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【ツール・ド・フランス2021 第17ステージ結果速報】ピレネー超級山頂フィニッシュ、総合上位勢の天上バトルはポガチャルに軍配
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部ピレネー山頂決戦で総合を争う3選手が鍔迫り合い
フランス革命記念日のピレネー4日目は超級山頂フィニッシュ、ミュレからサン=ラリ=スラン コル・デュ・ポルテまで178.4km山岳ステージ。スタートから115kmまではほぼ平坦で、そのあと1級を2つと超級を1つ上る。ファーストアタックで飛び出したヴァランタン・マデュアス(グルパマFDJ)、カルロス・バルベロ(チーム クベカ・ネクストハッシュ)の試みは吸収され、ピエール・ロラン(B&Bホテルズ)の独走が15kmほど続いたあと吸収された。
ドリアン・ゴドン(AG2Rシトロエンチーム)、アントニー・ペレス(コフィディス)、ルーカス・ペストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)、ダニー・ファンポッペル(アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ)の4人が抜け出し、追走していたアントニー・テュルジス(チーム トタルエネルジーズ)、マキシム・シュヴァリエ(B&Bホテルズ)が合流、先頭6人でレースは進んでいく。
中間スプリントポイントはファンポッペルが先頭通過、集団先頭はマイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ)、続いてマーク・カヴェンディッシュ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がスプリントポイントを積み重ねた。
先頭6人が1級ペイルスルドに突入、メイン集団は8分半後方。山岳賞を狙うワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)やナイロ・キンタナ、エリー・ジェスベール(共にアルケア・サムシック)がメイン集団から飛び出し、遅れてピエール・ラトゥール(チーム トタルエネルジーズ)が追いかけ、先頭グループでは山頂をテュルジスが先頭通過。メイン集団はマイヨ・ジョーヌ着用タデイ・ポガチャル擁するUAEチームエミレーツがペースを上げ、4分タイム差を縮めた。
1級ヴァル・ルロン・アゼで先頭グループはペースを上げペレス、ゴドン、テュルジスの3人以外は遅れていき、山頂手前5.5kmでペレスが独走を開始、フランス人クライマーが区間優勝を目指す。山頂をペレス先頭通過、8秒後にゴドンが追う。
最終峠超級ポルテへメイン集団まで4分のタイム差を持ってペレスとゴドンが登坂開始。UAEチームエミレーツの牽引で集団は縮小され先頭から遅れた選手を吸収しつつタイム差も縮めていく。ラファウ・マイカ(UAEチームエミレーツ)が残り距離8.4kmまで牽引、と同時にポガチャルがアタック、ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)、リゴベルト・ウラン(EFエデュケーション・NIPPO)、ベン・オコーナー(AG2Rシトロエンチーム)がチェック、独走していたペレスを追い抜き、リチャル・カラパスがジョナタン・カストロビエホ(共にイネオス グレナディアーズ)のアシストで追いつく。
ポガチャル砲は再び放たれヴィンゲゴー、ウラン、カラパスの4人の先頭グループとなったが、すぐにウランがついていけなくなり総合上位勢の三つ巴。カラパスは先頭交代をせず、ポガチャルやヴィンゲゴーが加速しカラパスを振り落としにかかるも、喰らい付いている。集団からダヴィド・ゴデュ(グルパマFDJ)が飛び出し先行する3人を追う。
ラスト2kmでポガチャルがアタック、ヴィンゲゴーもカラパスも離れない。残り距離1.4kmにカラパスが加速、ポガチャルはついていくがヴィンゲゴーは遅れた。しかし急斜面が延々と続きゴールは遠い、300m手前でヴィンゲゴーが追いつくとラスト150mでポガチャルが加速、そのままの速度でヴィンゲゴーに3秒のタイム差をつけ、マイヨ・ジョーヌを示しながらフィニッシュラインを越えた。カラパスはヴィンゲゴーから1秒遅れてフィニッシュ、ウランが区間9位+1分49秒でフィニッシュ、総合順位を2位から4位へ落とした。
「チームが1日を通してハードワークしてくれた、逃げ向きの日が多くてアタックするチャンスがなかった、今日は守るか攻めるか半々だった。マイヨ・ジョーヌで勝つことは素晴らしく言葉にならない」ポガチャル、勝利後インタビュー
Cycle*2021 ツール・ド・フランス
ハイライト動画 第17ステージ
第17ステージ結果
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 05h 03' 31''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 00' 03''
3 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 00' 04''
4 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマFDJ)+ 00h 01' 19''
5 ベン・オコーナー(オーストラリア/AG2Rシトロエンチーム)+ 00h 01' 26''
6 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 01' 40''
7 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00h 01' 44''
8 セルヒオ・イギータ(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 01' 49''
9 リゴベルト・ウラン(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 01' 49''
10 ディラン・トゥーンス(ベルギー/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00h 01' 49''
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 71h 26' 27''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 39''
3 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 05' 43''
4 リゴベルト・ウラン(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 07' 17''
5 ベン・オコーナー(オーストラリア/AG2Rシトロエンチーム)+ 00h 07' 34''
6 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 08' 06''
7 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 09' 48''
8 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ・プレミアテック)+ 00h 10' 04''
9 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 00h 11' 51''
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00h 12' 53''
ポイント賞
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/ドゥクーニンク・クイックステップ)287 Pts
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア/チーム バイクエクスチェンジ)251 Pts
3 ソンニ・コルブレッリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)201 Pts
山岳賞
1 ワウト・プールス(オランダ/イスラエル・スタートアップネイション)78 Pts
2 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)67 Pts
3 ナイロ・キンタナ(コロンビア/アルケア・サムシック)66 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 71h 26' 27''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 39''
3 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマFDJ)+ 00h 15' 42''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 214h 54' 46''
2 EFエデュケーション・NIPPO(アメリカ)+ 00h 34' 16''
3 AG2Rシトロエンチーム(フランス)+ 01h 04' 08''
敢闘賞
96 アントニー・ペレス(フランス/コフィディス)
第17ステージのリタイア
14 ステフェン・クライスヴァイク(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)
コースマップ
第18ステージ 7月15日(木) 午後9:00 - 深夜1:30/J SPORTS 4
[区間] ポー > リュ・ザルディダン 129.7km(山岳・難易度5)/最後の山岳大戦
■コースの特徴
泣いても笑っても2021年大会最後の山岳大戦。いまだ赤玉を巡る争いが続いているなら、この日だけで大量62ptを収集可能だ。いまだマイヨ・ジョーヌを諦めきれないクライマーなら、ステージ終盤の2つの超級峠にすべて懸けるしかない。
前日同様、始まりはなだらかに。ピレネー巡りの拠点であり、今回で73回目のステージ地というポーから、序盤65kmほどはほぼ平地を走る。途中2つの4級峠を通過するが、この先に立ちはだかる巨大2峠に比べれば、ほんの些細な出っ張りに過ぎない。
やはり前日同様に、平坦部分の62.7km地点には、中間スプリントも待ち受ける。緑ジャージの候補者たちが、グルペットを作る直前に、最後の駆け引きを繰り広げる。
そこから目指すは超級トゥールマレーだ。長い山道(17.1km)と、高い標高(2115m)、さらには勾配の厳しさ(平均7.3%、後半7kmに渡り9〜10%が続く)とで、アルプスのガリビエと並ぶ2大伝統峠の地位を守り続けてきた。今年も山頂には、元開催委員長の名を冠したジャック・ゴデ賞(5000ユーロ)が懸けられている。
山頂から標高差約1400mを一気に駆け下りたら、締めくくりの超級リュズ・アルディダンへ。10年ぶりのツール登場となる光の山の、全長13.3km・平均勾配7.4%の山道は、きっとバスク旗の赤&緑で埋め尽くされるに違いない。いや、もしかしたら、かつてこの山を制した2人のエウスカルテル・エウスカディ選手に敬意を表して、オレンジに染まるだろうか。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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