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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第19ステージ】復調のサイモン・イェーツが3年ぶり4度目のジロ区間勝利に歓喜「体調問題も解決したし、今は最高な気分だよ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかそして勾配が、平均6.7%から一気に9%台に上がるタイミングで、エース自らが動く。残り6.8km、2日前と同じく並み居る総合勢に先駆けて、昨大会4位・現8位のアルメイダが飛び出した。
「チームのみんなは信じられないほどだった。完璧な仕事をしてくれたよ。僕自身は調子が良かったし、自信はあった。だから何が起こるかを見定めるために、早めにアタックしたんだ」(アルメイダ)
やはり2日前と同じように、ほんの数百メートル先で加速に転じたのがイエーツだ。マリア・ローザのベルナルの側には、いまだ3人のアシストが控え、ジョナタン・ナルバエスが先頭で黙々とテンポを刻んでいるタイミングだった。
アタックを開始するサイモン・イェーツ
「イネオスのアシストたちは、テンポを刻んでいるだけで満足しているように見えた。それにツイッターかなにかで、エガンがより保守的に走り、僕についていくよりもコントロールするよう努力する、と言っているのを読んだんだ。だから今日は僕を行かせてくれるに違いない、そう感じた。アタックしてすぐに、それが正しかったことを理解した」(イェーツ)
そう、第14ステージのゾンコランでも、第16ステージ最終峠でも、20018年ブエルタ総合覇者のアタックに瞬時に張り付いたマリア・ローザが、この日はぴくりとも反応しなかった。残り6.4kmのイェーツのアタックに、総合11位ジョージ・ベネット、4位アレクサンドル・ウラソフ、さらには2位ダミアーノ・カルーゾが次々とついていくのを横目に、ベルナルはチームメートと共にマイペースを貫いた。
「たしかにアタックされて、タイム差が簡単に開いていく状況は簡単ではない。でも僕だってのろのろ走っていたわけじゃない。それに前方の選手もいずれ脚に痛みを感じて、少し勢いを落とすはずだと分かっていた」(ベルナル)
残り5.5km、ベルナルとのタイム差が15秒前後に開いた頃、イェーツはさらなる加速を切る。アルメイダを含む5人の先頭集団から抜け出すと、ステージ優勝めがけてついに独走体制に持ち込んだ。
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