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サイクルロードレース コラム 2026年6月22日

タデイ・ポガチャルが挑む偉業「5勝クラブ」とは? サイクル界頂点の証明|ツール・ド・フランス直前コラム vol.4

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
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ツール・ド・フランス

タデイ・ポガチャルはツール・ド・フランスを4度制している

現行のツール・ド・フランスには23チームが出場し、選手数は184人を数える。全選手がロードレース界きっての精鋭でありながら、総距離3000km超を3週間で走破する戦いに苦しみ、最終目的地のパリに達する頃にはその人数が絞り込まれている。

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全21ステージを走り抜いた者こそが勇者として称えられるなか、その頂点に君臨するただひとりの存在……マイヨ・ジョーヌ。個人総合優勝を果たした者は、ツールの長い歴史にその名が刻み込まれ、ロードレース界を超えた英雄として語り継がれていく。

一度ツールを制するのでも超人的だが、2026年大会では現在の絶対王者が5度目の個人総合優勝にチャレンジをする。タデイ・ポガチャルUAEチームエミレーツ・XRG)は、ロードレース界のレジェンドだけがたどり着いた高みである「5勝クラブ」の扉に手をかけている。ポガチャルはその走りで、大物たちと肩を並べることができるだろうか。

5勝クラブに名を連ねているのは4人だけ

「5勝クラブ」とは、その名の通りツールで5回の個人総合優勝を達成した者が名を連ねる栄誉。実際にそう名付けられた組織を有しているわけではないが、過酷を極めるツールを5度制した者として称えられ続けていく。

ツール・ド・フランス

スタートラインには4賞ジャージと昨日の優勝者が並ぶ

ツール5勝は同時に、この大会における最多優勝記録でもある。現在、ツールを6度制した者は現れておらず、4人がタイ記録として5勝で並んでいる。

1950年代から60年代にかけて活躍したジャック・アンクティルが最初にこの高みに到達すると、1960年代後半から70年代前半にかけてエディ・メルクスが追随。彼らの時代が終わると同時に台頭したのがベルナール・イノー。1990年代前半を彩ったのは、ミゲル・インドゥライン。彼らに共通するのが、時代を席巻し、その間にツールにおいて驚異的な勝率を誇った点。出場すれば強さを誇示し、決してトップの座を譲らなかった。

ポガチャルは5人目の5勝クラブ入りへ

ツール2026年大会では、5勝クラブ入りの瞬間を目にできるかもしれない。ポガチャルが偉大な4人に並ぼうとしているのだ。

ツール・ド・フランス

直近6大会でポガチャル優勝を逃した年はヴィンゲゴーが総合優勝している

ポガチャルは2020年の初出場以来、昨年まで6大会連続でツールの舞台に立っている。そのうち個人総合優勝が4回。先人たちと同様、いやそれをも上回る勢いで勝ち続けていることが数字からも見て取れる。今シーズンはステージレース、ワンデーレース合わせて7大会に出場し、敗れたのがパリ〜ルーベのみ。あとはすべて勝利しており、ツール本番でも当然ながら個人総合優勝候補の筆頭に挙げられる。

5勝クラブ入りの可能性を十二分に有しつつ、現在27歳と、まだまだツールを勝つ可能性を感じさせているあたりが彼のすごさ。5勝クラブ入りは通過点で、ツール史上最多の6勝目、さらにその上へ……もイメージできるところまで、すでに駆け上がっている。

年々ライバルが増えてきており、自身より年下の猛者たちも迫ってきているが、走りを見る限りはまだ力の差は大きい。ポガチャルにとって、「5勝クラブ」への扉は決して重たいものではないはずだ。

過去にはフルームが挑戦したことも

近年では、クリストファー・フルームが5勝クラブ入りに挑戦したものの、王手がかかっていた2018年大会ではゲラント・トーマスとのダブルリーダー体制が関係し5度目のツール制覇はならず。その後は大けがもあり、5勝クラブ入りを遂げられずにいる。

あれだけの強さを誇ったフルームでさえも到達できなかった領域。レースを日ごろから追っている方からすれば、より一層「5勝クラブ」の価値と荘重さを実感する。

ポガチャルは5勝クラブ入りなるか。その結果は、2026年大会の大きなトピックに数えられる。

文:福光 俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

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