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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第5ステージ】マルク・ソレルが2年ぶりのブエルタ区間勝利!マイヨ・ロホは凄まじい駆け引きの果てにルディ・モラールの肩へ「いつだって信じることを止めてはならないんだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかチームメイトのコロナ陽性の影響で、開幕ギリギリに生まれて初めてのグランツールに招集された27歳は、まずは序盤3つの3級山岳できっちり首位通過を果たす。その後も脚を緩めなかった。約10日前にポルトガルで手に入れたプロ初勝利の勢いに乗って、強力な粘りを発揮。残す2つの2級峠でも、それぞれ2位通過と3位通過をさらい取り、大量13ポイントを積み重ねた。
ところでプロトン内にモナコ在住選手は数多く存在するけれど、正真正銘モナコで生まれ育ったプロ選手は、現役ではランゲロッティただ1人。それどころかモナコにとってはなんと約100年ぶりのプロ選手だそうでーーツール・ド・フランス参加は史上2人で、最後の出走選手は1926年ーー、このモナコ自転車連盟会長の息子は、母国の自転車界にとって記録的快挙を成し遂げたことになる。
「信じられない。開幕2日前までブエルタを走る予定じゃなかったのに、今日は逃げに乗って、1日中楽しんで、今はこうして山岳ジャージを着ている」(ランゲロッティ)
ステージ終盤に2回組み込まれた2級山岳ビベロに入ると、焦点は、いよいよステージ優勝とマイヨ・ロホ争いへと切り替わる。
どうやらユンボ・ヴィスマは、4日間着回してきた赤いジャージを、一旦手放すことに決めたようだった。逃げ集団にはあっさり5分半近いタイム差を与えた。ただ2級峠の接近と共に、他の総合系チームたちは、こぞって前線で隊列を走らせた。自ずと走行スピードは上がっていき……差が3分半ほどにまで縮んだ時点で、ユンボ・ヴィスマが主導権を奪還。プロトンに秩序を強いた。最終的にステージ勝者から5分09秒遅れで、総合本命たちは静かに1日を終えている。
おかげで前方の逃げ選手たちは、後方を気にすることなく、ラスト50kmに渡って壮大なる駆け引きを繰り広げることになる。1回目のビベロ登坂で、真っ先に加速を切ったのはソレルであり、真っ先に抜け出したのはローソン・クラドックだった。熱狂しきったバスクファンに埋め尽くされた道を、単独で山頂まで上り詰めた。
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