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【ツール・ド・フランス2021 レースレポート:第3ステージ】ティム・メルリールが歓喜の区間勝利!落車続きの展開にエフデジGM「我々は変えなければならない」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかしかも翌第4ステージには1つも山岳ポイントが登場しないし、第5ステージの個人タイムトライアルも起伏はゼロ。ついでに言うと第6ステージさえ4級峠が1つしか設置されていないから、ファンデルプールがなにかとてつもないことを企まない限り……スヘリンフの山岳ジャージは金曜日第7ステージの半ばまでは安泰だ。だからこそ1つ目の4級峠を終えると、スヘリンフは笑顔で後方プロトンへと帰って行った。逃げの友4人を前線に置き去りにして。
「逃げた3日間のうち、最も簡単な1日だった。他の選手たちは、親切にも、僕に点を取らせてくれた。脚を止めたのはプロトン内のチームメートたちを助けるただったんだ。明日は静かに走るよ……僕にとっては休息日さ」(スヘリンフ)
フィニッシュ直前に落車したカレブ・ユアン
残された4人はその先も勇敢に逃げ続ける。しかし2日間お預けを喰らっていたスプリンターの、脚の疼きは防ぎようがなかった。今大会最初の機会をものにすべく、誰もが前のめり気味で突進した。残り64.6km地点の中間ポイントから、早くも俊足たちは火花を散らした。ちなみに3日連続で、メイン集団内の中間スプリントは、カレブ・ユアンが制した。
ひとたび上がったスピードは、もはや収まりようがなかった。ひどく曲がりくねった不安定な細道では、せわしなくポジション争いが繰り返され、ぴりぴりと一触即発の雰囲気がプロトンを覆いつくし。逃げる4人もがむしゃらにペダルを回し続けたものだから、なおのこと後方プロトンはスピードを上げた。残り15kmほどで前からシュヴァリエは脱落したが、シャール、ワライス、バルトは最終的に残り5.5kmで吸収されるまで、渾身の力を振り絞った。
後半の恐怖劇場は残り12kmほどで幕を開ける。荒野の平坦な直線で、まずはヴァランタン・マデュアスが転び、初日の巨大落車の犠牲者の1人でもあるミゲルアンヘル・ロペスも巻き込まれた。
続いて残り10.5km。荒れた野っぱらの細道で、プリモシュ・ログリッチが道路から押し出された。昨大会総合2位は左半身からもろに倒れ込み、マグナス・コルトも地面に転がった。すでにステージ前半の落車でヘーシンクを失ったユンボ・ヴィスマは、できる限りの要員を集結させた。初日に観客の不注意によりメッセージボードに激突し、いまだあちこち包帯でぐるぐる巻きのトニー・マルティンや、同じ落車で傷だらけのマイク・テウニッセンが、先頭に立って総合エースの救済に必死で努めた。
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