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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第14ステージ】実力者同士の真っ向勝負!今大会2勝目を掴んだティム・ウェレンス「今日はすべてが完璧だった」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかマイヨ・ロホのログリッチ
「僕らにとってはありがたい逃げだった。すごく強い選手ばかりで、逃げ切りはほぼ確実な上に、総合争いを脅かす危険もない」(ログリッチ)
あっさりと勝機を諦められない者たちもいた。すぐにアスタナが集団コントロールに乗り出した。ステージ折り返し地点に差し掛かると、ボーラ・ハンスグローエも協力を申し出た。最終的にはアスタナ7人、ボーラ2人が猛烈な牽引を行った。ところが、2チームの狙っていたようには、なかなか距離が縮まらない。
なにしろ前にはとてつもない強豪揃いである。しかもウェレンス、ソレル、ウッズの3人は今大会すでに1勝ずつ上げ、つまりは只今絶好調。また後半に3つ登場した山岳の、1つ目こそ、同僚マルタンの山岳賞保守のためにペリションが必死で飛び出しをかけたが、この時を除けば7人の協力体制は極めて良好だった。残り79km地点、中間ポイント通過の際でさえ、総合18位のソレルがボーナスタイムを取りに行かなかったほど。
「かつて自分が加わった逃げの中でも、屈指の良い逃げだった。あれほどハイレベルな動きの中で走り続けたことなんてめったにない。たしかに勝ちたいとは思ったけど、雰囲気は良かった。ステージの後には、みな互いに拳を突き合わせて健闘を称え合った」(ウッズ)
残り60km、2つ目の山頂の手前だった。いまだタイム差は4分半も残っていた。突如としてアスタナとボーラが、85kmにも渡って続けてきた仕事を放棄してしまう。
幸か不幸か、プロトンがホッとする暇は、ほんの一瞬だけ。トイレや補給タイム..と気が緩んだ集団の前方に、トタル・ディレクトエネルジー5人が集結すると、新たに追走へと乗り出したのだ。またしても全員がハイスピードの綱引きへと引きずり戻された。あれほど縮まらなかったタイム差は、今度は残り25kmで1分40秒にまで小さくなった。
ちょうど同じ頃、逃げ集団はさらに一段ギアを上げた。第7ステージ覇者ウッズが切ったとてつもない加速がきっかけだった。逃げに乗るために力を使い、山岳ポイント収集にも力を使ったペリションだけが、ここでたまらず千切れていってしまうのだが、他の5人は激しい駆け引きにびくともしなかった。
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