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サイクル ロードレース コラム 2013年3月26日

ツール・ド・フランスを知るための100の入り口:山とツール

ツール・ド・フランス by Naco
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トゥールマレ峠(標高2,115m)

自転車レースに「山岳」という要素を意識して取り入れたのは、ツールが初めてだった。しかし、1903年にツールが開始となる前から、山上りに挑戦しようと試みた血気盛んな自転車野郎たちは存在した。

それが証拠に、19世紀末に自転車専用ガイドブックが発売されると、1902年にはピレネーが網羅されたのだった。自転車という秘密兵器を手にした当時のサイクリストたちが、未知の冒険へと駆り立てられた様子がうかがえる。

ツールにおいて本格的なピレネーの組み入れは、1910年。成功に気をよくした主催者は、以来1927年まで、毎年トゥールマレ、オービスク、アスパン、ペイルスルド峠を4点セットで投入し続けた。

翌1911年には、ガリビエ峠を擁するアルプスがデビューを飾り、ピレネーと合わせ、西と東の両横綱として地位を固めていく。

1949年には、峠の難易度格付けが始まる。現在では、超級、第1級、第2級、第3級、第4級の5つに分類されているが、当時のカテゴリーは3種類。

また、等級付けに絶対的な数学的根拠はなく、客観性を重視すると言いつつも、伝統や地元の権力者による圧力などという、人間臭い要素が付加されることもあった。攻める方角や頂上までの距離により、同じ山でも等級が変わることもある。

総合優勝へ向け雌雄を決すべく霧のトゥールマレで死闘を繰り広げたアルベルト・コンタドール(右)とアンディ・アシュレク(左) [2010年大会]

総合優勝へ向け雌雄を決すべく霧のトゥールマレで死闘を繰り広げたアルベルト・コンタドール(右)とアンディ・アシュレク(左) [2010年大会]

オービスク峠(標高1,709m)

オービスク峠(標高1,709m)

昨年3度目のツール・ド・フランス出場を果たした日本の新城幸也(右)。オービスクではチームのエース、トマ・ヴォクレール(左)をアシストし、ヴォクレールのステージ優勝に大きく貢献した(2012年大会)

昨年3度目のツール・ド・フランス出場を果たした日本の新城幸也(右)。オービスクではチームのエース、トマ・ヴォクレール(左)をアシストし、ヴォクレールのステージ優勝に大きく貢献した(2012年大会)

アスパン峠(標高1,709m)

アスパン峠(標高1,709m)

ペイルスルド峠(標高1,569m) 四峠の中では勾配は穏やか。2012年大会第16ステージではオービスク、トゥールマレ、アスパン、ペイルスルドの順で四峠ともコースに組み込まれた。

ペイルスルド峠(標高1,569m) 四峠の中では勾配は穏やか。2012年大会第16ステージではオービスク、トゥールマレ、アスパン、ペイルスルドの順で四峠ともコースに組み込まれた。

写真全て:©Yuzuru SUNADA

代替画像

Naco

1999年末、ホームページを立ち上げ、趣味だった自転車ロードレースの情報記事を掲載しはじめる。2000年夏からは、ツール・ド・フランスの現地観戦レポートを開始。同サイトには、ロードレース・ファンたちが数多く訪れている。現在、フリーランスのジャーナリストとして自転車専門誌に記事を寄稿している。

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