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サイクル ロードレース コラム 2020年9月13日

【宮本あさかのツール2020 レースレポート】サガンとその親衛隊が作戦決行するもステージ優勝には届かず「結局のところ、これが僕らにできる最高のことだったんだ」 /  第14ステージ

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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作戦1:逃げは慎重に選別し、コントロールすべし。人数はできるかぎり少なめがいい。

「逃げ向き」と呼ばれたステージの最初から、ボーラ軍団は睨みを利かせた。ただエドワード・トゥーンスとシュテファン・キュングだけが先行を始めた。実はサンウェブもケース・ボルとカスパー・ピーダスンが「作戦通りに」前に出たが、「逃げ切りできるほどの大きな集団ではない」と判断。あえて逃げを打ち切っている。プロトンはただ2人の背後で黙々と走り続け、最大6分ほどの差を許すにとどまった。

作戦2:中間ポイントは最大限に収集しよう。最初のスプリント機会は、スタート序盤38km地点に設置されていた。まさにサガンにとって御の字だったのは、直前の32km地点に、4級山岳が待ち構えていたこと。登坂距離1kmの小さな小さな山だけれど、平均勾配は8.4%とかなりきつい!

この「ジャンプ台」を利用して、サガンは急加速を切る。「ピュア」スプリンターを次々と千切り、望み通りベネットも振り払った。さらに前夜の大逃げで大奮闘したマキシミリアン・シャフマンの助けを借りて、最後までしがみついたポイント賞5位マッテオ・トレンティンをも突き放した。おかげで中間スプリントはメイン集団の先頭=3位で15ptを収集。6位通過10ptのベネットとの差を、61ptへと縮めた。

作戦3:2級ベアル峠でベネットの息の根を止めること。中間ポイントの直後から、プロトンは長い山道へと分け入った。公式データによれば登坂距離は10.2kmだが、実質は30kmもだらだらと上り続けた。山の苦手なライバルを完全に後方へ突き落とすには、絶好の地形ではなかろうか。

ドゥクーニンク・クイックステップも指をくわえて眺めていたわけではない。ベアル峠に入る前は、チーム自らが先頭に立ち、ベネットが耐えきれる程度の優しいリズムを刻んだ。しかし本格的な登りが始まると同時に、再びボーラが主導権を奪い返す。またしても速度は跳ね上がる。前方で独走を始めたキュングはみるみるリードを減らし、後方ではスプリンターたちが、ぽろぽろと脱落していった。ついには山頂まで2km、必死にしがみついていた緑のジャージも、後方へと遠ざかっていった。

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