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サイクルロードレース コラム 2026年8月24日

マシュー・ブレナンが上りスプリントを制してグランツール初出場で初勝利 ポガチャルはマイヨ・ロホをキープ|ブエルタ・ア・エスパーニャ2026 レースレポート:第2ステージ

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ブエルタ・ア・エスパーニャ

マシュー・ブレナンがグランツール初勝利

大会開幕を告げた個人タイムトライアルから、ロードレースステージへと移ったブエルタ・ア・エスパーニャ2026。200km超えのレース距離が設定された第2ステージは上りスプリント勝負になって、マシュー・ブレナン(チーム ヴィスマ・リースアバイク)がグランツール初勝利。最終盤にはエースのワウト・ファンアールトが仕掛けるなど、ヴィスマは攻撃的な戦術を実らせた。

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「レース前からチームで“今日は攻撃的に行こう”と話していたんだ。ワウトのアタックも予定通り。僕はスプリントに備えていて、その通りの展開になった。最後をしっかり締めることができて本当に良かったよ」(ブレナン)

前日2位のヘイターがマイヨ・ロホを狙って逃げに乗り込む

前日に個人タイムトライアルをこなした選手たちは、ロードレースステージへと移って数日かけてスペインを目指していく。第2ステージのレース距離は当初214.3kmとされていたが、モナコを出発したのち隣国フランスに入ってリアルスタートが切られた関係もあり、公式には200.1kmに。いずれにしても、長距離であることには変わらない。

リアルスタート直後の3選手のアタックは決まらず、その後25kmにわたってアタックとキャッチの繰り返し。2人の逃げ出したのをきっかけに、前日の個人タイムトライアル2位のイーサン・ヘイター(スーダル・クイックステップ)も続き、やがて4選手による先頭グループが形成された。

先頭4人とメイン集団との差は広がっても2分程度。2カ所設けられた3級山岳は、ともに先頭グループが先着し、クーン・ボウマン(チーム ジェイコ・アルウラー)が2回の1位通過で合計6点を獲得。その後問題なくフィニッシュまで走り切っており、山岳賞ジャージのマイヨ・デ・ルナレスに袖を通している。

メイン集団は主にヴィスマとリドル・トレックがコントロール。フィニッシュまで100kmを切ったところで1分10秒差とすると、以降も着実にタイム差を減らしていく。残り60kmを切ったあたりから始まった急坂区間で、ヴィスマはステフェン・クライスヴァイクを集団先頭へと送り出して、一気にペースアップ。これがキャリア最後のグランツールになるベテランのコントロールで、その差は30秒となった。

ブエルタ・ア・エスパーニャ

先頭グループの4選手

タイミングを同じくして、先頭グループではヘイターがアタック。モナコのタイムトライアルでは0秒09差で勝利を逃し、このステージでマイヨ・ロホをゲットするチャンスを探りたいとレース前から公言していた。

「今日のミッションはジャージを獲ることだった。グランツールでそんなチャンスはなかなかないし、集団スプリントでボーナスタイムを得るのは僕の脚では難しいと思ったから、逃げて中間スプリントのボーナスタイムを狙おうと思ったんだ」(ヘイター)

一緒に逃げてきた3選手を振り切って単独走に持ち込むと、ねらい通りに中間スプリントポイントを1位通過。6秒のボーナスタイムを得たところで集団へと戻る決断をしたヘイターだったが、終盤の上り区間で集団から遅れしまいマイヨ・ロホ獲得とはならなかった。

終盤のプランニングが奏功したチーム ヴィスマ・リースアバイク

フィニッシュまで30kmを残して、集団はひとまとまりで進んでいく。形勢そのままに進み、残り10kmから本格的な主導権争いへ。数チームが隊列を組んで前方を固め、向かい風に抗いながら進んでいく。フィニッシュ前4kmから上り基調で、後方では遅れていく選手の姿も見られるが、集団はそんなことを気にせず突き進んでいく。

大きな局面は残り2kmでやってきた。ワウトがアタックすると、集団のムードは一変。勾配が緩やかになったところでマイヨ・ロホを着るタデイ・ポガチャルUAEチームエミレーツ・XRG)とアレッサンドロ・ロメレ(XDS・アスタナ チーム)が追いついて、フィニッシュまで残すは1km。

「ワウトが動くときは僕も反応すべきタイミングだと分かっていた。彼が仕掛けるときは、そこにステージ優勝の可能性があるということだからね。ただ、あまりにも速くて一瞬反応が遅れたんだ。追いつけないかもしれないと思ったよ。ヴィスマは後ろにブレナンもいて、僕としてはどう判断するべきか難しかった」(ポガチャル)

前日のタイムトライアルは、トップのポガチャルから9秒差で終えていたワウト。アタックが決まれば、そのままステージ優勝とマイヨ・ロホ獲得へゴーサインだったが、結局ポガチャルとロメレとの協調が整わず、リドル・トレックが牽引した集団へと引き戻された。ただ、ヴィスマとしては“プランB”としてブレナンが控えている。結果的に、ワウトの動きはスプリントをもくろんだ選手たちの脚を削る効果的なものになった。

ブエルタ・ア・エスパーニャ

マイヨ・ロホで走るポガチャル

「ワウトが逃げている間も、僕は集団前方のポジションをキープしていた。全体的に混乱気味だったけど、クリストフ(ラポルト)がうまく僕の位置を押さえてくれていて、最高の形でスプリントに入ることができたんだ」(ブレナン)

残り500mで先頭に出たフィン・フィッシャー=ブラック(レッドブル・ボーラ・ハンスグローエ)をチェックすると、最後の200mでトップに立ったブレナン。段違いのスピードを見せつけて、一番にフィニッシュラインを通過してみせた。

ポガチャルは4秒のボーナスタイムをゲット

昨シーズンのプロデビュー以降多くのレースで勝利を重ね、この大会に向けても前哨戦のブエルタ・ア・ブルゴスで2勝。グランツール初出場とは思えない落ち着いた走りで勝利をつかんだブレナン。終盤の上りにも難なく対応した。

「登坂力があるとはあまり考えていないのだけれど、今日のようなレイアウトのステージで勝てるということは、いまのスタイルが自分に合っているということなのだろうね。チームも僕のためにレース内外でサポートしてくれているし、何より僕自身が自信を持ってレースに臨めているんだ。最高のスタートが切れたと思うよ」(ブレナン)

勝ったブレナンに続き、2位にはパウ・ミケル(バーレーン・ヴィクトリアス)、3位にはポガチャルが入線。ワウトのアタックにも反応していたポガチャルは、スプリントに切り替えてボーナスタイム4秒をゲット。引き続きマイヨ・ロホを着用する。

「思っていた以上にハードなステージだったね。ワウトについていったら逃げ切れたんじゃないかって? どんな形であっても今日は僕が勝つのは難しかったかもしれないね。結果的にステージ3位だから満足しているよ」(ポガチャル)

ブエルタ・ア・エスパーニャ

山岳賞ジャージを獲得したクーン・ボウマン

続く第3ステージは、この3週間で7回ある山頂フィニッシュの初回。フランス南部を進んで、ピレネー山脈へと入っていく。レースの半分を上りが占めるコースレイアウトで、なかでもフィニッシュ前36kmから始まる1級山岳コル・ド・モン・ルイと2級山岳フォン・ロムーの連続登坂で選手たちは脚を試されることになる。大会3日目にして、早くもマイヨ・ロホの有資格者が絞られていきそうだ。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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