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【Cycle*2022 ラ・フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】最大勾配26%の激坂決戦!熟練のバルベルデやアラフィリップを相手にポガチャルが初の戴冠なるか
サイクルロードレースレポート by 辻 啓ユイの壁をよじ登るプロトン
激坂と呼ばれる登りは数あれど「ユイの壁」ほどその表現が最も適切な登りは他にない。今年もラ・フレーシュ・ワロンヌが最大勾配26%の激坂に至る202.5kmコースで開催。爆発的に加速するクライマーたちが短時間高強度バトルを繰り広げる。
レース名が「ワロンを貫く矢」を意味する通り、ベルギー南東部ワロン地域の人口2万人の町ユイに至るコースはアップダウンの連続。ワロン最大の都市リエージュ近郊をスタートする2022年の86回大会は、119.1kmのライン区間を経てユイ周回コースに入る。そこから起伏に富んだ31.2kmの周回コースを2周半。フィニッシュラインが引かれているのは、1984年以降ずっと変わらない「ユイの壁」のてっぺんだ。
ユイ周回コースのコート・デレッフ(全長2,100m/平均5%)は継続だが、過去2年間使用されたフィニッシュ10km手前のコート・ド・シュマン・デ・ギーズ(全長1,800m/平均6.5%)は取り除かれた。代わりにコート・ド・シュラーブ(全長1,300m/平均8.1%)が残り5.7km地点に復活。いずれにしてもこれらの断続的な登りと下りで絞り込まれ、疲弊した集団が最後のユイの壁(全長1300m/平均勾配9.6%)に挑むことになる。
あまりにも「ユイの壁」が厳しすぎるが故に、たとえ逃げグループがメイン集団に対して1分差で登坂を開始しても逃げ切れるとは限らない。事実、逃げグループからの勝利は2003年のイゴール・アスタルロア以来果たされていない。思わず「ちゃん付け」で読んでしまいそうな「ユイ」という可愛い名前に騙されてはいけない。
心肺と筋肉が悲鳴をあげるラスト1kmからフィニッシュラインまでの所要時間は2分45秒前後。勝負はこのラスト数分間で決まるが、かと言って「ラスト数分間だけ見ればいい」というレースではない。周回コースの横風区間で勝負を落とすこともあるし、ポジション取りの悪さからくるインターバルの繰り返しで脚を使ってしまってるかもしれない。いかにトラブルなくフレッシュな状態で最後の数分間に挑めるかが勝負に鍵となる。
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