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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第5ステージ】マルク・ソレルが2年ぶりのブエルタ区間勝利!マイヨ・ロホは凄まじい駆け引きの果てにルディ・モラールの肩へ「いつだって信じることを止めてはならないんだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかただ平均勾配8%の急坂は、上り距離は4.6kmとそれほど長くはなく、むしろ下りとその先の平坦が長いのだ。いつしか、後方から、逃げのライバルたちが次々と追いついてきた。先頭グループは再び12人までに膨れ上がった。「100%ルディのため」と心に決め、献身的に牽引役を務めてきたモラールの同僚ジェイク・スチュワートが、改めて最前列で熱心な作業に乗り出した。
このスチュワートは、一時は先行作戦さえ敢行した。残り23kmで単独アタックを打つと、後続に最大50秒近いリードをつけ、そのまま2回目のビベロ登坂へと突入した。すべては後続のモラールが「体力温存」しつつ「単に周りの動きに反応すれば良い」状況を創り出すため。「できる限り先頭集団で山を越える」ためでもあった。というのも、もしもスプリントにもつれ込んだ場合には、同じ年(1999年)に同じ国(イギリス)に生まれ、ジュニアでもアンダーでも何度も代表チームで共に責任を分け合ってきたライト相手に、スプリント勝負を挑む責任さえ託されていたからだ。
アタックを仕掛けたソレル
残り16.5km。山の中腹で、ソレルが勝利へのアタックを決めた。必死で先行するスチュワートはあっさり追い抜かれた。かといって残りのライバルたちは、大きく突き放されたわけではなかった。後輪にモラールがぴたり張り付いているのも構わず、ライトが毅然と前を引いたからであり、山岳ポイントのためにランゲロッティが熱心に追走を続けたからでもあった。残り14.2kmの山頂で、ソレルのリードはわずか12秒程度に過ぎなかった。
ちなみに2回目のビベロ山頂には、ボーナスタイムが設置されていた。ここで「平地では劣るが、登りなら優れる」モラールがまんまと2位2秒を収集。ライトとの総合タイム差を4秒から6秒へと開いた。
山頂を越えてからも、ソレルと後続による、秒単位の追いかけっこは続いた。2018年パリ〜ニースは最終日の下りを利用して逆転総合優勝をさらい、2年前のブエルタ初区間勝利もまた下りフィニッシュだったというソレルだが、ゆるやかなこの日のダウンヒルでは、逆にじりじりと差をつめられていく。残り10kmで10秒、5kmで7秒。
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