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【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第12ステージ】ニコ・デンツがプロ10年目の大願成就!大逃げでグランツール初勝利 総合勢は五つ星ステージ前の“移動日”
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介さて、完全に“別のレース化”したメイン集団は、40人程度まで絞られたものの、イネオス・グレナディアーズのコントロールは変わらぬままステージを完了した。逃げからこぼれた選手たちを無理に拾うこともせず、「移動ステージ」と割り切って走り終えている。もちろん、個人総合トップ10に変化は生じていない。
マリア・ローザのゲラント・トーマス
「逃げを行かせるまでが大変だったのだけど、それからはリズムよく走ることに終始した。昨日、チームはダメージを負ったけど、今日は立ち直れたと思う。明日は大きな1日。レースで起こるものすべてに適応していかないといけない」(ゲラント・トーマス)
そう、次のステージは今大会初めての五つ星ステージなのだ。降雪によってチーマ・コッピ予定だったグラン・サン・ベルナルドのルートこそ変わったものの、それでも獲得標高は4500m。タフなことには変わりない。3つの1級山岳を上り終えたときに、マリア・ローザを争う形勢はどうなっているだろうか。
首位トーマスから2秒差でプリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)、22秒差でジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)、35秒差でアンドレアス・レックネスン(チーム ディーエスエム)と、ここまでが総合タイム差1分以内。3分差まで広げると11人がひしめく激戦である。大会中盤のヤマ場でアクションを起こす選手が現れるだろうか。ひとつ確かなのは、大きな遅れを喫した時点でマリア・ローザ着用資格が失われるということである。
文:福光 俊介
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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