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【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第4ステージ】ディフェンディングチャンピオンのログリッチがブエルタ4連覇に向けて強さを証明「ブエルタはまだ始まったばかり」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかツール・ド・フランス第5ステージで落車し、椎骨骨折の痛みに耐え続け、ついには第17ステージの朝に帰宅を余儀なくされたログリッチは、スタート前は「一番の目標は落車しないこと」と繰り返していた。望み通り無傷で抜け出した1日の終わりに、嬉しい自身10回目のブエルタステージ優勝が手に入った。予定通りに通算37枚目のマイヨ・ロホも身にまとったし、なにより山頂ボーナス3秒にフィニッシュボーナス10秒も付け加えた。
総合2位には同タイムフィニッシュのチームメート、セップ・クスが13秒差につける。初日チームタイムトライアル2位につけたイネオスの面々に対するリードは、自動的に13秒から26秒に広がった。エヴェネプールは総合順位こそ14位から6位へと浮上したが、やはり遅れは14秒から27秒に開いている。
「ボーナスタイムの差は気にしていない。もちろん僕だってボーナスがほしかったけれど、むしろタイム損失を最小限に留められたことが重要だ。だって僕のすぐ背後で分断が起こった。今日のようなスピードの速いフィニッシュではこういった危険が潜んでいる。それを避けられたことだけでも、今日の作戦は成功さ」(エヴェネプール)
そう、区間13位以下は、集団の分断があったとして7秒差が記録された。つまり区間3位マス、5位シヴァコフ、6位ベン・オコナー、8位エヴェネプール、9位ウィルコ・ケルデルマン、10位ジャイ・ヒンドレー、11位タオ・ゲイガンハートを除くあらゆる総合エースたちが、ログリッチに対して13秒+7秒=20秒を失ったことになる。
レース後にクールダウンするログリッチ
「ブエルタはまだ始まったばかり。そりゃあ10秒遅れより10秒リードのほうがいいに決まってるけどね。最終目標はあくまでもマドリードで表彰台の最上段に立つことなんだ」(ログリッチ)
ユンボ・ヴィスマの意図的なジャージ交代劇だったとは言え、大会序盤4日間で総合首位が毎日入れ替わったのは、2016年大会以来6年ぶり。この先は腰を落ち着けて、第21ステージまで同じ人物でマイヨ・ロホを守るのか。それとも5日目以降も新たな赤ジャージの持ち主が誕生するのか。たとえば昨2021年大会のログリッチは、自らの意思で、ジャージを2度手放している。
文:宮本あさか
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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