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【ツール・ド・フランス2020 第8ステージ結果速報】逃げに乗ったナンズ・ピーターズが下りで抜け出しそのまま独走フィニッシュ!総合勢はポガチャルが40秒取り戻す
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部ジロで1勝、ツールで1勝のナンズ・ピーターズ
争いの場をピレネーへと移した一行は、カゼール=シュル=ガロンヌからルダンヴィエルへ向かう1級2つと超級1つを登る141kmの山岳ステージ。レース開始からアタック合戦が繰り広げられ山岳賞ジャージ着用のブノワ・コヌフロワ、ナンズ・ピーターズ(共にアージェードゥゼール・ラ・モンディアル)、イルヌル・ザカリン(CCCチーム)、ミケル・モルコフ(ドゥクーニンク・クイックステップ)ら13選手が逃げに乗った。
コヌフロワが1級マンテを先頭通過、メイン集団とのタイム差は13分以上。残り距離57km地点で先頭グループからジェローム・クザン(トタル・ディレクトエネルジー)が独走を開始。超級ポール・ド・バレスの登りで追走のピーターズ、ザカリン、カンタン・パシェ(B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト)がクザンを追い越し、残り距離45km地点でピーターズとザカリンが抜け出し伝統峠山頂を目指す。
メイン集団はチーム ユンボ・ヴィズマの牽引でペースアップ。不調のティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)が遅れ、総合争いから大きく脱落。ピーターズが超級山頂を先頭通過、下りでザカリンを引き離しそのまま独走で最終峠ペイルスルドへ。メイン集団ではジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックするも、そのまま力尽き遅れていった。タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ)が何度かアタックを仕掛け残り距離13kmでメイン集団から抜け出すことに成功、軽いペダリングで昨日失ったタイムを取り戻しに先を急ぐ。
ピーターズは独走のまま自身初のツール区間優勝、6分後にポガチャルがフィニッシュ、さらに38秒後にロマン・バルデ(アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、その2秒後に総合勢が集団フィニッシュ。プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ)がナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック)と共にダウンヒルを果敢に攻めたもののタイム差はつかず、アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)はマイヨ・ジョーヌキープに成功した。
「去年ジロで勝つことができて信じられなかったけど、今年はツールで区間優勝できただなんて!ツール・ド・フランスに出場するのが夢だった、ザカリンが登りに強いのは知っていたけど諦めなかった、最後まで全力で踏んだ」(ピーターズ、勝利後インタビュー)
第8ステージ結果
1 ナンズ・ピーターズ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)in 04h 02' 12''
2 トムス・スクインシュ(トレック・セガフレード/ラトビア)+ 00h 00' 47''
3 カルロス・ベローナ(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 00' 47''
4 イルヌル・ザカリン(CCCチーム/ロシア)+ 00h 01' 09''
5 ニールソン・ポーレス(EFプロサイクリング/アメリカ)+ 00h 01' 41''
6 ベン・ヘルマンス(イスラエル・スタートアップネイション/ベルギー)+ 00h 03' 42''
7 カンタン・パシェ(B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト/フランス)+ 00h 03' 42''
8 セーアン・クラーウアナスン(チームサンウェブ/デンマーク)+ 00h 04' 04''
9 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 06' 00''
10 ロマン・バルデ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)+ 00h 06' 38''
個人総合順位
1 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)in 34h 44' 52''
2 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ/スロベニア)+ 00h 00' 03''
3 ギヨーム・マルタン(コフィディス/フランス)+ 00h 00' 09''
4 ロマン・バルデ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)+ 00h 00' 11''
5 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 13''
6 ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック/コロンビア)+ 00h 00' 13''
7 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ プロチーム/コロンビア)+ 00h 00' 13''
8 リゴベルト・ウラン(EFプロサイクリング/コロンビア)+ 00h 00' 13''
9 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 00' 48''
10 エンリク・マス(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 01' 00''
・・・
12 ミケル・ランダ(チーム バーレーン・マクラーレン/スペイン)+ 00h 01' 34''
13 リッチー・ポート(トレック・セガフレード/オーストラリア)+ 00h 01' 34''
14 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+ 00h 02' 12''
19 アレハンドロ・バルベルデ(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 02' 41''
26 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ/フランス)+ 00h 11' 42''
ポイント賞
1 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)138 pts
2 サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ/アイルランド)131 pts
3 ワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィズマ/ベルギー)106 pts
山岳賞
1 ブノワ・コヌフロワ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)35 pts
2 ナンズ・ピーターズ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)31 pts
3 イルヌル・ザカリン(CCCチーム/ロシア)25 pts
新人賞
1 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)in 34h 45' 05''
2 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 00' 35''
3 エンリク・マス(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 00' 47''
チーム総合順位
1 EFプロサイクリング(アメリカ)in 104h 12' 30'''
2 トレック・セガフレード(アメリカ)+ 00h 01' 35''
3 モビスター チーム(スペイン)+ 00h 02' 34''
敢闘賞
36 ナンズ・ピーターズ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)
第8ステージのリタイア
52 ウィリアム・ボネ(グルパマ・エフデジ/フランス)
86 ディエゴ・ローザ(チーム アルケア・サムシック/イタリア)
183 リリアン・カルメジャーヌ(トタル・ディレクトエネルジー/フランス)
191 ジャコモ・ニッツォーロ(NTTプロサイクリング/イタリア)
Cycle*2020 ツール・ド・フランス
第8ステージ:ハイライト動画
コースマップ
第9ステージ 9月6日(日)午後8:55 - 深夜0:30/J SPORTS 4
[区間] ポー > ラランス 154Km(山岳)/この日の目玉はやはりダウンヒル
■コースの特徴
ピレネー2日目も下りフィニッシュ。あえてサスペンスを作り出したいという、開催委員会の狙いだ。だからこそダウンヒル突入前の上りには、発射台として、激勾配も用意された。
ツール受け入れ回数なんと72回目と、パリに次いで黄色いレースに縁の深いポーから、忙しい1日は始まる。スタート直後に4級峠を越えるのはほんの序の口。ステージ折り返し地点では一気に標高を1000m以上も駆け上がり、急勾配を2つ連続で済ませると、再び1000m以上も一気に駆け下りる。
1つ目の急勾配が1級ウルセール。「初登場」と謳われてはいるけれど、実は1995年大会、カザルテッリ死亡事故の翌日の、ニュートラル走行で通過している。登坂距離は11.1km、平均勾配は8%。上り始めてすぐに10%超ゾーンが2km待ち構え、その後も延々と急勾配が続く。また山頂からはほんの短距離下っただけで、すぐに2つ目の急勾配3級スデ(3.8km、8.5%)に突入だ。
フィニッシュまで75km。たとえ2峠で引き離されても、20km近く続く急降下を利用すれば、ライバルを捕らえられるだろうか。そこから4級峠を経て、この日の最終峠1級マリー・ブランク(7.7km、8.6%、ボーナスポイント)へ。なんと10年ぶりにツールに帰ってきた、ラスト4kmが平均12%という激坂!!
しかしこの日の目玉はやはりダウンヒル。下りの序盤6kmは勾配こそだらだらと緩めだが、道はクレイジーなほど細く、ヘアピンカーブも連なる。その後5kmほどは逆にカーブがなく真っ直ぐな急勾配。テクニック&スピードの両方が要求される。ラスト8kmは長く平坦な直線道路が待ち受けるから、独走力も必要だろう。ちなみに2018年大会でも同フィニッシュ地ははらはらドキドキ「霧の」下りフィニッシュの舞台となったが(ログリッチェ優勝)、あのときは別の山からの下りだった。
翌日は待ちに待った休息日。選手たちは飛行機で、大西洋岸の保養地へと移動する。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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