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サイクル ロードレース コラム 2020年9月4日

【ツール・ド・フランス2020 第6ステージ結果速報】今大会初の逃げ切り勝利を飾ったのはラスト17km独走のアレクセイ・ルツェンコ

ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部
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アレクセイ・ルツェンコ

カザフスタンチャンピオンのルツェンコはツール初勝利

ル・テイユから中央山塊のモン・エグアルを目指す191Kmの第6ステージ、アクチュアルスタートのあとニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ)がアタックするとグレッグ・ファンアーヴェルマート(CCCチーム)、アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ プロチーム)、ヘスス・エラダ(コフィディス)、ニールソン・ポーレス(EFプロサイクリング)、ダニエル・オス(ボーラ・ハンスグローエ)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(NTT)、レミ・カヴァニャ(ドゥクーニンク・クイックステップ)という強力な8選手での逃げグループが形成され、最大で6分45秒のタイム差をつけた。

125km地点の中間スプリントポイント、集団先頭はマイヨ・ヴェール着用のサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)、次点のペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)に対し3ポイント差をつけ、合計で12ポイント引き離すことに成功。2つ目の3級峠ムレゼスに入るとイネオス グレナディアーズがメイン集団を牽引、4分弱あったタイム差は2分半にまで縮まった。そのまま1級リュゼット峠へ入ると先頭グループのオスやボアッソンハーゲンが遅れ始める。

カヴァニャがペースを上げ、ポーレスのアタックでロッシュとルツェンコがぴったりマーク、さらにファンアーヴェルマートとエラダが追いつき5選手で山頂を目指す。残り距離18km、山頂手前5km地点でポーレスが再びアタック、ルツェンコだけがついていく。1kmほど登ると勾配のきついエリアでポーレスが脱落、ラスト17kmからルツェンコが単独先頭でフィニッシュ地を目指す。

ルツェンコはそのまま快走を続けガッツポーズでフィニッシュラインを越えた。ルツェンコはツール・ド・フランス初勝利。メイン集団はラスト300mでジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタックを仕掛け2分52秒遅れでフィニッシュ、その1秒後にマイヨ・ジョーヌ着用のアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)らがフィニッシュしている。

「とても重要な勝利だ、ペースも速く苦しんだけれど勝つことができた。ヴィノクロフGMに“今日はお前の日だ!”と言われてた、“逃げに乗ったら4〜5分の差をつける”という指示だった。勾配のきついエリアではペースを保って登ることができた」(ルツェンコ、勝利後インタビュー)

第6ステージ結果
1 アレクセイ・ルツェンコ(アスタナ プロチーム/カザフスタン)in 04h 32' 34''
2 ヘスス・エラダ(コフィディス/スペイン)+ 00h 00' 55''
3 グレッグ・ファンアーヴェルマート(CCCチーム/ベルギー)+ 00h 02' 15''
4 ニールソン・ポーレス(EFプロサイクリング/アメリカ)+ 00h 02' 17''
5 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ/フランス)+ 00h 02' 52''
6 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+ 00h 02' 53''
7 ミハウ・クフィアトコフスキ(イネオス グレナディアーズ/ポーランド)+ 00h 02' 53''
8 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 02' 53''
9 リチャル・カラパス(イネオス グレナディアーズ/エクアドル)+ 00h 02' 53''
10 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)+ 00h 02' 53''

個人総合順位
1 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)in 27h 03' 57''
2 プリモシュ・ログリッチ(チーム ユンボ・ヴィズマ/スロベニア)+ 00h 00' 03''
3 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 00' 07''
4 ギヨーム・マルタン(コフィディス/フランス)+ 00h 00' 09''
5 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 13''
6 トム・デュムラン(チーム ユンボ・ヴィズマ/オランダ)+ 00h 00' 13''
7 エスデバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット/コロンビア)+ 00h 00' 13''
8 ナイロ・キンタナ(チーム アルケア・サムシック/コロンビア)+ 00h 00' 13''
9 ロマン・バルデ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)+ 00h 00' 13''
10 ミゲルアンヘル・ロペス(アスタナ プロチーム/コロンビア)+ 00h 00' 13''
・・・
16 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ/フランス)+ 00h 00' 15''

ポイント賞
1 サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ/アイルランド)129 pts
2 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)117 pts
3 アレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ/ノルウェー)93 pts

山岳賞
1 ブノワ・コヌフロワ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)23 pts
2 ミヒャエル・ゴグル(NTTプロサイクリング/オーストリア)12 pts
3 ニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ/アイルランド)11 pts

新人賞
1 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)in 27h 04' 04''
2 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 06''
3 エンリク・マス(モビスター チーム/スペイン)+ 00h 00' 15''

チーム総合順位
1 EFプロサイクリング(アメリカ)in 81h 12' 37'''
2 トレック・セガフレード(アメリカ)+ 00h 01' 16''
3 チーム ユンボ・ヴィズマ(オランダ)+ 00h 01' 29''

敢闘賞
208 ニコラス・ロッシュ(チームサンウェブ/アイルランド)

第6ステージのリタイア
なし

Cycle*2020 ツール・ド・フランス

第6ステージ:ハイライト動画

コースマップ

第7ステージ 9月4日(金)午後8:55 - 深夜1:30/J SPORTS 4
[区間] ミヨー > ラヴァール 168Km/ピレネーと中央山塊の隙間を北東に吹き抜ける「オータン・ル・マラン」

■コースの特徴
中央山塊をたった1日で抜け出すと、プロトンは次なる山地、ピレネーへと大急ぎで接近する。地形だけ見れば、完全にスプリンター向け。ただし開催委員会は、罠の多いステージになるだろうと、警告する。

ツールの風景ですっかりおなじみ、「世界一高い橋」ミヨーの高架橋を見上げながら、この日の戦いの幕が開ける。いきなり9km地点に登場する3級峠を筆頭に、序盤25kmはかなりの起伏含み。勇ましい逃げ集団が形成されること間違いなし。その後も大小アップダウンは休みなく続く。前日の山越えで疲れた脚を、休ませる暇など決してない。

ステージも残すところ約45km。カストルを通過する頃には、ようやく起伏が一段落する。あとはフィニッシュまで、県道112号線を、ひたすら東へと突き進むだけ。

……ただしカストルといえば、常に風速30mほどの地方風が吹き荒れていることで有名だ。ツールが通過するこの9月4日、プロトンが感じるのはピレネーと中央山塊の隙間を北東に吹き抜ける「オータン・ル・マラン」だろうか。もしくは中央山塊から南東に吹き下ろす「オータン・ド・シベリー」か。つまり背中押してくれる風か、それとも分断を誘発する風か。

ちなみに前回ラヴァールでフィニッシュした2011年は、雨の中のスプリントを、カヴェンディッシュが制している。

高低差図

コースの特徴:宮本あさか

J SPORTS編集部

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