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サイクル ロードレース コラム 2022年5月18日

【ジロ・デ・イタリア2022 レースレポート:第10ステージ】エリトリアの若き才能ビニヤム・ギルマイが歴史的グランツール区間優勝「自分の成し遂げたことを本当に嬉しく思う」

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「総合系ライダーであるポッツォヴィーヴォや、タラマエや、ヒルトでさえ、僕のために素晴らしい仕事をしてくれた。最後には、ポッツォが、アメージングだった。僕に『来い!』って言って、残り600mから素晴らしいリードアウトをしてくれた」(ギルマイ)

歴史的勝利を収めたギルマイ

歴史的勝利を収めたギルマイ

そして、残り300m、ギルマイは勝利への加速を切った。後輪に潜んでいたファンデルプールも、すぐに飛び出すと、ほぼ横へと並びかけた。しかし、大会初日にはそのまま抜き去ったファンデルプールが、フィニッシュまで50m、力尽きた。ただ右手親指を突き上げ、良きライバル、ギルマイの快挙を讃えることも忘れなかった。

「チームが信じられないような努力をしてくれたから、勝利で締めくくりたかったし、可能な限りの力を振り絞った。でも最後は少し足りなかった」(ファンデルプール)

昨秋のU23世界選手権ではアフリカ出身の黒人選手として史上初のメダルを獲得し、3月末のヘント〜ウェヴェルヘムで、フランドル系クラシックを制した史上初めてのアフリカ人選手になったギルマイは、またしても自らの脚で新たな歴史を書き記した。22歳の才能は、この先もたくさんの「史上初」を達成していくに違いない。

ただ表彰式中にスプマンテのコルク栓が左目を直撃し、直後に病院へ直行。残念ながら記者会見は中止された。左目をガーゼで覆った状態で宿泊先へと帰ったが、その後チーム側から、ガーゼなしで笑顔で乾杯する写真が公表された。開幕からの10日間で6回の区間トップ5入りを成し遂げてきたギルマイが、第11ステージに出走できるかどうかは、当日朝の状況で判断するとのこと。

やはり連日ジロを盛り上げているファンデルプールは、2位で奮闘を締めくくり、3位にはアルバネーゼが食い込んだ。つまり猛烈な打ち合いを繰り広げた総合勢は、誰1人としてボーナスタイムを収集することもなく、全員引き分けでステージを終えた。4賞ジャージの持ち主にも一切変動はなかった。

真っ先に遅れ始めたユアンは、31分18秒遅れでフィニッシュラインにたどり着いた。早ければ第11ステージ後、遅くても第13ステージ後にはリタイアする……と名言するスプリンターにとって、残されたチャンスはもはや多くはない。

文:宮本あさか

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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