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【ツール・ド・フランス2020 第14ステージ結果速報】リオン市街地での激しいアタック合戦で抜け出しに成功したクラーウアナスンがツール区間初勝利
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部見事な抜け出しで区間優勝を果たしたクラーウアナスン
クレルモン・フェランからフランス第2の都市リヨンへ向かう、5つのカテゴリー山岳をのぼる平坦ステージ。アクチュアルスタートで飛び出したエドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード)とケース・ボル(チームサンウェブ)の先頭グループにシュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ)が追いつく。
最初の4級峠でボルは集団に戻り、メイン集団ではペーター・サガンがマキシミリアン・シャフマン(共にボーラ・ハンスグローエ)を連れてペースアップ、マッテオ・トレンティン(CCCチーム)がついていく。中間スプリントポイントを先行するトゥーンス、キュングに次ぐ3番目に通過し15ポイントを手に入れた。
2級べアル峠でボーラがペースアップをはかり、ついていけなくなる選手が続出。山頂まで1.6kmのところで先頭グループのトゥーンスが遅れ始め、この日敢闘賞のキュングが単独となる。ポイント賞首位のサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)がついていけなくなる頃には先頭まで5分45秒あったタイム差は3分を切っていた。
残り距離80km地点で先行していたキュングを吸収、メイン集団から2分弱遅れていたベネットグループは追いつくことを諦め、サガンがマイヨ・ヴェール奪還に向けて差を大きく詰めるチャンスを作り出した。
ボーラの牽引にCCCチームも加わり速いペースでレースは進み、チーム ユンボ・ヴィズマが先頭でリオンの市街地へ突入。4級デュシェールでティシュ・ベノート(チームサンウェブ)が最初に仕掛け、ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ)も抜け出した。
下りでレナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)がべノートをかわし先頭に立つと4級クロワ・ルスへ。トーマス・デヘント(ロット・スーダル)、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)のアタックは沿道を大いに沸かし、山頂で集団が一つになるとマルク・ヒルシ(チームサンウェブ)がカウンターで抜け出す。下りでサガンが捕え、ラスト3.2kmでアタックしたセーアン・クラーウアナスン(チームサンウェブ)が抜け出すことに成功、15秒のタイムギャップを保ったまま独走でフィニッシュ。
集団スプリントはルカ・メズゲッツ(ミッチェルトン・スコットェ)、シモーネ・コンソンニ(コフィディス)、サガンの順でフィニッシュ、サガンはベネットとのポイント差を66から43ポイントに詰めた。総合勢も同タイムでフィニッシュ、変動はなかった。
「たくさんの感情が湧き起こって言葉が出ない、ツールでのステージ優勝を夢見ていたけど自分には不可能だと思っていた。ヒルシの活躍はチームに刺激を与えた」(クラーウアナスン、勝利後インタビュー)
第14ステージ結果
1 セーアン・クラーウアナスン(チームサンウェブ/デンマーク)in 04h 28' 10''
2 ルカ・メズゲッツ(ミッチェルトン・スコット/スロベニア)+ 00h 00' 15''
3 シモーネ・コンソンニ(コフィディス/イタリア)+ 00h 00' 15''
4 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)+ 00h 00' 15''
5 カスパー・ピーダスン(チームサンウェブ/デンマーク)+ 00h 00' 15''
6 ジャスパー・ストゥイヴェン(トレック・セガフレード/ベルギー)+ 00h 00' 15''
7 マッテオ・トレンティン(CCCチーム/イタリア)+ 00h 00' 15''
8 オリバー・ナーセン(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/ベルギー)+ 00h 00' 15''
9 ソンニ・コルブレッリ(チーム バーレーン・マクラーレン/イタリア)+ 00h 00' 15''
10 マルク・ヒルシ(チームサンウェブ/スイス)+ 00h 00' 15''
個人総合順位
1 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ/スロベニア)in 61h 03' 00''
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 00' 44''
3 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 59''
4 リゴベルト・ウラン(EFプロサイクリング/コロンビア)+ 00h 01' 10''
5 ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック/コロンビア)+ 00h 01' 12''
6 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ プロチーム/コロンビア)+ 00h 01' 31''
7 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)+ 00h 01' 42''
8 ミケル・ランダ(チーム バーレーン・マクラーレン/スペイン)+ 00h 01' 55''
9 リッチー・ポート(トレック・セガフレード/オーストラリア)+ 00h 02' 06''
10 エンリク・マス(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 02' 54''
ポイント賞
1 サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ/アイルランド)262 pts
2 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)219 pts
3 マッテオ・トレンティン(CCCチーム/イタリア)169 pts
山岳賞
1 ブノワ・コヌフロワ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)36 pts
2 ナンズ・ピーターズ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)31 pts
3 マルク・ヒルシ(チームサンウェブ/スイス)31 pts
新人賞
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)in 61h 03' 44''
2 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 15''
3 エンリク・マス(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 02' 10''
チーム総合順位
1 EFプロサイクリング(アメリカ)in 183h 12' 36''
2 モビスター チーム(スペイン)+ 00h 03' 00''
3 チーム ユンボ・ヴィズマ(オランダ)+ 00h 23' 02''
敢闘賞
54 シュテファン・キュング(グルパマ・エフデジ/スイス)
第14ステージのリタイア
31 ロマン・バルデ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)
34 ピエール・ラトゥール(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)
Cycle*2020 ツール・ド・フランス
第14ステージ:ハイライト動画
コースマップ
第15ステージ 9月13日(日)午後7:00 - 深夜1:30/J SPORTS 4
[区間]リヨン > グラン・コロンビエ 175Km(山岳)/絶対に失敗できないステージ
■コースの特徴
行く手に立ちはだかるのは大会4つ目の山地、ジュラ山脈の3峠。いずれも登坂距離が長く、勾配も高い。1週間後のパリで、マイヨ・ジョーヌを着ていたい者たちにとっては、絶対に失敗できないステージとなる。
山のひときわ多い2020年大会で、マイヨ・ヴェールを諦めたくないスプリンターたちだって、ここが頑張りどころだ。幸いにもコース前半は平坦で、翌日は休息日。58km地点のスプリントポイントに向けて、全精力を注ぎ込むに違いない。
一方でステージ後半には、3つの大きな上りが待ち受ける。まずは1級セル・ド・フロモンテル(登坂距離11.1km、平均勾配8.1%)と1級ビッシュ(6.9km、8.9%)の連続登坂。ただでさえ平均勾配の高い2峠だが、特に前者は山頂までのラスト3kmが勾配13%、最大22%と飛び切りきつい。後者は全体的に勾配が高く、中腹には11%ゾーンが2km続く。
ビッシュ山頂からの20km近い下りで、一旦体制を立て直した強豪たちは、いよいよグラン・コロンビエ(17.4km、7.1%)へ。2012年大会でツール一行が初めて上ったこの超級峠は、4度目の登場にして、ついに初めての山頂フィニッシュを受け入れる。勾配はころころ変わる。序盤7kmは8.5%のきつい上りで、最大12%に達する。ゆるいゾーンを経て、再び8.5%が4km。またまたゆるいゾーンを経て、山頂間近でまたしても勾配は跳ね上がる。さらに区間勝利に向けて山頂スプリントするつもりなら……ラスト400mの、勾配10%を攻略せねばならない!
ちなみに2020年ツール・ド・ランで、完全に同じラスト100kmを走っている。ツール開幕3週間前は、3峠の急勾配を、ユンボとイネオスが高速で山岳列車を走らせた。最後に圧倒したのはユンボ。もちろん3日間の争いの3日目と、21日間の争いの15日目では、状況は同じではない。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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