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総合首位だったラスムッセン(ラボバンク)が規律違反を理由にチームを解雇され、マイヨ・ジョーヌ不在で走ることになった第17ステージ。さらにドーピング陽性反応が検出されたモレーニの所属するコフィディスがレースから去り、わずか1日でプロトンは大きく様相を変えてしまった。比較的平坦な今日のステージは、序盤から逃げていたベンナーティ(ランプレ)が4人によるゴールスプリント対決を制して優勝を飾った。マイヨ・ジョーヌは24歳のコンタドール(ディスカバリー)が受け継いでいる。
141人となったプロトンがポーを出発するとすぐに、フロレンシオ(ブイグテレコム)とドラージュ(フランセーズデジュー)がアタックするが、すぐに吸収されてしまう。その直後にベンナーティとリーギ(ランプレ)、エルミガー(アージェードゥゼール)、フォーテン(ゲロルシュタイナー)、クインツィアート(リクイガス)、トザット(クイックステップ)、フォイクト(チームCSC)、ミラー(サウニエルドゥバル)の8人が逃げを成功させた。この8人を追いかける11人のグループも生まれたが、素早く反応したプロトンに捕えられる。8人は少しずつ差を広げていき、44.5km中間スプリント地点では2分15秒のリードを奪った。
プロトンでは、まだステージ優勝のないケースデパーニュが先頭を走り、逃げる8人を捕まえようとする。一時は1分30秒にまで差を縮めたものの、それ以上近づくことはできず。追撃の手を緩めた集団と逃げの差は広がっていき、ゴールまで42kmでは7分30秒離れていた。
逃げグループに動きが生まれたのは残り19kmのカテゴリー4級峠でのこと。繰り返されたアタックからエルミガー、フォイクト、フォーテン、ベンナーティの4人が抜け出した。ハイペースで走る4人は、残り5kmで後続に1分20秒、プロトンには9分44秒差をつけた。
残り4kmでフォイクトがアタックするも、すかさずベンナーティがカバー。そのまま残り1kmのバナーを通過すると今度はフォーテンが飛び出したが、またしてもベンナーティにより吸収された。残り500mに入っても次々とアタックが生まれたが、ベンナーティが他を寄せつけない強さを見せ、勝利を手にした。約9分40秒遅れでやってきたプロトンでは、マイヨ・ヴェールを争うスプリンターたちがポイントを巡る戦いを展開。ボーネン(クイックステップ)が、シャヴァネル(フランセーズデジュー)、ハンター(バルロワールド)、フェルスター(ゲロルシュタイナー)、ツァベル(ミルラム)に先んじ、スプリントポイントのリードを広げた。
第18ステージは、今日とよく似たほぼ平坦な道をカオールからアングレームまで211km走る。明日もおそらくスプリントで勝負が決まることになるだろう。
ダニエーレ・ベンナーティ(ランプレ・フォンディタル)
ステージ優勝
3週目に入れば、集団スプリントゴールに持ち込むのは難しくなるだろうと思っていた。だから今朝は、エスケープに乗れるよう努力したんだ。でも他の7選手と一緒に逃げ続けるためには、非常にいい脚が必要だった。だってルートは少し登り気味だったし、逃げたのはみなパワフルで、実力の高い選手ばかりだったからね。特に最初の90kmは厳しかった。全力を尽くして走ってもタイム差はなかなか開かず、いつまでたっても2分差。でも我々はしっかり協力体制にあったし、戦意を失ったりしなかったよ。難しいルートだった。山岳ポイントが4回もあったし、アップダウンが多かった。本当に簡単ではなかったよ。だからプロトンがスピードを緩めてくれることを願っていたんだ。最終的に100km地点を過ぎてプロトンはリズムを落として我々を逃がしてくれた。だからタイム差を8分程度まで上げることができたし、おかげで最初の90kmで使った体力を少し回復することが出来た。
スプリント勝負にならなかったらどうしよう、と怖かった。僕こそがスプリント最速だとみんなが知っていたからね。だから山岳で誰かがアタックしたときは、僕自身が最初に追走を行った。例えばフォイクトやミラーがアタックをかけたときなど。それにこれは、僕が好調だという印だったから、だから最後にはスプリントを争いに行ったんだ。
集団スプリントと今日のようなスプリントは違う。確かにスピードが速いことも非常に大切だ。でも十分な体力を保存してゴールラインにたどり着く必要がある。そして今日の僕はいい脚を残していた。だから数々のアタックに動揺することもなかったし、おかげで勝利をつかみとることができたんだ。
僕は自転車競技が大好き。単なる仕事ではなく、大いなる情熱を持って自転車選手を行っている。だからこの難しい今の状況に対して、残念だし悲しい。何か問題が起こるたびに、今回こそが最後であって欲しいと願うんだ。でも大きく変わってきたし、大きく前進してきた。この方角に向かって動き続けなければならない。そしてクリーンに走り続けている選手や、我々を常に応援し続け、このスポーツが大好きなファンたちを、これ以上失望させてはならないんだ。
アルベルト・コンタドール(ディスカバリー・チャンネル プロサイクリングチーム)
マイヨ・ジョーヌ獲得、マイヨ・ブラン保守
昨日の夜はリラックスしようと心がけた。非常にハードな1日だったし、それにまだまだステージは残ってるんだからね。(ラスムッセンの離脱に関しては)すごく驚いたし、嬉しくも思った。だって昨日の僕は、最後の1kmまで、何度もアタックを試みたから。確かにこんな状況の中でマイヨ・ジョーヌを獲得するのは奇妙な気分だよ。でも例えば、落車などでこういう事態が起こることもありえるよね。
僕はクリーンだ。さもなければこの場にはいない。当然レース期間中のドーピング検査、さらにトレーニング中やレース以外の期間のドーピング検査をすっぽかしたことはない。(オペラシオン・プエルトとの関わりは)全くない。僕は単に、関わりのあったチームに属していただけなんだ。しかも最悪のタイミングでね。
僕はラスムッセンを判断する立場にはない。あれはチームが決断したことだし、僕は何か言えるほどの詳細を知らないんだ。僕がクリーンかどうかを問う声が出ているのは悲しいね。僕はこのスポーツが大好きだし、たくさんの人たちが自転車競技を大好きだ。何百万という人が沿道に応援に詰め掛けるなんて、サッカーよりもはるかにすごい人数だよ。
J SPORTS 編集部
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