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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第17ステージ】サンティアゴ・ブイトラゴが人生初のグランツール区間勝利「これはチームの勝利だし、僕ら家族の勝利だ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「総合でもいい場所につけているけれど(14位)、今日の僕は、自分の総合順位よりも区間勝利のことだけを考えて走った。でもこの結果は、将来的に総合系選手を目指していく上で、間違いなく、精神的な励みになる」(ブイトラゴ)
ブイトラゴの35秒後に、リームライゼは悔しさを噛み締めた。ヒルトとカーシーは、背後からものすごい勢いで迫ってくるマリア・ローザ集団をぎりぎりで交わし、2分28秒遅れで2日連続の逃げを締めくくった。
そのマリア・ローザ集団は、残り約40km、1つ目の1級峠の上りで動き始めた。淡々とペダルを回していたイネオス・グレナディアーズから、バーレーンが主導権をむしり取ると、勢力的な牽引に乗り出したのだ。
この猛攻の成果は、しかし2つ目の1級峠で、ようやく形となって現れる。総合3位ジョアン・アルメイダが、残り14km前後で、じりじりと遅れ始めたのだ!
激しく競り合うランダ、カラパス、ヒンドレーの3人
ここぞとばかりにバーレーンは加速を畳み掛けた。総合15秒遅れで総合4位につけるランダの、逆転を成功させるために、残るアシストたちは全力を注いた。もちろんランダ当人は、表彰台だけで満足するつもりはなかったはずだ。残り10km、総合首位リチャル・カラパスや2位ジェイ・ヒンドレーを振り切るために、自ら力強いアタックを切った。
前日もさんざんやりあった末に、終わってみれば差はボーナスタイムだけ……という3者は、この日も差がつかなかった。なにより最終日の個人タイムトライアルを安心して迎えたいにカラパスやヒンドレーにとっても、TT巧者アルメイダの脱落は朗報だった。だからフィニッシュの接近と共に、カラパス、ヒンドレー、ランダは、むしろ共闘体制を強めていった。
「ランダはすごく強く、ヒンドレーもやはり強かった」(カラパス)、「他の2人も強い脚があった」(ランダ)、「3人のレベルはほぼ拮抗してる」(ヒンドレー)とそれぞれに振り返った3者を、最終的に分けたのは、やはりスプリントだった。ボーナスタイムはもはや残っていなかったが、フィニッシュラインでぎりぎりで、カラパスとヒンドレーが分断をしかけた。ランダに6秒差をつけて、総合上位2人はラインを越えた。
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