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【Cycle*2021 アークティックレース・オブ・ノルウェー:プレビュー】北極圏の美しきフィヨルドを舞台に、プロトンが熾烈な戦いを繰り広げる!注目の鮭ジャージを手にするのは誰!?
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか自ずと総合リーダージャージの行方は、中間スプリントで3、2、1秒、フィニッシュラインで10、6、4秒……と配分されるボーナスタイムが大きく左右することになりそうだ。まさしく2013年フースホフトは、最終日区間勝利のボーナスタイムで9秒差の逆転総合優勝を収めている。昨2019年大会は、やはりアレクセイ・ルツェンコが最終日区間3位に飛び込み、4秒のボーナスタイムを手に……前日までの3秒差を大逆転。黄色いリーダーを着ていたバルギルは惜しくも区間4位に終わり、つまり1秒差の総合2位に泣いたのだった。
本物の上れる男たちにも、もちろん栄光をつかむ機会は用意されている。それが大会3日目のマルセルフ山頂フィニッシュ。全長3.7km 平均勾配7.8%の上り坂は、間違いなくクライマーたちの脚の見せどころ。2015年大会の第3ステージでほぼ同じコースを使い、同じ山でフィニッシュした時は、山の厳しさで名高いオーストリア一周やユタ一周で総合を制したベン・ヘルマンスがステージ勝利を手にした。また山頂に3秒差で滑り込んだレイン・タラマエが、翌日には総合勝者としての名誉を手に入れている。
山岳賞の副賞は鮭500kg!
ところでイエロージャージ争奪戦もいいけれど、今大会最大のお楽しみは、やはり山岳賞を巡るひときわ熱い戦いに違いない。だって争うのは平凡な山岳ジャージではないのだ。アークティックレース・オブ・ノルウェーのキング・オブ・マウンテンには……今やすっかりおなじみ、サーモンジャージが与えられる。そう、つまり、鮭ジャージ!
しかも副賞が鮭500kgというから、誰もがポイント収集に夢中になる。ちなみに2017年夏に鮭を持ち帰ったベルンハルト・エイゼルは、秋のチームキャンプでチームメートやスタッフたちと美味しく食べた。2018年サーモンジャージのシンドル・ルンケは、地元ノルウェー人という特権を生かして、賞スポンサー本部から「小分け」で受け取る方法を選んだ。スモークサーモンを楽しみ、鮭バーガーを作り、家族や友達、チームで分け合ったけれど、それでもまだまだたっぷり残っていたらしく、……翌年ルンケはあえて山岳ジャージを獲りに行かなかったとさえ言われている。
文:宮本あさか
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宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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