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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第5ステージ】マルク・ソレルが2年ぶりのブエルタ区間勝利!マイヨ・ロホは凄まじい駆け引きの果てにルディ・モラールの肩へ「いつだって信じることを止めてはならないんだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかソレルにとって幸いなことに……モラールにとっても幸いなことに、追いかける側の、足並みは揃わなかった。残り8kmでスチュワートが両脚痙攣で脱落していくと、モラールは「ソレルに追いつかないことこそが最善策」と、完全に腹をくくっている。また追走集団はいつしか10人にまで人数を回復したが、そこにスプリント巧者のダリル・インピーとニキアス・アルントが紛れ込んでいたものだから、もはや誰も前を引きたがらなかったし、モラールは「スプリントでライトを潰してくれたら好都合」と考えた。
「ひたすらライトに張り付いていった。でもライトがスプリントに強いことは知っていたから、最終盤は少し怖かった。最後までストレスでいっぱいだった」(モラール)
フィニッシュラインまで赤ジャージ争いのサスペンスが続いたのだとしたら、残り500m、ソレルは「最後のロータリー」でついに勝利を確信する。歓喜の瞬間が訪れた。ツール第16ステージを体調不良で制限時間内にフィニッシュできなかった屈辱を、地元スペインで、最高の形で払拭することができた。なにより2020年ブエルタ第6ステージ以来、グランツールのステージ優勝から遠ざかってきたスペイン自転車界に、2年ぶりの栄光をもたらした。
おしゃぶりポーズのマルク・ソレル
ソレルの「おしゃぶり」ジェスチャーのわずか4秒後に、後続の10選手がフィニッシュラインへとなだれ込んだ。モラールの望み通りインピーが2位(=ボーナスタイム6秒)に入り、ライトは3位に飛び込んだものの、ボーナスタイム4秒収集に留まった。つまりスタート時点で4秒あった両者の差は、山頂で6秒に広がり、フィニッシュ後にはいまだ2秒残っていた。チームワークと執念とで、モラールがマイヨ・ロホ着用権利を勝ち取った。
「1年前の僕は、ひどい落車事故で、途中棄権を余儀なくされた。本来の調子を取り戻せるかどうかすら分からなかった。昨冬は苦しかった。9週間以上も運動できなかった。しかも1月にコロナに罹患し、症状はかなり重かった。レースにようやく出られたのは3月末。そして、今、こうしてグランツールの総合リーダーに立っている……。いつだって信じることを止めてはならないんだ」(モラール)
2018年大会もまた第5ステージで総合首位に立ったモラールは、その後4日間に渡って赤い日々を満喫している。今年は果たして何日守り通せるだろうか。マイヨ・ロホこそ逃したものの、代わりに純白の新人ジャージを与えられたライトは、2秒差でぴたりとつけている。また首位から5位に後退したプリモシュ・ログリッチに対するリードは4分09秒。今大会最初の難関山頂フィニッシュは、早くも翌日に迫っている。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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