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サイクル ロードレース コラム 2014年7月25日

サッカー界とサイクルロードレース界の意外な関係 ツール王者がサッカー選手に!?

ツール・ド・フランス by 光石 達哉
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第101回ツール・ド・フランスもいよいよ大詰め。ライバルに十分なタイム差をつけたヴィンチェンツォ・ニーバリ(アスタナ)は第20ステージの個人TTを無事乗り切って、パリでマイヨジョーヌをまとうことができるのか? またアルプス、ピレネーの山々をなんとか越えてきたスプリンターたちが、最終日にシャンゼリゼでどんなバトルを見せてくれるのか? 最後まで見せ場は尽きない。

さて、ヨーロッパではサッカーと自転車と言えばどちらもメジャースポーツで、子どものころには両方ともやっていたという人も多いという。今回は、そんな2つのスポーツの結びつきを表わすエピソードをいくつか紹介しよう。

「子どものころから夢だった」サッカー選手に転向したツール王者ペレイロ

2006年ツールで総合優勝したスペイン人のオスカル・ペレイロは、2010年に自転車選手を引退した。そして第2の人生として選んだのが、「子どものころから夢だった」というサッカー選手。当時33歳だったペレイロは、故郷ガリシア州に拠点を置くスペイン2部リーグBのコルショに加入。右ウィングでプレーし、一軍では2試合に出場、2得点を挙げる活躍を見せたそうだ。

逆のパターンもある。現在ツール出場中のベルギー人、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシング)は、少年時代はサッカーに熱中。18歳のころは当時ベルギー2部リーグのK.S.K.ベフェーレンでゴールキーパーとしてプレーしていた。しかし、サッカー選手としての才能に自ら見切りを付け、19歳から自転車選手に転向。遅咲きながらも、もともと祖父も父も自転車選手だった血筋もあり、すぐプロデビュー。2011年にパリ〜ツール優勝、今年のツールでもステージ3位以内に2回入る活躍を見せている。

レース中に母国の試合が気になる自転車選手も

サッカーW杯と言えば6〜7月、ツールは7月の開催。お互いの開催期間が重なるので、ツールに出ている選手もW杯の結果がやはり気になるようだ。

前回2010年南アフリカ大会は、ほぼヨーロッパと時差がなかったため試合時間とレース時間が重なることも多かったが、ツール・ド・フランス直前の6月半ばに行われたツール・ド・スイスではこんなことがあった。

スイスのスター選手ファビアン・カンチェラーラは、レース中に開催されていたグループリーグでスイスがスペインを1対0でリードすると、テレビカメラに向かって1対0と指を突き出してアピール。おそらく、監督から無線で途中経過を聞いていたのだろう。さらに、隣を走っていたスペイン人選手にも自慢気な素振りをみせ、レース中とは思えないリラックスしたムードを見せていた。結局、ご存じのようにこの大会でスイスはグループリーグ敗退し、スペインが優勝するのだが…

今年のブラジル大会は、ちょうどヨーロッパの夜の時間に試合が行われることが多く、ツールに出場している選手たちも観戦しやすかったようだ。ジャイアント・シマノの2人のドイツ人エース、マルセル・キッテルとジョン・デゲンコルブがドイツ対アルゼンチンの決勝を真剣にテレビで見つめている写真がツイッターにアップされたりもしていた。また翌日、2人はハンドルに巻くテープをドイツ国旗と同じカラーにして、母国の優勝を喜んでいた。

チェルシーのモウリーニョ監督も自転車世界王者に感激!

もちろん、ツールに興味を持っているサッカー関係者も多く、今年のツール会場にたびたび姿を見せている。

後半のピレネーのステージでは、元オランダ代表のマルク・ファンボメルが、オランダのチーム、ジャイアント・シマノの応援に駆け付けた。チームカーから選手たちにボトルを渡す手伝いもしたらしく、受け取ったオランダ人選手たちは感激しきりだったようだ。

また、チェルシーのモウリーニョ監督は、ロンドンにゴールした第3ステージで同じポルトガル人で自転車の世界チャンピオンでもあるルイ・コスタ(ランプレ・メリダ)のもとを訪れた。さらに自転車世界王者の証である虹色のジャージ「マイヨアルカンシェル」にサインをもらって、とてもご機嫌だったようだ。

ちなみにルイ・コスタと言えば、フィーゴらとともにポルトガルの黄金世代の中心選手として活躍した元サッカー選手がいるが、もちろん同姓同名のまったくの別人である。

W杯も閉幕し、ツールも間もなくパリ・シャンゼリゼでのゴールを迎える。しかし、今後もヨーロッパで人気の2つのスポーツをぜひ楽しんでほしい。知れば知るほど、ちょっとおもしろい発見があったり、スポーツ文化の奥深さをのぞけたりと、観戦の楽しさが広がるのではないだろうか?

代替画像

光石 達哉

1971年生まれ。モータースポーツとサイクルロードレースをこよなく愛する。自転車系のコラムを執筆するほか、F1の翻訳なども行う。

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