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サイクル ロードレース コラム 2022年8月1日

【Cycle*2022 クラシカ・サンセバスティアン:レビュー】大人になった神童レムコ・エヴェネプールが人生2つ目のベレー帽「おかげで好感触と共に、ブエルタへと乗り込むことができる」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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【ハイライト】クラシカ・サンセバスティアン|Cycle*2022

続く激坂エライツへ上り始めると、複数チームが、最前列に殴り込みをかけた。中でもディフェンディングチャンピオンチームのEFエデュケーション・イージーポストが、クイックステップを押しのけ、がむしゃらな加速を試みる。

……と、これが、引き金となった。集団前方が割れた隙を突くように、エヴェネプールが前へと進み出たると、残り46km、そのままとてつもなく大きな一発をぶっ放した。

後輪に飛び乗れたのはサイモン・イェーツただ1人。ジロを第17ステージでリタイアした後、まる2ヶ月の空白を経て戦線復帰したばかりのクライマーもまた、とてつもなく絶好調なはずだった。この1週間でワンデーを1つ、区間と総合を1つずつ勝ち取り、優勝本命の一角に名を挙げられてもいた。

「僕も調子は良かったけど、こんな努力をフィニッシュまで続けることはできないだろうことは分かっていた。だから僕は自分のリズムで走るべきだと考えたんだ」(イェーツ)

つまり自らの意志で、残り44.5km、サイモンは静かに後方へと遠ざかっていった。その後はパヴェル・シヴァコフやカルロス・ロドリゲス、ティシュ・ベノート、さらにはバウケ・モレマと追走集団を形成するも、もう2度とレムコの背中を目にすることはなかった。

一方のレムコはクレイジーな努力をフィニッシュまで続けた。距離に震え上がることなどなかった。そもそもジュニア時代の欧州選手権では、114kmもの独走勝利で世界中にその名を知らしめたし、昨夏ドルイフェンコルスでも61kmのソロライドを成功させている。

かつて自らを崖下へと突き落とし、約9ヶ月間レースから遠ざけたダウンヒルも、もはや怖くはなかった。積極的に踏み続けた。ただタイムトライアル巧者を唯一悩ませたのは、エライツを下った先の長い平地に、強い向かい風が吹いていたこと。できる限り上体を低く下げ、高い出力を保ち続けるよう心がけた。

「それから、ムルギル・トントラで、再び全力に切り替えた」(エヴェネプール)

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