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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2021 レースレポート:第15ステージ】亡き父に捧げる勝利!ラファウ・マイカが88kmの独走劇で4年ぶり歓喜「今日は誰も待つつもりはなかった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか序盤50kmの平地を、たった1時間で駆け抜けた。いつまでたっても30秒以上開けない前方集団から、パヴェル・シヴァコフとマグナス・コルトが、さらに前へと飛び出したことさえあった。しかし奮闘虚しく、スタートから68km、すべての選手が前から引きずり降ろされた。
アルと走るマイカ
逃げがすべて回収された直後に、プロトンは1つ目の山岳へとたどり着いた。その山道を上手く利用して、マイカとファビオ・アルがあっさり先行を成功させた。2人のベテランピュアクライマーに、21歳ネオプロのマキシム・ファンヒルスも同伴したが、しばらく先で後退していった。
メインプロトンはようやく歩みを緩めた。マイヨ・ロホ擁するアンテルマルシェの制御の下で、静かな時間を取り戻した。タイム差も最大6分半にまで開いた。……ただし、蓋が閉まる前に逃げ出した20人だけは、飽きもせず追走を続けていたのだけれど。
マイカにとって幸いだったのは、20人が決して「集団」ではなかったこと。引っ付いては離れ、追い付いては突き放す。ひたすら虚しい攻防が繰り広げられた。区間2勝マイケル・ストーラーを含むDSM4人が、多くの選手にとって邪魔者だった。2年前のツール総合3位ステフェン・クライスヴァイクや、グランツール7勝クリス・フルームの山岳アシストとして活躍したワウト・プールスを、誰も前に連れて行きたくはなかった。いつまでたっても共闘体制が築かれることはなく、前方との距離は次第に開いていく。
2015年ブエルタでは共に表彰台に立った2人ーーアルは最上段に、マイカは3段目に人ーーは、1つ目の山頂にたどり着く頃には、すでに追走集団に1分半もの差を押し付けていた。2つ目の登坂口でリードは2分に開いた。
しかし、2人の並走は、長くは続かなかった。1年前の初秋にタデイ・ポガチャルのツール初優勝を見届けることなくフランス一周を離脱し、今季チームを代わり、そしてこのブエルタを最後に現役を立ち去る31歳アルは、2つ目の山道で静かに振り落とされた。逆にこの夏ポガチャルのツール2勝目を見事に支えたマイカは、残り88km、ついに独走態勢へと持ち込んだ。
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