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【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第10ステージ】エリトリアの若き才能ビニヤム・ギルマイが歴史的グランツール区間優勝「自分の成し遂げたことを本当に嬉しく思う」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかスタートから99.4km地点、フィニッシュまで96.6km地点の第1中間地点から、戦いは急激に加熱していく。
前の3人では、当然のように、今大会4度目の逃げに乗るバイスが先頭でアーチをくぐり抜けた。同僚フィリッポ・タリアーニの首位を守りつつ、自らも2位の座をきっちり固めた。後方では、いつものように、アンテルマルシェとイスラエル・プレミアテック、さらにはグルパマ・エフデジが動いた。ジャコモ・ニッツォーロが早めに仕掛け、マリア・チクラミーノ姿のアルノー・デマールが続いた。中間でもフィニッシュでもほぼ連日スプリントしているギルマイは、メイン集団内では3位通過(全体6位)に終わった。
この第1中間地点は、海沿いのフラットで真っ直ぐな道から、内陸の起伏コースへと変わる起点でもあった。いよいよ攻撃チャンスと見たバイクエクスチェンジが、クリストファー・ユールイェンセンを前方に飛ばした。ただし他は誰も動かなかった。孤独な試みは10kmほど先で自発的に打ち切られた。
リチャル・カラパス(写真中央)
「軽く身体を打っただけ」ながら、コース脇の草むらに転がり落ちたリチャル・カラパスにとっては、この小さな4級山岳で戦いが激化しなかったのは幸いだったはずだ。一方でユアンにとっては、どうやら十分に厳しすぎる速度だったようだ。調子さえ良ければ勝てるはずの地形で……フィニッシュまで80kmを残し、たった1人で遅れ始めた。
ステージ前半を牛耳った3チームのうち、ロットの野望は早々に消えた。もちろんアルペシンとアンテルマルシェは、今まで以上に熱心に作業へと取り組んだ。続く2つ目の4級山岳では、ダビ・デラクルスが飛び出しを試みたが、ベテランクライマーのレイン・タラマエが、若きギルマイのために高速リズムを刻んだ。山を越えた先でファンデルプールが「氷入りストッキング」をディレイラーに絡ませ、自転車交換を余儀なくされた時は、逆にアルペシンの仲間たちが集団前方でテンポを控えた。
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