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【速報 ジロ・デ・イタリア2024】フィニッシュ手前3kmの無印峠でポガチャルを追いかけたナルバエスがステージ優勝/第1ステージ
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しかも2008年にピンクジャージを着る自分を、献身的に助けてくれた大先輩パオロ・ベッティーニが、イタリア代表チーム監督としてステージに帯同していた。パンターニの魂も、背中を押してくれた。ヴィスコンティ本人が、不思議な因縁を感じているように。
「ボクは1月13日に生まれた。マルコ・パンターニと同じ誕生日さ。きっと彼が、ほんの少し助けてくれたんだと思う」(ヴィスコンティ)
こうしてヴィスコンティは、渾身の力を振り絞ってピラッジィとウェーニングに追いつくと、逆にゴール前23.5km、1人で飛び出した。パンターニ記念碑の前に引かれたゴールへと、単独で目指し始めた。マリア・ローザ集団とのタイム差は2分半。そこから飛び出していた小集団との差は、1分半しか残っていなかった。
なにしろ後方では、無数の企てが繰り返されていた。ピーター・ステティーナが先陣を切り、散々牽引したロットからフランシス・デグレーフも後を追った。前日に大きくタイムを失ったロバート・ヘーシンクが、誇りとタイムを取り戻すために、猛烈に峠道を上がっていた。エゴイ・マルティネスデエステバン、セルジオルイス・エナオモントーヤ、ロベルト・キセロフスキー、さらにはダニーロ・ディルーカと、強豪どころが行動を共にした。ヘスス・エラダが後を追ったのは、チームメート、ヴィスコンティを後方支援するためだったかもしれない。
ただ総合11位・6分40秒差ヘーシンクを先頭とする「シャス・パタット(芋ほり)」集団、いわゆる望みのない追走を続ける集団(しかも12位キセロフスキー、13位エナオモントーヤも含まれていた)に、ニーバリ率いるアスタナ集団は決して慌てたりしなかった。ただ忠誠なるアシスト3人が、高速の一定リズムを刻み続けた。総合8位ラファル・マイカと9位カルロスアルベルト・ベタンクールが飛び出したときも、たかが「新人賞」争いに変に執心したりはしなかった。いよいよ道がガリビエへと分け入ると、望み断たれたヘーシンクの代わりにブランコからフアンマヌエル・ガラーテとウィルコ・ケルデルマンが順にカウンターアタックを試みた。サムエル・サンチェスも、ダミアーノ・カルーゾも隙を突こうと努力した。しかし、何事もニーバリの心を動かさなかった。ただ確実に、信頼できるアシストと共に回収だけを心がけた。
それまで乾いていた路面に、雨粒が落ち、次第に雪へと変わっていった。ヴィスコンティは必死でペダルを漕ぎ続けた。しつこく追いかけてくるラボッティーニや、大急ぎで近づいてくるメイン集団の存在を背後に感じながら、
マリア・ローザ自らが大きな一撃を振り下ろしたのは、ゴール前2kmだった。「アタックを打とう、何かすごいことをやろう、と思ってしまうのはボクの生まれつきの性格」というニーバリは、己の強さをまざまざと見せ付けた。真のライバルたち、つまりカデル・エヴァンスにウラン、マウロ・サンタンブロジオ、ミケーレ・スカルポーニにしっかりと睨みをきかせた。エヴァンスの加速には、背中に張り付くだけでよかった。その間に雑魚たちには、好きに飛び出させておいた。
ヴィスコンティがフィニッシュラインで両手を上げたとき、後続との差は、わずか300mしかなかった。タイムに換算すると42秒。長くて寒くて辛いエスケープの果ての、意外なことに、生まれて初めてのジロ区間勝利だった。2011年第17ステージに、フィニッシュラインを先頭で越えた経験はあるけれど……(スプリント違反で3位降格)。
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