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サイクル ロードレース コラム 2023年12月25日

【シクロクロス2023 WC第9戦アントワープ:レビュー】「過去最高の仕上がり」ファンデルプールが砂舞う地元レースで圧勝する

サイクルロードレースレポート by 辻 啓
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マチュー・ファンデルプール

長い砂のストレートで仕掛けて先頭に立ったアルカンシェルが、そのまま40分間レースをリードして独走フィニッシュ。「ビッグ・スリー」が集結して大きな注目を集めたUCIシクロクロスワールドカップ第9戦アントワープで、鮮やかなテクニックで砂を走破し、パワーとスピードで他を蹴散らしたマチュー・ファンデルプールが勝利した。もはや「ビッグ・ワン」と揶揄されるほどの圧倒的な力で。

「スタートでミスして出遅れたんだ。序盤の混沌とした状況で前に上がるまでに時間がかかったけど、脚の調子は良かったし、パニックになることなく踏み続けた」。シクロクロスの勝負を分つと言っても過言ではないホールショット争い(スタート後のスプリント)でペダルが外れてバランスを崩し、集団後方に沈んだファンデルプール。UCIワールドカップ初戦を迎えた全日本チャンピオンジャージの織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)よりも後ろまで下がったが、そこから怒涛の追い上げが始まる。

  • 優勝者を予想する「サイクル誰クル?」のほか、メンバー同士が好きなテーマで話せる「トークルーム」、投稿された写真の中から辻啓氏が毎月優秀作品を数点セレクトする「写真部」、飯島誠氏によるオンラインライドイベントを開催する「宅トレ部」などコンテンツが盛りだくさん。

    サイクルビレッジ | J SPORTS【公式】

    優勝者を予想する「サイクル誰クル?」のほか、メンバー同士が好きなテーマで話せる「トークルーム」、投稿された写真の中から辻啓氏が毎月優秀作品を数点セレクトする「写真部」、飯島誠氏によるオンラインライドイベントを開催する「宅トレ部」などコンテンツが盛りだくさん。

トーマス・ピドコック

同じく序盤に苦戦したのが前週の第8戦ナミュールを制したばかりのトーマス・ピドコックだった。熾烈なポジション争いが繰り広げられた1周目の砂セクションで転倒したピドコックは、ファンデルプールと同様に後方からの追い上げを強いられる展開に。

ワウト・ファンアールト

その一方で好スタートを切ったのがワウト・ファンアールトだった。UCIワールドカップリーダーのエリ・イザビットやマイケル・ヴァントゥレンハウト、ピム・ロンハール、ヨリス・ニューエンハイスと言った今季ワールドカップの常連に混じってレースを展開したファンアールト。しかし、後方から強烈なペースで追い上げてきたファンデルプールには対応できなかった。「まだ1時間を全開で走れるコンディションではないので、コンサバティブに走ることにした。自分のペースを刻むことで燃え尽きることなく走ることができたので、良い判断だったと思う」と振り返るファンアールトは、3周目に7分19秒という最速ラップ(平均27.05km/h)を刻んで一躍先頭に立ったファンデルプールの後ろで、イザビットと2位争いを繰り広げることになる。体調不良で1週間思うようなトレーニングとリカバリーができなかったというピドコックも、ファンデルプールのスピードには対応できずに8番手で走るのがやっとだった。

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