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【ツール・ド・フランス2020 第3ステージ結果速報】強い向かい風の集団スプリントを制したのはカレブ・ユアン、区間通算4勝目
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部小柄な体躯を活かした技ありの勝利をみせたユアン
ニースからシストロンへ向かう198kmの移動ステージ。3級山岳3つ、4級山岳1つが設定されており、獲得標高は3000mを超える。山岳賞ジャージ着用のブノワ・コヌフロワ(アージェードゥーゼール・ラモンディアール)、同ポイントで並ぶアントニー・ペレス(コフィディス)、逃げ巧者のジェローム・クザン(トタル・ディレクトエネルジー)の3選手が先行し、2分程度後方をドゥクーニンク・クイックステップがメイン集団を牽引。
3級山岳を2回連続で先頭通過したペレスは山岳賞首位へと躍り出たが、鎖骨骨折でリタイア、翌日もコヌフロワが山岳賞ジャージをキープすることとなった。中間スプリントポイントではペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)がメイン集団の頭を取り着実にポイントを積み重ねる。
残り距離16km、この日の敢闘賞クザンが吸収されると、スプリンターを抱えるNTT プロサイクリング、コフィディス、ドゥクーニンク・クイックステップらが隊列を整えながら、強い向かい風の中をフィニッシュ地へと進んでいく。
ラスト6kmの巨大なロータリーでワウト・ファンアールト(チーム ユンボ・ヴィズマ)を含む落車が発生、集団に戻ることはできなかった。チームサンウェブとロット・スーダルのトレインが先頭でフラムルージュを抜け、ラスト250mでダニエル・オス(ボーラ・ハンスグローエ)のリードアウトでサガンが発射、ジャコモ・ニッツォーロ(NTT プロサイクリング)やサム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ)らもスプリントを開始。
遥か後方からカレブ・ユアン(ロット・スーダル)が猛烈な勢いで追い上げ、サガンとバリケードの狭い間をすり抜けゴール直前でベネットをかわしフィニッシュラインへと飛び込んだ。小柄な体躯を活かした技ありの勝利をみせたユアンはツール・ド・フランス通算4勝目。
「チームは2人欠けてしまったけどみんなで110%の力を出した。ラスト1kmの時点で遅れていて、いいホイールにつくためにさらに下がるリスクを負った。バリケード横のラインを選んだが幸運にもすり抜けることができた。世界最大のレースで勝利できたことは本当に幸せ。これからももっとステージ勝利を狙っていく」(ユアン、勝利後インタビュー)
第3ステージ結果
1 カレブ・ユアン(ロット・スーダル/オーストラリア)in 05h 17' 42''
2 サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ/アイルランド)-
3 ジャコモ・ニッツォーロ(NTTプロサイクリングチーム/イタリア)-
4 ユーゴ・オフステテール(イスラエル・スタートアップネイション/フランス)-
5 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)-
6 エドワード・トゥーンス(トレック・セガフレード/ベルギー)-
7 ケース・ボル(チームサンウェブ/オランダ)-
8 マッテオ・トレンティン(CCCチーム/イタリア)-
9 ブライアン・コカール(B&Bホテルズ・ヴィタルコンセプト/フランス)-
10 ニッコロ・ボニファツィオ(トタル・ディレクトエネルジー/イタリア)-
個人総合順位
1 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ/フランス)in 13h 59' 17''
2 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)+ 00h 00' 04''
3 マルク・ヒルシ(チームサンウェブ/スイス)+ 00h 00' 07''
4 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 00' 17''
5 ダヴィデ・フォルモロ(UAEチームエミレーツ/イタリア)+ 00h 00' 17''
6 エガン・ベルナル(イネオス グレナディアーズ/コロンビア)+ 00h 00' 17''
7 トム・デュムラン(チーム ユンボ・ヴィズマ/オランダ)+ 00h 00' 17''
8 セルジオ・イギータ(EFプロサイクリング/コロンビア)+ 00h 00' 17''
9 ギヨーム・マルタン(コフィディス/フランス)+ 00h 00' 17''
10 エスデバン・チャベス(ミッチェルトン・スコット/コロンビア)+ 00h 00' 17''
ポイント賞
1 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)79 pts
2 アレクサンダー・クリストフ(UAEチームエミレーツ/ノルウェー)77 pts
3 サム・ベネット(ドゥクーニンク・クイックステップ/アイルランド)74 pts
山岳賞
1 ブノワ・コヌフロワ(アージェードゥゼール・ラ・モンディアル/フランス)21 pts
2 ミヒャエル・ゴグル(NTTプロサイクリングチーム/オーストリア)12 pts
3 トムス・スクインシュ(トレック・セガフレード/オーストリア)6 pts
新人賞
1 マルク・ヒルシ(チームサンウェブ/スイス)in 13h 59' 24''
2 セルジオ・イギータ(EFプロサイクリング/コロンビア)+ 00h 00' 10''
3 タデイ・ポガチャル(UAEチームエミレーツ/スロベニア)+ 00h 00' 10''
チーム総合順位
1 トレック・セガフレード(アメリカ)in 41h 58' 42''
2 EFプロサイクリング(アメリカ)-
3 アスタナ プロチーム(カザフスタン)-
敢闘賞
184 ジェローム・クザン(トタル・ディレクトエネルジー/フランス)
第3ステージのリタイア
126 アントニー・ペレス(コフィディス/フランス)
Cycle*2020 ツール・ド・フランス
第3ステージ:ハイライト動画
コースマップ
第4ステージ 9月1日(火)午後8:55 - 深夜1:30/J SPORTS 4
[区間] シストロン > オルシエール=メルレット 157Km/21世紀では初めての大事件
■コースの特徴
4日目にして早くも、大会最初の山頂フィニッシュが争われる。たしかに2015年は大会3日目でユイの「激坂」が、2011年大会は初日からいきなり4級峠が、フィニッシュの舞台に選ばれたいる。しかし「1級」フィニッシュがこれほど早い段階で組み込まれたのは、21世紀では初めての大事件だ。
前日のフィニッシュ地をスタートすると、まずはゆっくりと、しかし確実に標高を上げていく。約68kmの上り基調を経て最初の3級山岳を終えたら、そこからは細かいアップダウンとくねくね道の繰り返し。4級→3級→3級と脚を慣らしながら、かつては暴れ川として恐れられたドラック川(語源はラテン語のドラゴン)のほとりをつかず離れず、最後の難関へと接近していく。
オルシエール・メルレットの小さなスキー場へと誘うつづら折りの山道は、残り7.1kmから突入する。1989年以来、この南アルプスの難関に、プロトンは脚を踏み入れていない。つまりあらるゆ選手にとって、初めての難関となる。平均勾配は6.7%。登坂口1kmこそ比較的緩めながら、その後は7〜8%の勾配が延々と続く。
31年ぶりにツールに復活したこの山の名はなにより、1971年初登場時にルイス・オカニャがあのメルクスから黄色いジャージを奪い取った地として、自転車界にその名を轟かせている。山腹に小さな湖が点在するミステリアスなこの山が……2020年もまた、総合争いに大きな役割を果たすかもしれない。
高低差図
コースの特徴:宮本あさか
J SPORTS 編集部
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