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ちなみに、アップダウンゾーンを最速で走ったのは、アスタナのタネル・カンゲルトで、コンタドールさらに14秒速かった(区間は1分17秒遅れの6位)。またアスタナではルイスレオン・サンチェスも、12秒遅れで区間2位に入る大健闘を見せている。
カザフチームから、こうして2人が好成績を上げた一方で、上位3選手にとっては難しい雨の単独走行となった。1分49秒差で総合5位につけていたダリオ・カタルドは、4分50秒差の6位に順位を下げた。1分14秒遅れの総合3位ミケル・ランダは、4つランクダウンの総合7位4分55秒に。そして水色のジャージの代わりに、生まれて初めてピンク色のアエロスーツを身にまとい、最終走者を務めたファビオ・アルは、3分01秒差の区間29位で走り終えた。59kmの長くて、短い、マリア・ローザの1日だった。
「長かった……。コンタドールは、素晴らしい走りを見せたね。でも、僕自身は、今日の走り自体には、満足しているんだ。ジロはまだ長いし、明日からは山が始まる。戦いは続くんだ」(アル、ゴール後TVインタビューより)
総合は2位に逆戻りし、コンタドールからの遅れは2分28秒にまで開いた。しかし、ある意味、多少なりとも予想していた結果だったようだ。24歳の若者は、すぐに気持ちを切り替え、これから立て続けにやってくる得意の山に強く望みをつなぐ。
「アルにとっては、今日は、よい1日ではなかったかもしれない。でも、明日のマドンナ・ディ・カンピーリョでは、もしかしたら、よい1日にできるかもしれない。僕は来年再びジロ・デ・イタリアに戻ってこられるかどうか、分からない。だから、あらゆる瞬間に、最善を尽くしていきたい」(コンタドール、公式記者会見より)
優勝争いは、コンタドールとアルの2人だけに、絞りこまれたのだろうか。なにしろ予想外なほどに、リゴベルト・ウランも失速した。「数日前の落車で、左半身が痛み、ふさわしいポジションを見つけられなかった」(チーム公式リリースより)と語るコロンビアTTチャンプは、コンタドールからは新たに1分31秒失い、アルからはたったの16秒しか稼げなかった。総合では4分14秒差の4位。マリア・ローザははるかに遠ざかった。
むしろ1分48秒遅れの区間15位アンドレイ・アマドールが、前日の総合8位から総合3位・3分36秒差にジャンプアップ。さらにツール・ド・フランスで総合4位に2度入った経験を持つユルゲン・ヴァンデンブロックが、総合11位から4分17秒差の総合5位へと浮上してきた。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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