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【ツール・ド・フランス2021 第9ステージ結果速報】悪天候のアルプス山岳決戦は17.3km独走した初出場ベン・オコーナーが区間優勝、ポガチャルは総合タイムを32秒広げる
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部ラスト17.3kmを独走したベン・オコーナーがツール初出場で初区間優勝
プリモシュ・ログリッチ(ユンボ・ヴィスマ)とマチュー・ファンデルプール(アルペシン・フェニックス)が未出走を発表した第9ステージはアルプス2日目超級山岳決戦。クリューズからティニュまでの144.9kmに2級山岳2つ、1級山岳2つ、超級山岳1つが詰め込まれている。アクチュアルスタートが切られても速度が上がるだけでアタックはかからない、2kmほど進んだところでブノワ・コスヌフロワ(AG2Rシトロエンチーム)が飛び出すもすぐに吸収、ハリー・スウェニー(ロット・スーダル)とダヴィデ・バッレリーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)の飛び出しも2級ドマンシーの山頂手前でピエール・ラトゥール(AG2Rシトロエンチーム)にかわされた。
ラトゥールにダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション)が追いつき先行する、10秒背後につけるメイン集団から飛び出したソンニ・コルブレッリ(バーレーン・ヴィクトリアス)、セルヒオ・イギータ(EFエデュケーション・NIPPO)、マイケル・マシューズ(チーム バイクエクスチェンジ)、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)らが追いつき、中間スプリントポイントをコルブレッリが先頭通過、そのまま速度を落とさず集団は一列棒状でズタズタに引き裂かれている。
独走するコルブレッリを含めた先頭グループは43人、メイン集団に2分半のタイム差をつけて1級セズィ登坂開始。ナイロ・キンタナ(アルケア・サムシック)、マイケル・ウッズ(イスラエル・スタートアップネイション)、オマール・フライレ(アスタナ・プレミアテック)の3人が先頭で上り、山岳賞ジャージ着用のワウト・プールス(バーレーン・ヴィクトリアス)が追いつき山頂を先頭通過、長いダウンヒルをこなす。
キンタナ、イギータ、ベン・オコーナー(AG2Rシトロエンチーム)、ルーカス・ハミルトン(チーム バイクエクスチェンジ)の4人が先頭で超級プレ峠を登坂開始、メイン集団は6分後方。追走グループの中からアラフィリップが、メイン集団からはワウト・ファンアールト(ユンボ・ヴィスマ)が遅れていった。キンタナがアタックで抜け出し独走を開始、山頂を先頭通過しイギータ、オコーナーと共に2級ロズランを上りキンタナが再び山頂を先頭通過、山岳賞暫定首位49ptsに躍り出た。
最終峠1級ティニュに入ると突如キンタナの脚が止まり、残り距離17.3kmでオコーナーがペースアップ、イギータはついていくことができなかった。一定ペースで淡々とペダルを漕ぎ続けたオコーナーはツール初出場でみごと独走勝利を飾った。総合14位から2位へと大幅ジャンプアップしている。
メイン集団の牽引がUAEチームエミレーツからイネオス グレナディアーズと代わり、ラスト4kmでリチャル・カラパス(イネオス グレナディアーズ)のペースアップにタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が自らチェック、カウンターでカラパスを突き放し総合タイムをさらに32秒広げた。
「ツールに出場することが夢だった、勝利できたことは本当に嬉しい、チームや支えてくれたみんなに感謝したい。逃げに乗ることは決めていた、総合でも順位が上がってマイヨ・ジョーヌの可能性を聞いた時には我を失いかけた、とにかく今日は出し切った」オコーナー、勝利後インタビュー
Cycle*2021 ツール・ド・フランス
ハイライト動画 第9ステージ
第9ステージ結果
1 ベン・オコーナー(オーストラリア/AG2Rシトロエンチーム)in 04h 26' 43''
2 マティア・カッタネオ(イタリア/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 00h 05' 07''
3 ソンニ・コルブレッリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)+ 00h 05' 34''
4 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 00h 05' 36''
5 フランク・ボナムール(フランス/B&Bホテルズ)+ 00h 06' 02''
6 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)+ 00h 06' 02''
7 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 06' 34''
8 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 06' 34''
9 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 06' 34''
10 リゴベルト・ウラン(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 06' 34''
個人総合順位
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 34h 11' 10''
2 ベン・オコーナー(オーストラリア/AG2Rシトロエンチーム)+ 00h 02' 01''
3 リゴベルト・ウラン(コロンビア/EFエデュケーション・NIPPO)+ 00h 05' 18''
4 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 32''
5 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 05' 33''
6 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 05' 47''
7 ウィルコ・ケルデルマン(オランダ/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 05' 58''
8 アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン/アスタナ・プレミアテック)+ 00h 06' 12''
9 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 00h 07' 02''
10 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマFDJ)+ 00h 07' 22''
ポイント賞
1 マーク・カヴェンディッシュ(イギリス/ドゥクーニンク・クイックステップ)168 Pts
2 マイケル・マシューズ(オーストラリア/チーム バイクエクスチェンジ)130 Pts
3 ソンニ・コルブレッリ(イタリア/バーレーン・ヴィクトリアス)121 Pts
山岳賞
1 ナイロ・キンタナ(コロンビア/アルケア・サムシック)50 Pts
2 マイケル・ウッズ(カナダ/イスラエル・スタートアップネイション)42 Pts
3 ワウト・プールス(オランダ/バーレーン・ヴィクトリアス)39 Pts
ヤングライダー賞
1 タデイ・ポガチャル(スロベニア/UAEチームエミレーツ)in 34h 11' 10''
2 ヨナス・ヴィンゲゴー(オランダ/ユンボ・ヴィスマ)+ 00h 05' 32''
3 ダヴィド・ゴデュ(フランス/グルパマFDJ)+ 00h 07' 22''
チーム総合順位
1 バーレーン・ヴィクトリアス(バーレーン)in 102h 51' 07''
2 AG2Rシトロエンチーム(フランス)+ 00h 18' 04''
3 イネオス グレナディアーズ(イギリス)+ 00h 27' 33''
敢闘賞
124 ベン・オコーナー(オーストラリア/AG2Rシトロエンチーム)
第9ステージのリタイア
103 ティム・メルリール(ベルギー/アルペシン・フェニックス)
126 ナンス・ペテルス(フランス/AG2Rシトロエンチーム)
152 ジャスパー・デブイスト(ベルギー/ロット・スーダル)
11 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/ユンボ・ヴィスマ)
101 マチュー・ファンデルプール(オランダ/アルペシン・フェニックス)
83 アルノー・デマール(フランス/グルパマFDJ)
84 ジャコポ・グアルニエーリ(イタリア/グルパマFDJ)
133 アントニー・ドゥラプラス(フランス/アルケア・サムシック)
183 ステファン・デボッド(南アフリカ/アスタナ・プレミアテック)
196 ニコラス・ドラミニ (南アフリカ/チーム クベカ・ネクストハッシュ)
217 ロイック・ヴリーヘン(ベルギー/アンテルマルシェ・ワンティゴベール・マテリオ)
221 ブライアン・コカール(フランス/B&Bホテルズ)
コースマップ
第10ステージ 7月6日(火) 午後9:00 - 深夜1:45/J SPORTS 4
[区間] アルベールヴィル > ヴァランス 190.7km(平坦・難易度1)/予想される今大会4度目の大集団スプリントフィニッシュ
■コースの特徴
1度目の休息日を終え、プロトンはアルプスを大急ぎで抜け出す。1992年冬季五輪開催地アルベールヴィルからスタートを切る時、これまでは必ず山頂フィニッシュで幕を閉じてきたが、今回は完全に様子が異なる。予想されるのは、今大会4度目の大集団スプリントフィニッシュだ。
周囲に点在する小さな山塊の外周を、まるで縁取るようにコースは描かれた。ただステージ前半のシャルトルーズ山塊だけはどまんなかを横切らざるを得ず、そこで4級峠を1つ、起伏含みの中間ポイントを1つ乗り越える。
ステージ後半に等級のつく山岳は皆無。「南仏への入り口」と呼ばれるヴァランスまで、ほぼ平地を突き進むだけ。残り30km前後に無印の上りも待ち構えているが、休息日明けのスプリンターたちをそれほど苦しめることはなさそうだ。おそらく唯一の問題は風で、終盤プロトンが走るローヌ渓谷は、時に南北に強風が吹き抜ける。
ラスト3kmはほぼ完全な一直線ながら、突如ライン手前350mに、ロータリーを利用した右カーブが待ち受ける。高速トレインからの、激しい位置取り合戦が繰り広げられるに違いない。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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