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サイクル ロードレース コラム 2019年7月14日

【ツール・ド・フランス2019 第8ステージ結果速報】トーマス・デヘントが見事な大逃げで区間優勝!アラフィリップが総合首位に返り咲く!!

ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部
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写真:トーマス・デヘントが逃げ切り勝利


中央山塊を通る第8ステージは、マコンを出発し7つの中級山岳と無数のアップダウンを繰り返し200km先のサン・テティエンヌを目指す。前日落車したティージェイ・ヴァンガーデレン(EFエデュケーションファースト)は骨折が見つかったためスタートせず、またクリストフ・ラポルト(コフィディス、ソリュシオンクレディ)もスタートしたもののリタイアしている。

ファーストアタックで逃げを決めたトーマス・デヘント(ロット・スーダル)、ベンジャミン・キング(チーム ディメンションデータ)、ニキ・テルプストラ(トタルディレクトエネルジー)、追走で飛び出したアレッサンドロ・デマルキ(シーシーシーチーム)が合流に成功し、4選手での逃げグループを形成。5分程度のタイム差でメイン集団はボーラ・ハンスグローエなどがコントロール。

スタートから33km地点の中間スプリントポイントはテルプストラが先頭通過、集団ではエリア・ヴィヴィアーニ(ドゥクーニンク・クイックステップ)、ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)、マイケル・マシューズ(チームサンウェブ)の順で通過。2級、3級の山岳ポイントをデヘントが全て先頭通過しながら先を急ぎ、5つ目の峠でテルプストラとベン・キングがついていけなくなる。

アスタナ プロチームやEFエデュケーションファーストが登りでのペースを刻み、メイン集団は縮小され残り距離17km、最後の3級峠に入る直前でチーム イネオスに集団落車が発生。ディフェンディングチャンピオンのゲラント・トーマスは落車を回避したが、ペースアップした集団に追いついたのは峠を半分ほど登った後だった。

最終峠でデマルキを置き去りにしたデヘントが独走でゴールを目指し、勾配のきついところでヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ)が遅れ始めた時、ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ)がアタック、ついてこれたのはティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ)のみ。アフラフィリップは山頂を2番目に通過したためボーナスタイムの5秒を獲得、そのままピノと2人で30秒先行するデヘントを追いかける。

テクニカルなダウンヒルを抜けてもデヘントの脚は緩まない、タイム差25秒でフラムルージュを駆け抜け、単独のままフィニッシュラインを越え敢闘賞も獲得した。6秒後にピノとアラフィリップもフィニッシュ、ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード)から23秒差でアラフィリップはマイヨ・ジョーヌを取り戻し、フランス革命記念日にフランス人選手がマイヨ・ジョーヌを纏うこととなった。

「最後の登りはフルガスで踏みまくった、勝てるかも知れないと思ったのは4分くらい差がついたとき。コンディションは非常にいいので苦しくもなかったし、出し切る感じでもなかった。17kmくらいでスピードアップした時に逃げ切れるかも、と思い始めた。チームとして区間優勝が目標だったので達成できて本当によかった」(デヘント、勝利後インタビュー)

第8ステージ結果
1 トーマス・デヘント(ロット・スーダル/ベルギー)in 05h 00' 17''
2 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ/フランス)+ 00h 00' 06''
3 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ/フランス)+ 00h 00' 06''
4 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)+ 00h 00' 26''
5 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)+ 00h 00' 26''
6 マッテオ・トレンティン(ミッチェルトン・スコット/イタリア)+ 00h 00' 26''
7 クサンドロ・ムーリッセ(ワンティ・ゴペールサイクリングチーム/ベルギー)+ 00h 00' 26''
8 グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(シーシーシーチーム /ベルギー)+ 00h 00' 26''
9 エガン・ベルナル(チーム イネオス/コロンビア)+ 00h 00' 26''
10 ゲラント・トーマス(チーム イネオス/イギリス)+ 00h 00' 26''
・・・
12 アレクシー・ルツェンコ(アスタナ プロチーム/カザフスタン)+ 00h 00' 26''
13 ナイロ・キンタナ(モヴィスター チーム/コロンビア)+ 00h 00' 26''
14 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト/コロンビア)+ 00h 00' 26''
15 ダヴィ・ゴデュ(グルパマ・エフデジ/フランス)+ 00h 00' 26''
16 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)+ 00h 00' 26''
17 ワレン・バルギル(チーム アルケア・サムシック/フランス)+ 00h 00' 26''
19 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+ 00h 00' 26''
20 ファビオ・アル(UAEチームエミレーツ/イタリア)+ 00h 00' 26''
21 ヤコブ・フグルサング(アスタナ プロチーム/デンマーク)+ 00h 00' 26''
23 ステフェン・クライスヴァイク(チーム ユンボ・ヴィスマ/オランダ)+ 00h 00' 26''
24 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード/イタリア)+ 00h 00' 26''
26 リッチー・ポート(トレック・セガフレード/オーストラリア)+ 00h 00' 26''
27 ミケル・ランダ(モヴィスター チーム/スペイン)+ 00h 00' 26''
28 ロメン・バルデ(アージェードゥゼール ラ モンディアル/フランス)+ 00h 00' 26''
31 アレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター チーム/スペイン)+ 00h 00' 26''
32 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ/アイルランド)+ 00h 00' 26''
45 ヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+ 00h 04' 25''


個人総合順位
1 ジュリアン・アラフィリップ(ドゥクーニンク・クイックステップ/フランス)in 34h 17' 59''
2 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード/イタリア)+ 00h 00' 23''
3 ティボー・ピノ(グルパマ・エフデジ/フランス)+ 00h 00' 53''
4 ジョージ・ベネット(チーム ユンボ・ヴィスマ/ニュージーランド)+ 00h 01' 10''
5 ゲラント・トーマス(チーム イネオス/イギリス)+ 00h 01' 12''
6 エガン・ベルナル(チーム イネオス/コロンビア)+ 00h 01' 16''
7 ステフェン・クライスヴァイク(チーム ユンボ・ヴィスマ/オランダ)+ 00h 01' 27''
8 リゴベルト・ウラン(EFエデュケーションファースト/コロンビア)+ 00h 01' 38''
9 ヤコブ・フグルサング(アスタナ プロチーム/デンマーク)+ 00h 01' 42''
10 エマヌエル・ブッフマン(ボーラ・ハンスグローエ/ドイツ)+ 00h 01' 45''
・・・
11 エンリク・マス(ドゥクーニンク・クイックステップ/スペイン)+ 00h 01' 46''
12 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)+ 00h 01' 47''
14 ナイロ・キンタナ(モヴィスター チーム/コロンビア)+ 00h 02' 04''
15 ミケル・ランダ(モヴィスター チーム/スペイン)+ 00h 02' 06''
16 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ/アイルランド)+ 00h 02' 09''
17 ダヴィ・ゴデュ(グルパマ・エフデジ/フランス)+ 00h 02' 15''
18 リッチー・ポート(トレック・セガフレード/オーストラリア)+ 00h 02' 19''
19 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/オランダ)+ 00h 02' 45''
21 アレクシー・ルツェンコ(アスタナ プロチーム/カザフスタン)+ 00h 02' 54''
22 アレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター チーム/スペイン)+ 00h 03' 18''
23 ロメン・バルデ(アージェードゥゼール ラ モンディアル/フランス)+ 00h 03' 20''
24 ワレン・バルギル(チーム アルケア・サムシック/フランス)+ 00h 03' 26''
26 ファビオ・アル(UAEチームエミレーツ/イタリア)+ 00h 03' 48''
28 ヴィンチェンツォ・ニバリ(バーレーン・メリダ/イタリア)+ 00h 06' 18''


ポイント賞
1 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)204 pts
2 マイケル・マシューズ(チームサンウェブ/オーストラリア)144 pts
3 ソンニ・コロブレッリ(バーレーン・メリダ/イタリア)129 pts


山岳賞
1 ティム・ウェレンス(ロット・スーダル/ベルギー)43 pts
2 トーマス・デヘント(ロット・スーダル/ベルギー)37 pts
3 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード/イタリア)30 pts


新人賞
1 ジュリオ・チッコーネ(トレック・セガフレード/イタリア)in 34h 18' 22''
2 エガン・ベルナル(チーム イネオス/コロンビア)+ 00h 00' 53''
3 エンリク・マス(ドゥクーニンク・クイックステップ/スペイン)+ 00h 01' 23''


チーム総合順位
1 トレック・セガフレード(アメリカ)in 103h 29' 48''
2 モヴィスター チーム(スペイン)+ 00h 01' 39''
3 グルパマ・エフデジ(フランス)+ 00h 01' 44''


敢闘賞
164 トーマス・デヘント(ロット・スーダル/ベルギー)


第8ステージのリタイア
97 ティージェイ・ヴァンガーデレン(EFエデュケーションファースト/アメリカ)
151 クリストフ・ラポルト(コフィディス、ソリュシオンクレディ/フランス)

Cycle*2019 ツール・ド・フランス 第8ステージ ハイライト

第9ステージ7月14日(日) 午後8:55 - 深夜1:45/ J SPORTS 4
[区間] サン・テティエンヌ > ブリウド 170.5km/フランス革命記念日


ステージ詳細

■コースの特徴
中央山塊ですごす2日目。3つの山岳と無数のアップダウンが連なる、いわゆる逃げ向きのステージだ。しかも日付は7月14日……つまりキャトーズジュイエ。全てのフランス選手が特別な意気込みを抱く、フランス革命記念日!

栄光をつかみとるためには、上れる脚を持っていなければならない。なにしろスタートから30km過ぎには、1級ミュール・ドレック・シュル・ロワールが立ちはだかる。「ミュール=壁」の名は伊達ではない。平均勾配が11%という3.2kmの坂道のうち、途中1kmは約14%、最大19%!さらに追い打ちをかけるように、最後の1.2kmも平均勾配12%超・最大16%という恐ろしさ。

その後も延々と上って下りてを繰り返す。フィニッシュ手前13kmには、3級サン・ジュスト坂(3.6km、7.2%、最大9%)も待ち受ける。

しかし逃げ切りが決まるかどうかは分からない。理由はロマン・バルデ。フィニッシュ地で生まれ育ったフランス自転車界の星が、もしも地元優勝を目指した場合……逃げは強引に吸収されてしまう可能性もある。その場合は、サン・ジュスト坂の頂上で、その他大勢の総合本命たちも8秒のボーナスポイントを巡って激しく争うに違いない。

もちろんサン・ジュスト坂は、バルデの子供時代からの練習場所。ブリウド自転車クラブが選定した6本の「RB」サイクリングコースのうち、中上級向け3本にこの上りが組み込まれている。下りフィニッシュなのもやはり、バルデ向きだろうか。


■高低差図

高低差図
J SPORTS編集部

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