人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2021年6月6日

【クリテリウム・ドゥ・ドーフィネ 第7ステージ:レビュー】苦労人パデュンが超級山岳征服でワールドツアー初勝利「夢なら醒めないで!」

サイクルロードレースレポート by 福光 俊介
  • Line

そんな逆境に立ち向かう姿勢が、今大会にも表れた。不調にあえいだ6日間を吹き飛ばす会心のステージ優勝。フィニッシュ直後に見せた底抜けの明るさは、いつだって前向きな「マーク・パデュンの象徴」だ。

さて、パデュンが歓喜する後ろでは、個人総合上位陣が別のレースを展開。前を行くポートらを目指して、メイン集団からロペスやベン・オコーナー、ダヴィド・ゴデュが次々とアタック。ロペスとオコーナーに一度は追いつかれたポートだったが、残り1kmで一気に攻撃。ともに走ってきた選手たちを振り切ると、2番手を走っていたクスもパス。そのままステージ2位を確保。以降、続々と選手たちがラ・プラーニュの登頂を果たした。

マイヨ・ジョーヌでこのステージに臨んだアレクセイ・ルツェンコもステージ10位とまとめたが、十分なタイム差を得て走り切ったポートがジャージを奪取。最終日を前に、個人総合首位に立った。

リッチー・ポート

リッチー・ポート

「モビスター チームが長時間コントロールしていたが、徐々に人数を減らしていたので、攻撃するチャンスがあると思っていた」(リッチー・ポート)

イネオス・グレナディアーズは、第5ステージでゲラント・トーマスが勝ち、テイオ・ゲイガンハートも控える強力布陣。そんななかで、ポートの立ち位置はリーダー格なのか、はたまたアシストなのかがいまひとつ見えてこなかった。ただ、これではっきりした。

「明日何が起ころうとも全力を尽くして、このジャージを家に持ち帰りたいと思う」(ポート)

「結局イネオスは誰がメインのリーダーなのか」という話題が熱を帯びそうな流れになりつつあるが、何はともあれ、彼らはドーフィネのタイトルをかけて残り1ステージに挑む。

その最終・第8ステージは、147kmのルートに6つの上りを詰め込んだ。中盤に1級山岳コロンビエール峠(11.7km、5.8%)、終盤には超級山岳コル・ド・ジュ・プラーヌ(11.6km、8.5%)を通過するが、例年チーム戦や奇襲戦となるのがドーフィネの最終ステージ。上級山岳にとどまらず、どのカテゴリー山岳でも何かが起きる可能性が秘めている。「ドーフィネはいつも最終日に何かが起きているし、ジャージを持っていても簡単にレースを運べるとは思っていない」とポート。誰にとっても、覚悟の1日がやってくる。

文:福光俊介

福光 俊介

ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ