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[写真] 史上初の連勝でツール5勝目を飾ったインドゥライン(1995年)
「アイドルはベルナール・イノー。家には彼の写真が数々貼ってあるんだ」、そう語るのは、ミゲル・インドゥライン。彼もまた、アンクティル、メルクス、イノーに続いて、ツール・ド・フランス5勝の快挙を成し遂げた(1991、1992、1993、1994、1995年)。
さらに、5勝を連覇で樹立したのは、彼が初めてであり、いまだに並ぶ者はいない。
1984年のオリンピックに出場した後、9月にプロに転向し、その約10日後、いきなり初優勝。ツール・ド・ラヴニールのタイムトライアルを制したのだった。翌年、初出場のブエルタで一時総合首位となるなど、大物の片りんを見せる。
プロ人生で上げた勝利数は140勝程度と、メルクスに比べれば少ないものの、ジロでは2勝、ブエルタは1991年に2位となる。1995年コロンビアの世界選手権と、1996年アトランタオリンピックで、金メダルを獲得している(双方ともタイムトライアル)。
1990年、10位に終わったツールでは、チームからアシスト役を免除されていれば、もっと上位にいけたと言われているが、不満を声高に唱えるわけでもなかった。1996年、ハンガーノックのせいで6連覇の夢がついえたときが人生で一番悔しかったというが、レースの場では、怒りをぶちまけることもなかった。
王者の風格が漂い、一目置かれる存在の彼には、当時並列して比較される真のライバルはいなかったのではなかったか。
1964年ツールでジャック・アンクティルとレイモン・プリドールが見せた激戦や、イタリアを二分したともいわれる20世紀中盤の好敵手、ジーノ・バルタリ(ジロ3勝、ツール2勝)vsファウスト・コッピ(ジロ5勝、ツール2勝)、1989年、最終日のタイムトライアルで首位ローラン・フィニヨンを8秒差で逆転したグレッグ・レモンの壮絶な闘いなど、過去ライバルたちの競り合いがレースを盛り上げた。
しかしインドゥラインに関しては、そうした互角のライバルがいなくとも、観客を沸かせる力があった。品格ある彼の存在自体、華があった。
Naco
1999年末、ホームページを立ち上げ、趣味だった自転車ロードレースの情報記事を掲載しはじめる。2000年夏からは、ツール・ド・フランスの現地観戦レポートを開始。同サイトには、ロードレース・ファンたちが数多く訪れている。現在、フリーランスのジャーナリストとして自転車専門誌に記事を寄稿している。
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