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サイクル ロードレース コラム 2020年10月26日

【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 第6ステージ結果速報】悪天候の山頂フィニッシュはラスト3kmで仕掛けたヨン・イサギレがブエルタ初区間優勝、カラパスが総合首位へ浮上

サイクルNEWS by J SPORTS 編集部
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ヨン・イサギレ

3大グランツールで区間優勝したヨン・イサギレ

クイーンステージ予定だった第6ステージは国境越えなしのスペイン国内だけのルートへと変更された。アクチュアルスタートのあと、飛び出したレミ・カヴャニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)にマグナス・コルトニールセン(EFプロサイクリング)、レミー・メルツ(ロット・スーダル)が追いつき3人での逃げが形成。

無印峠の上りで集団から10人前後の追走グループが抜け出し、残り距離121km地点でカヴァニャを吸収、マティア・カッタネオ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、ルイ・コスタ、セルジオ・エナオ(共にUAEチームエミレーツ)、ロブ・パワー、マイケル・ストーラー、ヤシャ・ズッタリン(チームサンウェブ)、ヨン・イサギレ、ゴルカ・イサギレ(共にアスタナ プロチーム)、マイケル・ウッズ(EFプロサイクリング)、ギョーム・マルタン(コフィディス)、ミケル・ヴァルグレン(NTT プロサイクリング)らを含む23人での逃げグループとなった。

メイン集団はチーム ユンボ・ヴィズマが3分半程度でコントロール、3級ペトラルバ峠と2級コテファブロ峠はマルタンが先頭通過。コテファブロの下りを利用してゴルカ・イサギレが抜け出すとそのまま単独先頭で逃げ切り勝利を目指す。ゴルカは総合3分37秒遅れ19位のためマイヨ・ロホがヴァーチャルで移動した。

冷たい雨が降り続けるダウンヒルでキャメロン・ワーフ(イネオス グレナディアーズ)がペースアップをはかり、総合首位のプリモシュ・ログリッチが遅れジョージ・ベネット(共にチーム ユンボ・ヴィズマ)が集団まで引き上げる。

最終峠1級アラモン・フォルミガルへゴルカが単独先頭のまま登坂開始、残り距離6.6kmで追走グループに追いつかれ、メイン集団ではモビスター チームがペースアップし遅れる選手が続出。ダビ・デラクルス(UAEチームエミレーツ)やダヴィ・ゴデュ(グルパマ・エフデジ)、マルク・ソレル(モビスター チーム)、エスデバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット)が集団から抜け出し総合タイム稼ぎを試みる。

ラスト3kmでヨン・イサギレが加速、飛び出すことに成功し急勾配を駆け上がりそのまま独走勝利。ヨンはジロ・デ・イタリアとツール・ド・フランスですでに区間優勝しており、ブエルタでの区間初優勝で3大グランツールで区間優勝した選手となった。

メイン集団ではログリッチが遅れライバル勢がこぞってペースアップ。総合3位につけていたリチャル・カラパス(イネオス グレナディアーズ)がヨンから55秒遅れ12着でフィニッシュ、総合首位に躍り出た。ログリッチは1分38秒遅れ20着で総合4位と順位を落としている。

「3つのグランツールでステージ勝利できたことに満足している、気象条件が厳しいことは理解していたが休息日前でもあったので全力でいこうと思った」ヨン・イサギレ、勝利後インタビュー

Cycle*2020 ブエルタ・ア・エスパーニャ

第7ステージ ハイライト

第6ステージ結果
1 ヨン・イサギレ(スペイン/アスタナ プロチーム)in 03h 41' 00''
2 マイケル・ウッズ(カナダ/EFプロサイクリング)+ 00h 00' 25''
3 ルイ・コスタ(ポルトガル/UAEチームエミレーツ)+ 00h 00' 25''
4 ロブ・パワー(オーストラリア/チームサンウェブ)+ 00h 00' 27''
5 ミケル・ヴァルグレン(デンマーク/NTTプロサイクリングチーム)+ 00h 00' 27''
6 ギヨーム・マルタン(フランス/コフィディス)+ 00h 00' 27''
7 マティア・カッタネオ(イタリア/ドゥクーニンク・クイックステップ)+ 00h 00' 38''
8 ヒュー・カーシー(イギリス/EFプロサイクリング)+ 00h 00' 48''
9 ゴルカ・イサギレ(スペイン/アスタナ プロチーム)+ 00h 00' 53''
10 セルジオ・エナオ(コロンビア/UAEチームエミレーツ)+ 00h 00' 55''
・・・ 12 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)+ 00h 00' 55''
18 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 01' 23''
20 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 01' 38''

個人総合順位
1 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)in 24h 34' 39''
2 ヒュー・カーシー(イギリス/EFプロサイクリング)+ 00h 00' 18''
3 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)+ 00h 00' 20''
4 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)+ 00h 00' 30''
5 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 01' 07''
6 フェリックス・グロスチャートナー(オーストリア/ボーラ・ハンスグローエ)+ 00h 01' 30''
7 マルク・ソレル(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 01' 42''
8 エスデバン・チャベス(コロンビア/ミッチェルトン・スコット)+ 00h 02' 02''
9 ダビ・デラクルス(スペイン/UAEチームエミレーツ)+ 00h 02' 46''
10 アレハンドロ・バルベルデ(スペイン/モビスター チーム)+ 00h 03' 00''

ポイント賞
1 プリモシュ・ログリッチ(スロベニア/チーム ユンボ・ヴィズマ)79 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)61 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)57 pts

山岳賞
1 ティム・ウェレンス(ベルギー/ロット・スーダル)19 pts
2 リチャル・カラパス(エクアドル/イネオス グレナディアーズ)18 pts
3 ダニエル・マーティン(アイルランド/イスラエル・スタートアップネイション)16 pts

ヤングライダー賞
1 エンリク・マス(スペイン/モビスター チーム)in 24h 35' 46''
2 ダヴィ・ゴデュ(フランス/グルパマ・エフデジ)+ 00h 02' 40''
3 ジーノ・マーダー(スイス/NTT プロサイクリング)+ 00h 02' 57''

チーム総合順位
1 モビスター チーム(スペイン)in 73h 49' 56''
2 UAEチームエミレーツ(アラブ首長国連邦)+ 00h 03' 37''
3 チーム ユンボ・ヴィズマ(オランダ)+ 00h 08' 09''

ステージ敢闘賞
57 ゴルカ・イサギレ(スペイン/アスタナ プロチーム)

第6ステージのリタイア
152 フェルナンド・バルセロ(スペイン/コフィディス)

コースマップ

第7ステージ 10月27日(火)午後11:35 - 深夜2:00/J SPORTS 4
[区間]ビトリア=ガステイス > ビリャヌエバ・デ・バルデゴビア 159.7km/登坂距離7.8kmの1級オルドゥニャ、最大勾配は14%!

■コースの特徴
休息日翌日に特有の「時差ぼけ」に要注意。翌日に山頂フィニッシュを控えて、総合勢はできるだけ早く体内のレースリズムを回復せねばならない。しかしコース上に待ち構える2回の上りは、決して簡単ではない。

ブエルタ一行はフランスからスペインへと再入国し、開幕地バスク州に立ち戻った。そのバスク州の首都から、大会2週目の戦いは走り出す。序盤50kmは目立った起伏こそないものの、道は延々と細かいうねりをはらんでいる。

そこから10kmほどのダウンヒルをこなすと、下りきった直後に1級オルドゥニャ峠へと突入だ。この「下って上って」のセットをプロトンは2回こなす。つまり大きな周回が描かれた。バスクの熱狂的なファンたちが山の戦いをたっぷり2回堪能できる、粋なコース設計だった。……ただし残念ながら新型コロナウイルスの感染防止のため、このオルドゥニャ峠への観客の立ち入りは完全に禁じられれている。

ヘアピンカーブをいくつもこなして、岩山を上ると、途端に目の前の風景が大きく開ける。遥か遠くまで一望できる。そんな1級オルドゥニャの登坂距離は7.8km、平均勾配は7.7%。麓から最終盤まで勾配は比較的一定ながら、ところどころに10%超のゾーンが顔を出す。最大勾配は14%。

歓声の聞こえない山を2回上り詰めたら、フィニッシュまでは残り19km。それほどテクニカルではないダウンヒルと、道幅の広い平地で1日は締めくくられる。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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