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【ツール・ド・フランス2017現地レポート】ツール・ド・フランス30年ぶりのドイツ開幕 同国自転車界復興のシンボルに
ツール・ド・フランス by 福光 俊介今年で104回目を迎えるツール・ド・フランスは、10の街を初めて訪れる。グランデパール(開幕地)に選ばれた、ドイツ南西部の都市・デュッセルドルフもその1つである。
さぞかし盛り上がっていることだろうと思って現地に赴いた筆者であるが、実際は旧市街地のアルシュタットに集約されていた印象だ。ここはツール開幕2日前にチームプレゼンテーションが行われ、14km個人タイムトライアルで争われる第1ステージのコースにも組み込まれた。
写真:ツール・ド・フランスを歓迎する装飾がなされるデュッセルドルフの旧市街・アルシュタット
ライン川沿いに位置し、さまざまなジャンルのブティックや飲食店に加え、市庁舎もあり、ツール開幕のお祭り騒ぎを「一点集中」させることは、経済面で効率的なのだろう。工業・経済ともにドイツ国内で群を抜いて発展している都市でもあるから、街全体で盛り上がることで都市機能を麻痺させるわけにはいかない。
さて、そのアルシュタットには、公式グッズ販売ブースが至るところに設置され、どこも人、人、人の大盛況。一方、観光案内所ではグランデパール記念グッズを販売。傾向として、地元の人たちは公式グッズ販売ブースへ、ツール観戦に慣れた人たちは観光案内所へ足を運び、それぞれに「この機会」でしか得られない貴重なアイテムを手に入れたようだ。
写真:ツール公式グッズ販売ブースは大盛況
通りにはツールを歓迎する装飾がなされ、4賞ジャージをイメージした黄・緑・水玉・白が次々と目に飛び込んできた。なかでも、とあるベーカリーショップの装飾は何種類ものパンと見事なまでにマッチしていて、パン好きの筆者にとってそれはもう天国のような光景だった。
写真:装飾とパンのコラボレートが秀逸だったベーカリーショップ
近隣諸国への進出に積極的なツールだが、ドイツでの開幕は実に30年ぶり。ドーピングスキャンダルによって、一度はロードレース熱が冷めきった時期があったことを思えば、ツールの“帰還”はドイツ自転車界“復興”のシンボルとなるはずだ。第1ステージでのドイツ勢の勝利は実現しなかったが、ツールの華やかさと壮大さはきっと人々に伝わったことだろう。
写真:ショーウィンドウもツール仕様に
福光 俊介
ふくみつしゅんすけ。サイクルライター、コラムニスト。幼少期に目にしたサイクルロードレースに魅せられ、2012年から執筆を開始。ロードのほか、シクロクロス、トラック、MTB、競輪など国内外のレースを幅広く取材する。ブログ「suke's cycling world」では、世界各国のレースやイベントを独自の視点で解説・分析を行う
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