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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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1時間17分52秒の長く苦しい努力の後に、2時間近く待たされたヴァシル・キリエンカは、ようやく最後に笑顔になった。自らを「タイムトライアルスペシャリスト」と呼び、チームからこの日の朝「俺達は勝ちに行く」と発破をかけられていたベラルーシ人が、ジロで初めての個人タイムトライアル勝利を手に入れた。区間勝者からわずか14秒遅れのタイムを記録したアルベルト・コンタドールは、落車のせいで失ったマリア・ローザを、あっさり1日で取り戻した。リッチー・ポートとリゴベルト・ウランは、ナショナルTTチャンピオンジャージ姿で大幅にタイムを失い、完全に総合優勝争いから退いた。
雨、風、長さの三重苦。59.4kmというのは、ジロ史上でも11番目に長い個人タイムトライアルだった。桁外れの長さに、恐れをなして……、というよりこの先は、最終日ミラノくらいしか本当のチャンスが残っていないからなのだけれど、トム・ボーネン、アンドレ・グライペル、マイケル・マシューズという3人のスプリンターが帰宅の途についた。1年前に最終日の集団スプリントを制した思い出が、ルカ・メズゲッツを大会に留まらせたのかもしれない。スロヴェニア人スプリンターは、1時間32分21秒の最下位で走り終えている。
出走選手179人中、95番目に走りだしたキリエンカは、3つの中間計測地点ですべてトップタイムを叩きだし、そのまま最後まで首位に居座った。2008年の第19ステージは、冷たい雨の降る中で、ピッツォ・デッラ・プレゾラーナの山頂で独走逃げ切り勝利を飾った。2011年は最終日前日のセストリエーレまで(今年と同じだ!)、やはり1人で逃げ切った。そして、今回も、ある意味では……逃げ切り勝利だった!
世界選手権個人タイムトライアルで2012年3位(45.7km)、2013年4位(57.9km)、2014年4位(47.1km)と好成績を並べてきた男は、序盤の平坦ゾーンで、大量にリードを稼いだ。後半の、アップダウンコースが始まると、少しずつ貯金を失っていった。ラスト約10kmのタイム順位だけ見れば、40秒遅れの26位でしかない。しかし、ヒルクライマーたちの猛烈な追い上げを振り切って、見事なジロ区間3勝目を手に入れた。
「今日はチームとしてタイムトライアルを勝ちにいった。ゼネラル・マネージャーのブレイルスフォードが、『今日は俺達が勝つぞ』と声をかけてきた。誰が、とは言わなかった。僕達全員で勝ちにいったんだ。もちろん僕だってチームの重要な一員で、僕も今日はチームのために仕事をした。僕は結果に満足しているし、きっとチームも満足してくれていると思う」(キリエンカ、公式記者会見より)
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