるイル・ロンバルディアがグランツールレーサーやクライマー向けなら、パリ〜トゥールはスプリンターやクラシックハンターが集結。2026年最後のタイトルをかけて難コースへと飛び込んでいく。

パリ〜トゥール

大きい小石(?)の砂利道を走る

昨年の覇者マッテオ・トレンティン(チューダー プロサイクリングチーム)は、史上最多となる4度目の優勝を目指して乗り込む。「記録はあまり気にしない」と述べるが、勝つことを最大の目標にスタートラインにつくと宣言。得意とするフランスのコースを今年も制覇となるか。

タフなコースや展開に対応できるスプリンターが多くそろい、レースは一層のスピード化を示すことになりそうだ。ヤスペル・フィリプセン(アルペシン・プレミアテック)、ティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)、アルノー・ドゥリー(ロット・アンテルマルシェ)は、いずれも集団でも少人数の争いになっても対応可能。そこへ、2年前に勝っているクリストフ・ラポルト(チーム ヴィスマ・リースアバイク)や、10月8日のグラン・ピエモンテを勝ったドリアン・ゴドン(ネットカンパニー・イネオス)も加わる。ツール・ド・フランスでステージ勝利を挙げたソーレン・ヴァーレンショルト(ウノエックス・モビリティ)は、スプリントだけでなく独走力も武器だ。

サバイバル化が顕著になれば、シュテファン・キュング(チューダー プロサイクリングチーム)や、ペールストランド・ハーゲネス(チーム ヴィスマ・リースアバイク)、フレッド・ライト(ピナレロ・Q36.5プロサイクリング チーム)にも浮上のチャンス。

今回は12のUCIワールドチームを筆頭に、同プロチーム、同コンチネンタルチームも参戦し、全24チームでの争いとなる。残りわずかな活躍の機会に賭ける選手たちが捨て身の走りを見せることも多く、波乱が起こることも。長きシーズンのエンディングにふさわしい、美しき幕引きがきっと待っているはずだ。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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