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【ツール・ド・フランス2021 第11ステージ結果速報】ファンアールトが伝統峠モン・ヴァントゥ二重登坂ステージでみごとな独走勝利!総合勢は2位以下に変動
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部ファンアールトが魔の山モン・ヴァントゥ二重登坂ステージで勝利!
ソルグからマロセーヌまで198.9kmのモン・ヴァントゥを2度上る注目ステージ。40.2km地点に中間スプリントポイントが設定されているため、アタックはかからず速度だけがあがる。2kmほど進んだところで最初に動いたのがジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、合わせて複数の選手も飛び出したが吸収され、しばらくアタック合戦は続く。
最初の20kmの平均時速は52km/hと高速でレースは進み、ジョナス・リカールト(アルペシン・フェニックス)、ダヴィデ・バッレリーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の2人がタイムギャップをつけるも吸収された。4級山岳手前でアラフィリップの加速に山岳賞ジャージ着用のナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック)がついていき、山頂手前でキンタナは遅れた。アラフィリップが独走で4級山頂ポイント、中間スプリントポイントを先頭通過。ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション)ら5人の追走と合流、続く4級山頂ポイントもアラフィリップが先頭通過。
1級峠で先頭4人にワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)、バウケ・モレマ、ケニー・エリッソンド、ジュリアン・ベルナール(共にトレック・セガフレード)、クサンドロ・ムーリッセ(アルペシン・フェニックス)、グレッグ・ファンアーヴェルマート(AG2Rシトロエンチーム)らの追走グループが合流、マーティンが山頂を先頭通過し16人で1度目のモン・ヴァントゥへ突入、メイン集団は5分後方。
22kmの長い長い登坂は先頭グループから半数がついていけなくなった、森林限界手前の沿道からたくさんの観客がつめかけ選手たちに声援を送り、いつもの山岳ステージの風景に戻っていた。アラフィリップが山頂を先頭通過、メイン集団はイネオス グレナディアーズが牽引している。
ダウンヒルをこなし2度目のモン・ヴァントゥへ。アントニー・ペレス(コフィディス)が遅れ、ベルナールの牽引が終わりエリッソンドが単独アタック、ファンアールトとアラフィリップ、モレマが追い、ムーリッセとルーク・ダーブリッジ(チーム バイクエクスチェンジ)は力尽きた。ファンアールトのペースアップにアラフィリップ、モレマは耐えられず、さらに勾配のきつい区間でエリッソンドをかわし独走で山頂を先頭通過。
ファンアールトはそのまま軽快にラスト33kmの独走を続け、2着のエリッソンド&モレマに1分14秒のタイム差をつけて区間優勝。前日の集団スプリントで2位につけ、個人タイムトライアルのステージでも4位につけたシクロクロスの元世界王者は超級山岳の中でも一際過酷なステージをみごとに制した。
メイン集団ではミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス グレナディアーズ)の牽引が終わり、ヨナス・ヴィンゲゴー(ユンボ・ヴィスマ)のペースアップでタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)はついていくが、リチャル・カラパス(イネオス グレナディアーズ)とリゴベルト・ウラン(EFN)は遅れヴィンゲゴーがさらに加速するとポガチャルが離されていった。
下りでポガチャルにカラパスとウランが追いつくと3人でヴィンゲゴーを追い、4人での集団フィニッシュとなった。途中で遅れた総合2位のベン・オコーナー(AG2Rシトロエンチーム)は総合5位へ、総合10位のダヴィド・ゴデュ(グルパマFDJ)は総合15位へ順位を落としている。
「逃げに乗ったら勝利のチャンスがあるかもしれないと思った、キャリアで最高の勝利だと言える、とても感動している、信じれば成功はついてくる。ここで成し遂げたことを誇りに思う」ファンアールト、勝利後インタビュー
Cycle*2021 ツール・ド・フランス
ハイライト動画 第11ステージ
第11ステージ結果
1 ワウト・ファンアールト(ベルギー/ユンボ・ヴィスマ)in 05h 17' 43''
2 ケニー・エリッソンド(フランス/トレック・セガフレード)+ 00h 01' 14''
3 バウケ・モレマ(オランダ/トレック・セガフレード)+ 00h 01' 14''
4 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00h 01' 38''
5 リゴベルト・ウラン(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 01' 38''
6 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 01' 38''
7 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 01' 38''
8 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ・プレミアテック)+ 00h 01' 56''
9 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 01' 56''
10 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 03' 02''
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 43h 44' 38''
2 リゴベルト・ウラン(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 05' 18''
3 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 32''
4 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 05' 33''
5 ベン・オコーナー(オーストラリア/AG2Rシトロエンチーム)+ 00h 05' 58''
6 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 06' 16''
7 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ・プレミアテック)+ 00h 06' 30''
8 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 07' 11''
9 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 00h 09' 29''
10 ペリョ・ビルバオ(スペイン/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00h 10' 28''
ポイント賞
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/ドゥクーニンク・クイックステップ)218 Pts
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア/チーム バイクエクスチェンジ)160 Pts
3 ヤスパー・フィリプセン(ベルギー/アルペシン・フェニックス)142 Pts
山岳賞
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア/アルケア・サムシック)50 Pts
2 ワウト・ファンアールト(ベルギー/ユンボ・ヴィスマ)44 Pts
3 マイケル・ウッズ(カナダ/イスラエル・スタートアップネイション)42 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 43h 44' 38''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 32''
3 オレリアン・パレパントル(フランス/AG2Rシトロエンチーム)+ 00h 24' 44''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 132h 09' 11''
2 AG2Rシトロエンチーム(フランス)+ 00h 10' 01''
3 イネオス グレナディアーズ(イギリス)+ 00h 12' 47''
敢闘賞
43 ケニー・エリッソンド(フランス/トレック・セガフレード)
第11ステージのリタイア
142 ティシュ・ベノート(ベルギー/チームDSM)
157 トッシュ・ファンデルサンド(ベルギー/ロット・スーダル)
16 トニー・マルティン(ドイツ/ユンボ・ヴィスマ)
194 ヴィクトール・カンペナールツ(ベルギー/チーム クベカ・ネクストハッシュ)
88 マイルズ・スコットソン(オーストラリア/グルパマFDJ)
135 ダニエル・マクレー(イギリス/アルケア・サムシック)
137 クレモン・ルッソ(フランス/アルケア・サムシック)
27 ルーク・ロウ(イギリス/イネオス グレナディアーズ)
コースマップ
第12ステージ 7月8日(木) 午後9:00 - 深夜1:30/J SPORTS 4
[区間] サン=ポール=トロワ=シャトー > ニーム 159.4km(平坦・難易度1)/2019年大会第16ステージとほぼ同じコース
■コースの特徴
アルプスとモン・ヴァントゥを終えたツール一行は、次なる勝負地、ピレネーへ向けて大移動。つまり平地での2日間が待ち受ける。
このステージのラスト約30kmは、2019年大会第16ステージとほぼ同じコースが描かれた。最終数キロだけはところどころ異なる道を拝借するものの、フィニッシュラインは完全に同じ場所。2年前はカレブ・ユアンが大集団スプリントを制している。
もちろんスタートから約130kmは全く違う道が用意されている。特に序盤20km過ぎから55kmまでは、アルデッシュ峡谷の曲がりくねった細道を延々と走らねばならない。またこの一帯はいつだって強風の通り道。進行方向が変わるポイントには、やはり気をつけねばならない。
それでもスプリンターたちの力比べを阻止する障害など、ほとんど存在しない。21世紀に入ってからニームで区間フィニッシュは4回行われ、うち逃げ切りを許したのは2004年の1度だけ。17年前はピレネーとアルプスの難関山頂フィニッシュに挟まれた1日で、100kmほどの壮大なるアタック合戦の果てに、メインプロトン自らが追走を完全に放棄したのだ。今年はフィニッシュ手前26.7kmに中間スプリントが待ち構えている。つまりマイヨ・ヴェールを欲しい者たちが、ポイント収集機会を簡単に諦めたりはしないだろう。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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