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【ジロ・デ・イタリア2021 レースレポート:第19ステージ】復調のサイモン・イェーツが3年ぶり4度目のジロ区間勝利に歓喜「体調問題も解決したし、今は最高な気分だよ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか「チームはファンタスティックな仕事をしてくれた。今朝みんなが僕を奮い立たせてくれたんだ。区間獲りのために働きたい、って言ってくれた。スタート直後から逃げのコントロール作業を引き受け、厳しいテンポで走り続けてくれた」(イェーツ)
2日前の激勾配フィニッシュで、やはりイェーツと共に好調な脚を見せつけたジョアン・アルメイダとウルフパックの仲間たちも、やはりステージを引っ掻き回そうと意気込んだ。逃げには飛び乗れなかった代わりに、残り83km、1つ目の山頂を集団先頭で越えると..とてつもない高速でダウンヒルへ取り掛かった!
あまりに猛烈に下ったものだから、集団の細く長い隊列は、あっという間にところどころで千切れた。しかもイネオスの山岳最終アシスト、ダニエル・マルティネスが後方に取り残されたのを察知するや、さらにドゥクーニンクは速度を上げた。
特に「クレルモンフェランのTGV」カヴァニャの高速列車ぶりに、脱落組は大いに苦しめられた。たった10秒ほどの差を、平地で、どうしても埋めることができない。もはや最後の手段に頼るしかない、とばかり「トップガンナ」があえて後方へ脱落。マルティネスを引き上げるため、世界最高の脚を惜しみなく発揮した。おかげで残り60km、無事に集団はひとつにまとまる。
だから残り38.6km地点、2つ目の山頂では、今度はイネオスが先頭へと集結した。つまり前山の反省を活かして、ダウンヒルの主導権を握ることにした。ただ、あまりに安全に、抑えめに走りすぎたせいで、結局はドゥクーニンクに前をむしり取られてしまうのだけれど。
あとはひたすらバイクエクスチェンジとドゥクーニンク・クイックステップが、追走の責任をきっちり分け合った。先頭を交互に引いた。全長9.7kmの最終登坂には、逃げ集団をわずか17秒差にまで追い詰めていた。エースを勝たせる準備は完了した。
山道に入ると、アルメイダのために、ジェームス・ノックスが最後の力を振り絞った。2017年「U23のツール」ツール・ド・ラヴニールの山頂フィニッシュ区間で、ベルナルに次ぐ2位に食い込んだ英国人クライマーは、逃げで最後まで粘った英国人クリスティアンを回収しつつ、高速でテンポを刻み続けた。
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