【ツール・ド・フランス2019 第3ステージ結果速報】平均勾配12.2％の激坂で仕掛けたアラフィリップがラスト15kmを単独走で区間優勝＆マイヨ・ジョーヌ獲得

写真：単独走の末、ステージ優勝したアラフィリップ

ベルギーのバンシュを出発し、フランスのエペルネまで215km南下する移動ステージ。アクチュアルスタートのあと数キロの間アタック合戦が繰り広げられ、最終的にステファヌ・ロセット（コフィディス、ソリュシオンクレディ）、ティム・ウェレンス（ロット・スーダル）、ポール・ウルスラン（トタルディレクトエネルジー）、 ヨアン・オフレド（ワンティ・ゴペールサイクリングチーム）、アントニー・ドゥラプラス（チーム アルケア・サムシック）の5選手の逃げグループが形成された。

中間スプリントポイントはウルスランが先頭で、メイン集団ではリア・ヴィヴィアーニ（ドゥクーニンク・クイックステップ）、ペーター・サガン（ボーラ・ハンスグローエ）、ソンニ・コロブレッリ（バーレーン・メリダ）の順番で通過。残り距離48kmで逃げグループからウェレンスが抜け出し独走を開始、4つの山岳ポイントを先頭通過して山岳賞ジャージと敢闘賞を手に入れた。

残り距離16kmの位置にある平均勾配12.2％の激坂ミュティニーでジュリアン・アラフィリップ（ドゥクーニンク・クイックステップ）が単独アタック。パンクしたウェレンスを山頂でかわし、そのままダウンヒルを滑るように下り、メイン集団に26秒の差をつけてフィニッシュ、初めてのマイヨ・ジョーヌ獲得した。

「リスク回避でアタックをしたらタイム差が開いたので行った、ステージ優勝は狙っていたけどマイヨ・ジョーヌは予想外だった、できるだけ長く着続けたい」（アラフィリップ、勝利後インタビュー）

第3ステージ結果
１　ジュリアン・アラフィリップ（ドゥクーニンク・クイックステップ／フランス）in 04h 40' 29''
２　マイケル・マシューズ（チームサンウェブ／オーストラリア）at 00'26''
３　ジャスパー・ストゥイヴェン（トレック・セガフレード／ベルギー）at 00'26''
４　グレッグ・ヴァンアーヴェルマート（シーシーシーチーム ／ベルギー）at 00'26''
５　ペーター・サガン（ボーラ・ハンスグローエ／スロバキア）at 00'26''
６　マッテオ・トレンティン（ミッチェルトン・スコット／イタリア）at 00'26''
７　ソンニ・コロブレッリ（バーレーン・メリダ／イタリア）at 00'26''
８　クサンドロ・ムーリッセ（ワンティ・ゴペールサイクリングチーム／ベルギー）at 00'26''
９　ウァウト・ヴァンアールト（チーム ユンボ・ヴィスマ／ベルギー）at 00'26''
10　ティボー・ピノ（グルパマ・エフデジ／フランス）at 00'26''

個人総合順位
１　ジュリアン・アラフィリップ（フランス／ドゥクーニンク・クイックステップ）in 09h 32' 19''
２　ウァウト・ヴァンアールト（チーム ユンボ・ヴィスマ／ベルギー）at 00'20''
３　ステフェン・クライスヴァイク（チーム ユンボ・ヴィスマ／オランダ）at 00'25''
４　ジョージ・ベネット（チーム ユンボ・ヴィスマ／ニュージーランド）+ 00h 00' 25''
５　マイケル・マシューズ（チームサンウェブ／オーストラリア）at 00'40''
６　エガン・ベルナル（チーム イネオス／コロンビア）at 00'40''
７　ゲラント・トーマス（チーム イネオス／イギリス）at 00'45''
８　エンリク・マス（ドゥクーニンク・クイックステップ／スペイン）at 00'46''
９　グレッグ・ヴァンアーヴェルマート（シーシーシーチーム／ベルギー ）at 00'51''
10　ウィルコ・ケルデルマン（チームサンウェブ／オランダ）at 00'51''
・・・
11 マイケル・ウッズ（EFエデュケーションファースト／カナダ）at 00'51''
12 ティボー・ピノ（グルパマ・エフデジ／フランス）at 00'52''
13 リゴベルト・ウラン（EFエデュケーションファースト／コロンビア）at 00'53''
14 ティージェイ・ヴァンガーデレン（EFエデュケーションファースト／アメリカ）at 00'53''
17 ダヴィ・ゴデュ（グルパマ・エフデジ／フランス）at 00'57''
21 ヴィンチェンツォ・ニバリ（バーレーン・メリダ／イタリア）at 01'01''
22 アダム・イェーツ（ミッチェルトン・スコット／イギリス）at 01'06''
23 アレクシー・ルツェンコ（アスタナ プロチーム／カザフスタン）at 01'06''
25 ヤコブ・フグルサング（アスタナ プロチーム／デンマーク）at 01'06''
38 ダニエル・マーティン（UAEチームエミレーツ／アイルランド）at 01'28''
41 ナイロ・キンタナ（モヴィスター チーム／コロンビア）at 01'30''
42 アレハンドロ・バルベルデ（モヴィスター チーム／スペイン）at 01'30''
43 ミケル・ランダ（モヴィスター チーム／スペイン）at 01'30''
48 リッチー・ポート（トレック・セガフレード／オーストラリア）at 01'43''
50 バウケ・モレマ（トレック・セガフレード／オランダ）at 01'43''
51 ロメン・バルデ（アージェードゥゼール ラ モンディアル／フランス）at 01'44''
56 ワレン・バルギル（チーム アルケア・サムシック／フランス）at 02'16''
58 ファビオ・アル（UAEチームエミレーツ／イタリア）at 02'19''
69 イルヌール・ザカリン（チーム カチューシャ・アルペシン／ロシア）at 04'11''

ポイント賞
１　ペーター・サガン（ボーラ・ハンスグローエ／スロバキア）76 pts
２　マイケル・マシューズ（チームサンウェブ／オーストラリア）59 pts
３　ソンニ・コロブレッリ（バーレーン・メリダ／イタリア）54 pts

山岳賞
１　ティム・ウェレンス（ロット・スーダル ／ベルギー）7 pts
２　クサンドロ・ムーリッセ（ワンティ・ゴペールサイクリングチーム／ベルギー）3 pts
３　グレッグ・ヴァンアーヴェルマート（シーシーシーチーム ／ベルギー）2 pts

新人賞
１　ウァウト・ヴァンアールト（チーム ユンボ・ヴィスマ／ベルギー）in 09h 32' 39''
２　エガン・ベルナル（チーム イネオス／コロンビア）at 00'20''
３　エンリク・マス（ドゥクーニンク・クイックステップ／スペイン）at 00'26''

チーム総合順位
１　チーム ユンボ・ヴィスマ（オランダ）in 29h 07' 04''
２　チームサンウェブ（ドイツ）at 01' 44''
３　EFエデュケーションファースト（アメリカ）at 01' 57''

敢闘賞
168　ティム・ウェレンス（ロット・スーダル ／ベルギー）

第3ステージのリタイア
なし

第4ステージ 7月9日（火）午後8:55 - 深夜1:45/ J SPORTS 4
[区間] ランス > ナンシー 213.5km／大会最初の勝負地ヴォージュ山塊へと接近

一路、東へ。いわゆる長く平坦な「移動ステージ」で、間違いなくスプリンター向き。200km以上走った果てに、プロトンは大会最初の勝負地ヴォージュ山塊へと接近する。

スタート直後にシャンパーニュの丘陵地帯に別れを告げると、しばらくはひたすら何もない平坦な大地が続く。ステージも後半に入ると、ほんの少し起伏も登場する。ただし難所は小さな4級峠が2つだけ。むしろこの日の敵は、風かもしれない。コース周囲には風を遮るような障害物はほとんどなく、ステージ中盤には風力発電塔もいくつか立ち並んでいる。

もちろんスプリンターたちは、フィニッシュ手前15kmの4級マロン坂（登坂距離3.2km、勾配5％）を、最大限に警戒すべきだ。ちなみに5年前にナンシーがフィニッシュを迎え入れた際には、このマロン坂の後に、もう1つ山岳が挟まれた。しかも、そこでヴァンアーヴェルマートとサガンが奇襲を仕掛け、30人程度の集団スプリントをトレンティンが制する……という手に汗握る展開が繰り広げられたものだ。

ただし今回はマロン坂で起伏は打ち止め。スプリンターたちが集団をひとつにまとめる時間は十分にある。ナンシーの市街地を通り過ぎる最終盤だけは、いくつも登場する直角カーブに要注意。そして残り1500mでムルト川沿いに出ると、あとはフィニッシュラインまでほぼ真っすぐの道が続く。余計な障害物に邪魔されることなく、壮観なスプリント争いが繰り広げられることになりそうだ。