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【ジロ・デ・イタリア2023 レースレポート:第4ステージ】次代のフレンチオールラウンダー、オレリアン・パレパントルが狙い通りの逃げ切り勝利 アンドレアス・レックネスンはマリア・ローザに涙
サイクルロードレースレポート by 福光 俊介マリア・ローザに袖を通したアンドレアス・レックネスン(チームDSM)
大会初日からレムコ・エヴェネプール(スーダル・クイックステップ)が口にし続けた「マリア・ローザ譲渡計画」は、予定通り第4ステージで実行された。何より、彼の言葉にほぼ全チーム・全選手が影響を受け、止む気配のない風雨の中をノーガードで突き進んだ。
レース半ばにようやく形成された先頭グループに“マリア・ローザ挑戦権”が与えられ、その中からオレリアン・パレパントル(AG2Rシトロエン)がキャリア初となるグランツールのステージ優勝。最も積極的に走ったアンドレアス・レックネスン(チームDSM)に、マリア・ローザが渡った。
「夢のような一日になったよ! 本当はマリア・ローザを狙っていたのだけれど、レックネスンがいたことで目標を切り替える必要性があった。彼とのスプリントになれば勝つ自信はあったし、実際に最後の3kmで勝利を確信していたんだ」(オレリアン・パレパントル)
イタリア半島南部・南アペニン山脈を横断するルートがとられた第4ステージ。今大会5番目に短い175kmの行程には、2級山岳が3カ所。どれも最大勾配10%超えの上りで、最後の登坂はフィニッシュ前12.6kmから始まるコッレ・モレッラ(登坂距離9.6km、平均勾配6.2%、最大勾配12%)。もともとは総合争いに影響しないステージとみられていたが、レムコの発言によって状況は一変。少しでもマリア・ローザを着たい選手や、大会初日の個人タイムトライアルでの遅れを取り戻したい選手がチャンスを得るステージに趣きが変わった。
思いはどのチーム・選手も同じである。リアルスタートからアタックの応酬。ベン・ヒーリー(EFエデュケーション・イージーポスト)やシュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ)、ブランドン・マクナルティ(UAEチームエミレーツ)といった脚のある選手たちが手を変え品を変え攻撃を繰り出す。たびたび数人単位のパックが形成され、そのたびに集団へと引き戻される状況が続いた。一時はレムコやジョアン・アルメイダ(UAEチームエミレーツ)ら個人総合上位陣が後方に取り残される場面も。悪化する天気がハードさに追い打ちをかけ、早々と集団から遅れていく選手も見られる。
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