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【ツール・ド・フランス2018 第16ステージ結果速報】ダウンヒル巧者のアラフィリップがピレネー初日を制す、山岳賞争いも大きくリード
ツール・ド・フランス by J SPORTS 編集部2度目の休息日をカルカッソンヌで過ごした148人の選手は218kmのピレネー初日ステージを出発。大逃げを決めたい選手たちのアタック合戦が行われたがそれらは決まらず、最初の4級山岳をワレン・バルギル(チーム フォルテュネオ・サムシック)が先頭通過。28km地点で抗議行動による影響で約12分レースは中断、その後再開されると再びアタック合戦が行われ、ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップフロアーズ)が2つ目の4級山岳を先頭通過した。
スタートから100km過ぎたところでようやく44選手での先頭グループが形成され、追走の3人が加わり47人となった。最高順位はグレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMCレーシングチーム)の+約18分、チーム スカイがコントロールするメイン集団はこの日も急がず、明日以降のステージに備える構え。
中間スプリントポイントはクリストフ・ラポルテ(コフィディス、ソリュシオンクレディ)、エドヴァルド・ボアッソンハーゲン(チーム ディメンションデータ)、ヴァンアーヴェルマートの順番で通過、この日マイヨ・ヴェール着用のペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)は逃げに乗っていない。残り距離70kmでフィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ)が単独アタック、2級ポルテ・ダスペ峠を先頭通過し、下りで崖下へ落ちたが無事レースに復帰、ゴール後には敢闘賞でポディウムに上がった。
バルギル、ダミアーノ・カルーゾ(BMCレーシングチーム)、ロベルト・ヘーシンク(チーム ロットNL・ユンボ)が先頭で1級マンテ峠の登坂開始、バルギルが遅れはじめ、追走グループに潜んでいたアラフィリップが先頭通過で山岳賞ポイントを積み重ね、2位のバルギルに49ポイント差まで広げることに成功した。
13人にまで絞られた先頭グループが最後の1級ポルティヨン峠へ突入、メイン集団は10分後方を走る、マティアス・フランクがヤングライダー賞着用のピエール・ラトゥール(共にアージェードゥゼール・ラ・モンディアル)のために長時間牽引し、力尽きるとミカエル・ヴァルグレン(アスタナ プロチーム)がアタック、ロベルト・ヘーシンク(チーム ロットNL・ユンボ)とドメニコ・ポッツォヴィーボ(バーレーン・メリダ)がカウンターで先頭に躍り出る。
バウケ・モレマ(トレック・セガフレード)やアダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット)、マルク・ソレル(モヴィスター チーム)なども先頭の2人に追いつき、山頂まで3.1kmでイェーツが独走開始、そのまま山頂を先頭通過、アラフィリップが15秒後に山頂を越えダウンヒルで追いかける。途中、落車したイェーツをアラフィリップが追い抜き、そのままゴールまで残り7kmを駆け下りた。アラフィリップは今大会区間2勝目。また、メイン集団は途中モヴィスター チームやチーム カチューシャ・アルペシンが攻撃を仕掛けるも不発に終わり、8分52秒後に集団ゴール、総合勢に動きはなかった。
「2勝目をあげることができて、とても嬉しい。脚が痛くて大変な日だった、ジルベールの落車は本当に残念。最後の下りは危なかった」(アラフィリップ勝利後インタビュー)
第16ステージ結果
1 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップフロアーズ/フランス)in 05h 13'22''
2 ゴルカ・イサギーレ(バーレーン・メリダ/スペイン)at 00'15''
3 アダム・イェーツ(ミッチェルトン・スコット/イギリス)at 00'15''
4 バウケ・モレマ(トレック・セガフレード/アメリカ)at 00'15''
5 ドメニコ・ポッツォヴィーボ(バーレーン・メリダ/イタリア)at 00'18''
6 ロベルト・ヘーシンク(チーム ロットNL・ユンボ/オランダ)at 00'37''
7 ミカエル・ヴァルグレン(アスタナ プロチーム/デンマーク)at 00'56''
8 グレゴール・ミュールベルガー(ボーラ・ハンスグローエ/オーストリア)at 00'56''
9 マルク・ソレル(モヴィスター チーム/スペイン)at 01'10''
10 ピエール・ラトゥール(AG2R/フランス)at 01'18''
個人総合順位
1 ゲラント・トーマス(チーム スカイ/イギリス)in 68h 12'01''
2 クリス・フルーム(チーム スカイ/イギリス)at 01'39''
3 トム・デュムラン(チームサンウェブ/オランダ)at 01'50''
4 プリモシュ・ログリッチェ(チーム ロットNL・ユンボ/スロベニア)at 02'38''
5 ロメン・バルデ(AG2R/フランス)at 03'21''
6 ミケル・ランダ(モヴィスター チーム/スペイン)at 03'42''
7 ステフェン・クライスヴァイク(チーム ロットNL・ユンボ/オランダ)at 03'57''
8 ナイロ・キンタナ(モヴィスター チーム/コロンビア)at 04'23''
9 ヤコブ・フグルサング(アスタナ プロチーム/デンマーク)at 06'14''
10 ダニエル・マーティン(UAEチームエミレーツ/アイルランド)at 06'54''
・・・
11 アレハンドロ・バルベルデ(モヴィスター チーム/スペイン)at 09'36''
12 ボブ・ユンゲルス(クイックステップフロアーズ/ルクセンブルク)at 09'53''
14 イルヌール・ザカリン(チーム カチューシャ・アルペシン/ロシア)at 10'13''
ポイント賞
1 ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ/スロバキア)452 pts
2 アレクサンドル・クリストフ(UAEチームエミレーツ/ノルウェー)170 pts
3 アルノー・デマール(グルパマ・エフデジ/フランス)133 pts
山岳賞
1 ジュリアン・アラフィリップ(クイックステップフロアーズ/フランス)122 pts
2 ワレン・バルギル(チーム フォルテュネオ・サムシック/フランス)73 pts
3 ゲラント・トーマス(チーム スカイ/イギリス)30 pts
新人賞
1 ピエール・ラトゥール(AG2R/フランス)in 68h 21'55''
2 ギヨーム・マルタン(ワンティ・グループゴペール/フランス)at 02'29''
3 エガン・ベルナル(チーム スカイ/コロンビア)at 13'50''
チーム総合順位
1 バーレーン・メリダ(バーレーン)in 204h 39'03''
2 モヴィスター チーム(スペイン)at 01'08''
3 アスタナ(カザフスタン)at 56'02''
敢闘賞
104 フィリップ・ジルベール(クイックステップフロアーズ/ベルギー)
第16ステージのリタイア
66 ダミアン・ホーゾン(ミッチェルトン・スコット/オーストラリア)
102 ティム・デクレルク(クイックステップフロアーズ/ベルギー)
134 セルジュ・パウエルス(チーム ディメンションデータ/ベルギー)
第16ステージ:ハイライト動画
第17ステージ 7月25日 (水) 午後9:40~深夜2:00 / J SPORTS 4 [区間] バニェール=ド=リュション ~ サン=ラリー=スラン 65km / 全長65kmの超ショートステージ
■コースの特徴
ピレネー2日目、開催委員会がとてつもない罠を仕掛けてきた。前日に下りフィニッシュの舞台となったリュションから始まるステージは、全長わずか65km。もちろんタイムトライアルを除く今大会最短ステージであり、悪天候等で短縮されたものを除けば、1988年第16ステージの38km以来となる最短ラインステージとなる。
65kmの短距離に、1級ペイラギュード峠(登坂距離14.9km、最大勾配6.7%)、1級ヴァル・ルーロン・アゼ(7.4km、8.3%)、そして超級サン・ラリー・スラン(16km、8.7%)と3つの難峠が詰め込まれた。文字通り長い上りと長い下りしかない。ゼロkm地点から登坂が始まる。しかも通常のラインレースにあるべき「ローリングスタート」ではなく、スタートラインに静止した状態からのヨーイドンでレース開始!
しかも一斉スタートではない。前日までの総合順位にもとづいて、プロトンは5つのグループに分けられる。まずは総合上位20選手がF1風にスタートグリッドから走り出し、その後も第2グループ、第3グループ……と小さな集団ごとに出走する。つまりは多くの総合上位選手たちは、いきなりアシストなしで山道に放り出されるというわけだ。
わずか2時間半ほどの全力疾走の終わりに、サン・ラリー・スランの山頂で、総合争いは大きく動いているだろうか。今大会最高標高地点の2215mを勝ち取った区間覇者には、ツール創設者にちなんだ「アンリ・デグランジュ記念賞」も与えられる。
■高低差図J SPORTS 編集部
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