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「血糖値が下ってしまったんだ。だからポートがチームカーに下って、食料を探しに行ってくれた。本当にポートがいてくれて助かったよ。低血糖になるのは初めてではないけれど、空っぽになって、ひどい気分になるんだよ。え?ボクの弱いところを見せつけて、イメージアップを図る作戦だったんじゃないかって?……そんなことを考える人がいるなんて、本当にクレイジーだね。アスリートなら誰だろうが、起こりうる症状なのに」(フルーム)
戻ってきたポートからエネルギーバーをもらい、フルームはかろうじて体力をつなぎとめた。またロドリゲスとクインターナには自由に先を行かせておいて、ポートの助けを得ながら、残りの距離を何とか切り抜けた。1996年のツールでハンガーノックに襲われ、ラスト3kmで3分失い、6年連続の総合優勝のチャンスを失ったミゲル・インドゥラインのような失態は犯さなかったというわけだ。いや、むしろコンタドールよりも57秒先にゴールにたどり着いたのだから、不調にも関わらず、総合2位とのタイム差をさらに開いたことになる(4分34秒→5分11秒)。
ちなみにインドゥラインは補給ルール違反でペナルティタイムを喰らったが、その点はフルームも同じだった。この日は本来ならば、2度目の登坂のふもとまでしか補給が許可されていなかった。だから実際にチームカーの監督から補給食を受け取ったポートには、当然ながら、200スイスフランの罰金+総合タイムに20秒のペナルティが課された。間接的に恩恵を享受したフルームにも、本人やチームにとっては少々不服だったようだが、同じ罰則が適応された。
ロドリゲスとクインターナは、後方の「表彰台ライバル」たちから1秒でも多くタイムを奪い取ろうと、フィニッシュラインぎりぎりまで全力疾走を止めなかった。おかげでコロンビアの新人は、さすがに最終盤で盛り返したコンタドールから総合2位の座は奪い取れなかったけれど……、5分32秒差で総合3位へとジャンプアップ。またロドリゲスは前日のローレンス・テンダムに続き、この日はモレッマを追い抜いて、5分58秒差の総合5位に駒を進めた。
フルームが連日のように異次元の強さを見せる一方で、つまり総合2位コンタドールから5位プリトまでは、47秒差に4人がひしめく超接戦状態。残す2日の難関山岳で、まだまだ表彰台の顔ぶれは変わるのかもしれない。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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