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【ツール・ド・フランス2020 第13ステージ結果速報】ダニエル・マルティネスが長い上りで強さを見せ初区間優勝、総合勢ではベルナル失速、バルデやマルタンも順位を落とす
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部長い長い上りで強さをみせたダニエル・マルティネス
獲得標高4400mの山岳ステージ、191.5kmの間に7つのカテゴリー山岳を詰め込んだ、総合争いの今後を決めかねない大事な日となる。アクチュアルスタートから大逃げを決めたい選手が次から次へとアタック、山岳賞ジャージ着用のブノワ・コヌフロワ(アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、ダニエル・マーティン(イスラエル・スタートアップネイション)ら5選手が逃げグループを形成。
最初の1級峠でコヌフロワはついていけなくなり、追走から抜け出したマルク・ソレル(モビスター チーム)がジャンプアップに成功。次の3級の上りで追走していたパヴェル・シヴァコフ(イネオス グレナディアーズ)、レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ)、ヒュー・カーシー、ダニエル・マルティネス(共にEFプロサイクリング)らが合流し17人のグループとなった。
残り距離87km地点、長い下りでメイン集団に落車が発生、総合4位ロマン・バルデ(アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、総合5位ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック)が巻き込まれ、総合13位につけていたバウケ・モレマ(トレック・セガフレード)はリタイアとなった。中間スプリントポイントをアラフィリップが先頭で通過、チーム ユンボ・ヴィズマがコントロールするメイン集団とのタイム差は8分以上に広がっている。
3級峠で先頭グループからニールソン・ポーレス(EFプロサイクリング)が抜け出し独走を開始、マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ)が追いつき2選手でゴールを目指す。ラスト18.5km地点でポーレスが遅れ始め、シャフマンは単独で追走グループから約1分のアドバンテージを持って先へと急ぐ。
追走グループから抜け出たケムナとダニエル・マルティネスが残り距離1.7km地点でシャフマンに追いつき、三つ巴のまま急勾配を上っていく。マルティネスが先頭を引く形でフラムルージュをくぐり、ラスト700mでケムナがマルティネスを剥がしにかかるも失敗、シャフマンはついていけなくなった。マイヨ・ジョーヌグループではタデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)のアタックでエガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ)が遅れた。
残り距離150mでケムナが渾身のアタックを見せるもマルティネスが余裕でかわしガッツポーズでフィニッシュラインへ飛び込んだ。ツール初区間優勝。総合勢ではポガチャルに唯一ついていったプリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ)がスロベニアコンビで再び共闘、マルティネスから6分5秒後に同タイムフィニッシュ。その13秒後にリッチー・ポート(トレック・セガフレード)、ミケル・ランダ(チーム バーレーン・マクラーレン)がゴールできたが、遅れたベルナルは38秒タイムを失った。
ポガチャルはログリッチから44秒遅れの総合2位へ、ヤングライダー賞首位へと返り咲いた。ベルナルは59秒遅れの総合3位。バルデとギヨーム・マルタン(コフィディス)が3分以上遅れ11位と12位まで順位を落としている。
「とても嬉しい、この勝利は別格だ。この勝利は数日後に2歳になる息子に捧げたい」(マルティネス、勝利後インタビュー)
第13ステージ結果
1 ダニエル・マルティネス(EFプロサイクリング/コロンビア)in 05h 01' 47''
2 レナード・ケムナ(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)+ 00h 00' 04''
3 マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)+ 00h 00' 51''
4 ヴァランタン・マデュアス(グルパマ・エフデジ/フランス)+ 00h 01' 33''
5 ピエール・ロラン(B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト/フランス)+ 00h 01' 42''
6 ニコラ・エデ(コフィディス/フランス)+ 00h 01' 53''
7 シモン・ゲシュケ(CCCチーム/ドイツ)+ 00h 02' 35''
8 マルク・ソレル(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 02' 43''
9 ヒュー・カーシー(EFプロサイクリング/イギリス)+ 00h 03' 18''
10 ダビ・デラクルス(UAEチームエミレーツ/スペイン)+ 00h 03' 52''
個人総合順位
1 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ/スロベニア)in 56h 34' 35''
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 00' 44''
3 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 59''
4 リゴベルト・ウラン(EFプロサイクリング/コロンビア)+ 00h 01' 10''
5 ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック/コロンビア)+ 00h 01' 12''
6 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ プロチーム/コロンビア)+ 00h 01' 31''
7 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)+ 00h 01' 42''
8 ミケル・ランダ(チーム バーレーン・マクラーレン/スペイン)+ 00h 01' 55''
9 リッチー・ポート(トレック・セガフレード/オーストラリア)+ 00h 02' 06''
10 エンリク・マス(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 02' 54''
ポイント賞
1 サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ/アイルランド)252 pts
2 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)186 pts
3 ブライアン・コカール(B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト/フランス)162 pts
山岳賞
1 ブノワ・コヌフロワ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)36 pts
2 ナンズ・ピーターズ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)31 pts
3 マルク・ヒルシ(チームサンウェブ/スイス)31 pts
新人賞
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)in 56h 35' 19''
2 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 15''
3 エンリク・マス(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 02' 10''
チーム総合順位
1 EFプロサイクリング(アメリカ)in 169h 47' 21''
2 モビスター チーム(スペイン)+ 00h 03' 00''
3 チーム ユンボ・ヴィズマ(オランダ)+ 00h 23' 02''
敢闘賞
28 マキシミリアン・シャフマン(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)
第13ステージのリタイア
104 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)
Cycle*2020 ツール・ド・フランス
第13ステージ:ハイライト動画
コースマップ
第14ステージ 9月12日(土)午後8:55 - 深夜2:00/J SPORTS 4
[区間]クレルモン・フェラン > リヨン 197km/最終10kmに2つの4級峠が連続で襲いかかる
■コースの特徴
西へと一直線。中央山塊に2度目の別れを告げ、4つ目の山地、ジュラ山脈へと大急ぎで接近する。そんな移動ステージは、起伏がきついわけでもなく、かといってもゆるいわけでもなく。逃げ向きか否か。果たして勝利の女神は、どんな脚質に微笑むか。
ミシュランタイヤの本拠地、クレルモンフェランから一行は走り出す。ステージ上には5つの山岳。前半には大きな2級べアル峠(登坂距離10.2km、平均勾配5.6%)がそびえ立つ。ただし、その後の長い下りと谷間とを利用すれば、スプリンターだって十分に遅れを取り戻すことができるはずだ。またステージ後半にも20kmほどかけてゆっくり無印ブロス峠へと上るけれど、20kmかけてゆっくり下るうちに、脚は回復しているかもしれない。
むしろ難題はステージの最終10kmに、2つの4級峠が連続で襲いかかること。残り9.5kmで4級デュシェール(1.4km、5.6%)、残り4.5kmで4級クロワ・ルス(1.4km、4.8%)を上って下りる。ちょっとしたクラシック風ルートで……パンチャーたちのアタックが炸裂するはずだ。
1903年第1回ツールの第1ステージのフィニッシュ地リヨンは、2013年第100回記念大会でも、同じ最終2峠を用意している。7年前は、18人の逃げ集団から、デュシェール峠で1選手が飛び出だした。しかし今年と同じく、ローヌ川沿いに引かれた長い長い最終ストレートで、ぎりぎりライバルたちに追いつかれた。最後に笑ったのはトレンティン。つまり「上れる」スプリンターだった。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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