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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第19ステージ】仲間に支えられた絶好調男マグナス・コルトが今大会3勝目!「彼なしではなにも出来なかった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか表彰台に呼ばれるのを待つマグナス・コルト
スタートからフィニッシュまで全力疾走。3週目の終わりに、全長191.2kmのコースで繰り広げられた、ひどくハイスピードな追いかけっこ。軍配は逃げる側に上がった。今大会絶好調のマグナス・コルトが、3つ目の勝利をもぎ取った。
「本当に素敵だ。夢のようだし、目を覚ましたくない」(コルト)
そもそも道は逃げ向きだった。ステージ序盤に3つの中級山岳が待ち受けていたし、その後も細かいアップダウンが延々と続いた。ピュアスプリンターチームはおそらくコントロールを放棄するだろうし、総合勢たちが動くには、起伏が易しすぎる。だからこそ、ここまでの18日間で思い通りの成績を出せなかったチームと、貪欲に新たな勝利を追い求める者たちとが、こぞって前方へと突進した。
すぐに24人の巨大な逃げが出来上がった。3人滑り込んだカハルラル・セグロスRGAを筆頭に、17チームが前に並んだ。チーム総合首位にこだわるバーレーン・ヴィクトリアスはきっちり1人送り出した。
ところが、いつまでたっても、プロトンの蓋は閉まらない。納得できないチームが複数存在したからだ。たとえば1人も前に送り込めなかったイネオス・グレナディアーズ。総合表彰台乗りが難しくなった今、せめて区間1勝を手にブエルタを締めくくりたかったに違いない。トーマス・ピドコックやパヴェル・シヴァコフが、勢力的にブリッジをしかけた。
チームDSMとバイクエクスチェンジもまた、逃げが気に食わなかった。各チームからニコ・デンツとロバート・スタナードが先頭集団に入っていたのにも関わらず。EFエデュケーション・NIPPOが2人紛れ込んでいたせいかもしれない。しかも、そのうちの1人は、すでに区間2勝を手にしたコルトだ。つまり集団がそのまま逃げ切った場合、デンツやスタナードがスプリントでコルトに蹴散らされるのは……目に見えていた。
まずは追加人員を送り込もうと考えた。この日最初の山岳を利用して、DSMはロマン・バルデやマーティン・トゥスフェルトが、バイクエクスチェンジはアンドレイ・ツェイツがそれぞれ後を追った。ただし、逃げ集団が大きく膨らむことに対して、プロトンは賛同しなかった。後を追いかけた数人は、イネオスもろともすぐさま回収された。
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