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サイクル ロードレース コラム 2018年7月5日

【プロの目】グランツールに出場する場合のレース機材について / Tour de France 2018

ツール・ド・フランス by 西 勉
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みなさん、初めまして。プロコンチネンタルチームNIPPO・ヴィーニファンティーニ・ヨーロッパオヴィーニでメカニックをしている西勉(にし・つとむ)です。ヨーロッパを拠点とするプロチームの側面を、メカニックの視点から紹介していきます。

まず第1回目は、ツール・ド・フランスのようなグランツールに出場する場合のレース機材についてです。メカニックは最低でも4名がレースに帯同し、大きな機材トラックとサブトラックがチームの機材庫となり、常時レースを進めながら、必要な機材を準備や調整、修理等を行なっていきます。

以下が、現在の1チーム選手8名体制とした場合、自分たちが用意する機材です。

・ロードバイク 24台(選手各3台)
・TTバイク 16台(選手各2台)
・エース選手に用意されるスペシャルバイク 4台
・ホイール 80ペア(最低)
・20台分のスペアメインパーツ
・チェンホイール アウター/53~58T 40枚、インナー/34~44T 60枚
・スプロケット(27~32T) 80セット
・チェーン 70本
・タイヤ(TT用やスペシャル含む) 120本
・リムセメント 15kg
・サドル 40個
・ペダル 10個
・バーテープ 150ペア
・駆動機材洗浄液(ディクリーザー) 30リットル
・メカニックスタンド 4台
・サイズ修正器具 2台
・電動高圧洗浄機 2台
・電動コンプレッサー 2台
・手洗い石鹸液タイプ 2リットル
・作業服、防寒、レインジャケット、作業ブーツ等

またこれら機材を積み込む機材トラックの管理も自分たちで行なっていきます。3週間のグランツールの場合、その前後を含めると4週間の遠征となります。その期間中に、トラックのエンジンや電気系統にトラブルが生じても、修理する余裕が全くないため、事前に必ずエンジン、エアーラインと電気配線のコントロールを、専門の車両整備班と入念にチェックすることも大事な仕事です。

チームの倉庫からレースに向けて機材を積み込む際は、最初にタイムトライアルステージがあるので、メインで使用するレースバイクだけでなく、TTバイクも手前に来るように積みます。この際、すべてのバイクの電動変速機のバッテリーをチェックします。そして、積み込む前にタイヤの空気圧は全て6気圧ほど入れておきます。これによりパンクしていないかチェックできます。

大会直前に出場メンバーが入れ替わる可能性もあるので、監督から指示を仰ぎ、リザーブのメンバーのバイクも準備しておくことも大切。慌てず、どんなことが起こってもいつでも入れ替えできるように(完全な状態で準備ができるように)、シミュレーションし、サブトラックの中身を含め、入念にプランを考えておきます。

またスタートが開催地国外のためバイクを空輸する場合、欠かすことができないことが輪行ケースの準備。メインの機材トラックはスペースが限られているため、サブトラックやチームバスの収納スペースに積み込みます。そして、レースが本国に戻った時に機材をどう回収して移動させるか、メカニックグループで入念にミーティングを行います。



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西 勉

兵庫県出身のプロメカニック。高校卒業後、 欧州でプロのロードレース選手になることをめざして、 単身フランスへと渡り、アマチュアレースを転戦。その後、 自転車競技のレースメカニックに転向し、 現在まで10シーズン以上にわたってヨーロッパを拠点とするトップチームで働く。 日本ナショナルチームのメカニックとして、オリンピックや世界選手権でも活躍。

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