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【ブエルタ・ア・エスパーニャ2020 レースレポート:第5ステージ】ブエルタ初参戦で手にした初区間勝利!ティム・ウェレンス「ブエルタに来るのだってちょっと怖かったんだ」
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかただやはり問題があった。再びユンボが紛れていたのだ。しかもそれが総合6位・44秒差のセップ・クスだったものだから..メイン集団の総合系チームが見逃すはずなどない!
追走に動いたのは、総合3位リチャル・カラパス擁するイネオス・グレナディアーズだった。5人の隊列を組み上げると、勢力的に集団牽引を始めた。しかも前方では「暫定マイヨ・ロホ」がひらり、ひらり、と時おり楽しそうに加速を打つものだから、ますますイネオスは懸命に追った。
総合争いに巻き込まれる前に、早めに11人から抜け出した選手がいた。それがテイメン・アレンスマンとティム・ウェレンスであり、さらにはギヨーム・マルタンだった。すでに第1の逃げで70km近く前にいたマルタンは、改めてひとりで10km近く追いかけた。そして残り65kmでクスを含むグループがメイン集団に吸収された一方で、3人は目論見通り順調にタイム差を開いていく。
集団を牽引するユンボ・ヴィスマ
その後もイネオスは仕事を続けた。3分半ほどでタイム差を几帳面にコントロールし続けた。ツール・ド・フランスの終わりに史上最強の自転車選手エディ・メルクスから「正直にプロトン制御に励みすぎ」と批判されたユンボ軍団は、おかげで2列目で静かに過ごすことができた。さすがに残り33km、イネオスが作業を放棄したあとは..マイヨ・ロホ保持チームの責任として前を引く以外の選択肢はなかったけれど。
たしかに今ツール総合11位マルタンや、2018年ツール・ド・ラヴニールでアンダー1年目にして総合2位..つまりタデイ・ポガチャルの次点に入った脅威の20歳アレンスマンは、時と場合によっては警戒すべき人物だ。しかし3人の中で最も総合上位のマルタンでさえすでに10分以上遅れている。ユンボには急ぐ理由はなかった。4分半まで差は開いた。
ここでなぜかトタル・ディレクトエネルジーがしびれを切らす。序盤の逃げには1人選手を送り込んだが、2つ目には出遅れた。だから残り25kmでプロトン最前列へ3選手を送り込むと、全速力で牽引に乗り出した。ただし他チームからの援護射撃はゼロ。10kmほどの努力の果てに、トタルはむなしく集団後方へと引き下がった。
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