人気ランキング
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
コラム&ブログ一覧
【Cycle*2022 ブエルタ・ア・エスパーニャ レースレポート:第4ステージ】ディフェンディングチャンピオンのログリッチがブエルタ4連覇に向けて強さを証明「ブエルタはまだ始まったばかり」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか熱烈なファンに後押しされながら坂を上っていく
この3級山岳で、総合を巡る争いも本格化する。第2、3ステージは中間ポイントにボーナスタイムが設定されていたが、この4日目は3級山岳の山頂に、3秒、2秒、1秒のご褒美がかけられていたせいでもあった。山頂間際でアラフィリップがアタックを打つと、すかさずログリッチ本人が動いた。仲間たちが大切に引き継いできた総合リーダージャージを、チーム内に確実に留め置くために、エース自らがカウンターを仕掛けた。おかげで首位通過=3秒をまんまと成功させると、暫定マイヨ・ロホにあっさり躍り出た。
クレイジーな加速合戦はますます加熱していく。「今日はアラフィリップでステージを勝ちに行く」と決めていたレムコ・エヴェネプールが、ヘアピンカーブがいくつも待ち受ける下りを、弾丸のように駆け下りた。下り切った先ではアスタナ・カザクスタンチームが波状攻撃を仕掛けた。イネオス・グレナディアーズが激しく最前列を争い、残り1kmのアーチは、モビスター隊列が3人先頭でくぐり抜けた。
あらゆる総合エースたちが前へ前へと押し寄せ、小さな加速が続発し、目まぐるしく先頭の顔ぶれは変わった。ひたすらトレックだけが、状況を最後まで制御しようと試みた。かつて魔の山アングリルを制した「ピュアクライマー」ケニー・エリッソンドが、勾配が急激に上がるラスト500m、満を持して最前列に立つと、先頭集団に残る唯一の「スプリンター」ピーダスンを後輪に従えスピード上げた。
ひどいカオスの中、ログリッチは決してポジションを失わなかった。ラスト1kmからは、たった1人で、果敢に前方へと競り上がった。線の細いエンリク・マスが、たくましいピーダスンに当たり負けした一方で、そのピーダスンの後輪でじっと動向を見守っていたログリッチは、ラスト200m、最終コーナーの内側を大胆に突いた。そして、そのまますべてを後方へと振り払うと、フィニッシュラインをいの一番にさらい取った。
あわせて読みたい
J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題
ジャンル一覧
J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!