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サイクル ロードレース コラム 2023年3月14日

【Cycle*2023 パリ〜ニース:レビュー】春の頂上決戦は全力でゲームを仕掛けたポガチャルに軍配、チームTTでのタイム損失はボーナスタイムで補う

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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パリ〜ニース総合表彰台

2023年パリ〜ニース 総合表彰台(優勝ポガチャル、2位ゴデュ、3位ヴィンゲゴー)

まるで主演男優の舞台挨拶。ニースの地中海岸プロムナード・デ・ザングレにて、2023年パリ〜ニースは、タデイ・ポガチャルの独走勝利で幕を閉じた。総合2位ダヴィド・ゴデュと総合3位ヨナス・ヴィンゲゴーを両脇に従え、燦然と輝くイエロージャージを身にまとい、来る7月の本編に向けて自らの強さをたっぷりと見せつけた。

「パリ〜ニースを勝つのはずっと夢だった。そして今、僕は成し遂げた。信じられない」(ポガチャル)

いまだ冬色のパリ郊外で繰り広げられた初日に、いきなりポガチャルは全力でゲームを仕掛けた。小さな登りで加速に乗じ、プロトン全体を慌てさせたり。中間ポイントへ向けてスプリントを切ったり。しかもフィニッシュまでの6kmを、そのまま先頭で突っ走る気まんまん!

昨ツール覇者ヴィンゲゴーだって、後手に回りつつも、ライバルの後輪を逃さなかった。しかし「ヴィンゲゴーが一切の協力体制を拒否した」ことで一旦休戦。ポガチャルはおとなしくプロトンへと帰った。ただ中間スプリントボーナスタイム6秒を手に入れていたおかげで、集団スプリントフィニッシュを制したティム・メルリールの背後で、ツール総合2勝の24歳は早くも6秒遅れの総合3位につけた。初めてのパリ〜ニースの、初めての日に、早くも見慣れた純白の新人賞ジャージに着替えた。

ポガチャルはボーナスタイムに強いこだわりを見せた。最終的には50秒をかき集め(ゴデュ24秒、ヴィンゲゴー10秒)、うち20秒が中間ポイントで手に入れたもの。当然2日目も、平地であろうが、構わず中間スプリントへ打って出た。1位通過でまたしても6秒収集。おかげでスプリンターたちのポイント取り分はごっそり減ってしまい、大会の終わりを待たずに俊足たちは次々と戦線離脱し、ついにはポガチャルが緑の「キング・オブ・スプリンター」ジャージをも持ち帰ることになる。

すべては過去10大会のうち4回が10秒差以内で決してきた「ミニ・ツール」を攻略するためであり、3日目に組み込まれた、全長32kmチームタイムトライアルでの損失を埋め合わせるためでもあった。なにしろユンボ・ヴィスマは、新旧個人TT世界チャンピオンを引き連れ、大会に乗り込んできた。ただ「秒数を稼いだおかげで、不安なくTTTに臨める」と前夜に語っていたポガチャルは、「先頭のタイムを採用」という特殊ルールを最大限に活かすべく、フィニッシュラインへ向けて約350mもの単独ロングスプリントを敢行。この日の最速タイムを記録したヴィンゲゴーからは23秒遅れで走り終え、被害は最小限に留めた。

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