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サイクル ロードレース コラム 2022年8月1日

STRAVAデータで振り返る、ファンフルーテン圧勝のツール・ド・フランス ファム

ツール・ド・フランス by 辻 啓
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シャンゼリゼ周回コースを走行するプロトン

ツール・ド・フランスの閉幕と同時に開幕したツール・ド・フランス ファム。8日間にわたって開催された世界最大の女子レースの模様を、STRAVAのデータとともに振り返ります。

ステージ2位に入ったマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)のSTRAVAログを見ると、プロトンは9分30秒前後(平均スピード41km/h前後)のラップタイムを刻んで周回コースを走り、最終周回は8分39秒(平均スピード45.2km/h)までペースアップ。参考までに、男子ツールの最終ステージ最終周回はラップタイム7分03秒(平均スピード55.4km/h)でした。

ユンボ・ヴィスマとチームDSMが熾烈なリードアウト争いを繰り広げ、55km/h前後で巡航してフラムルージュを通過。登り基調&石畳というスプリントしにくいコンディションながら、フォスは最高スピード59.0km/hをマークしたもののウィーベスには届かず。15秒間にわたって平均出力857W、最大出力1,211Wという男子顔負けのスプリントでウィーベスが先着しています。

第2ステージを制したマリアンヌ・フォス

登りスプリントが設定された第2ステージは終盤にかけて精鋭グループが形成され、STRAVAログを見ると残り900mから始まる平均勾配4.1%の登りを平均スピード30.9km/h、最高スピード49.1km/hで駆け上がったフォスがステージ優勝。マイヨジョーヌを獲得したフォスはさらに第6ステージでも優勝する活躍で、レースは終盤の山岳地帯へと入っていきます。

獲得標高差2,900mのクイーンステージとされた第7ステージで奮起したのは、「第2ステージでは体調不良でリタイアしようかと思った」と振り返るアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)でした。最初の1級山岳プティ・バロン(距離9.3km/平均8.1%)でアタックを仕掛けたファンフルーテンは、続く1級山岳プラッツァーヴァーゼル峠(距離7.1km/平均8.3%)で食らいつくデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)を引き離して独走開始。実に60kmにわたって独走を貫き、最後の1級山岳グラン・バロン(距離13.5km/平均6.7%)もリードを失わずにこなしてステージ優勝しました。

ガッツポーズするアネミエク・ファンフルーテン

マイヨジョーヌも同時に手にしたファンフルーテンのSTRAVAログを見ると、最初の1級山岳プティ・バロンを30分59秒で登坂完了。これはもちろんQOM(クイーン・オブ・マウンテン)であるとともに男子を含めた全体でも上位に入るタイムです。さらにファンフルーテンは2つ目の1級山岳プラッツァーヴァーゼル峠を23分56秒、最後の1級山岳グラン・バロンを44分05秒で走破しています。ステージ2位のフォレリングのSTRAVAログと比較しても、登りと下り、そして平坦区間のすべてでファンフルーテンがリードを広げる結果になっています。

一方、マイヨジョーヌを着て走ったフォスのSTRAVAログを見ると、3つの山岳それぞれの登坂タイムは38分45秒(ファンフルーテンから7分46秒遅れ)、31分12秒(7分16秒遅れ)、52分25秒(8分20秒遅れ)でした。

圧倒的強さで総合優勝を果たしたアネミエク・ファンフルーテン

こうして絶対王者としてマイヨジョーヌを手にしたファンフルーテンは、1級山岳ラ・シュペール・プランシュ・デ・ベルフィーユ(距離7km/平均8.7%)にフィニッシュする最終ステージでも他を圧倒。パンクによって合計4回のバイク交換に見舞われながらもファンフルーテンは落ち着いてライバルたちの動きを封じ込め、最後の1級山岳ラ・シュペール・プランシュ・デ・ベルフィーユでアタックを仕掛けて再び独走状態に。STRAVAログによると、急勾配の未舗装区間を含む登りを23分48秒、平均スピード18.0km/h、VAM1,508で駆け上がったファンフルーテンがステージ2位フォレリングに30秒差をつける走りでステージ2連勝と総合優勝を果たしています。

ファンフルーテンの23分48秒という登坂タイムは1級山岳ラ・シュペール・プランシュ・デ・ベルフィーユの圧倒的なQOMであり、全体でも53番手に入るもの。男子ツール第7ステージに当てはめると、ステージ優勝者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)から2分51秒遅れのステージ35位に相当するタイムでした。

文:辻 啓
代替画像

辻 啓

海外レースの撮影を行なうフォトグラファー

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